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2009年02月02日

あなたのビジネスはお役に立っていますか?

こんにちは 😀
今年に入ってから、本をよく読んでいます
最近読んだ本の中に、農業だけに限らない話ですが、これって忘れたくないよなぁ~と、共感できる内容があったので紹介したいと思います。
矢崎栄司著 あなたにもできる「おいしいね!」と喜ばれる食ビジネス -7つの秘訣-
から、以下抜粋引用

 寺田さんは、25歳のときに、およそ300年間(当時)続いてきた蔵元の寺田本家に婿養子に入りました。
(中略)
 寺田さんが入った頃の造り酒屋の世界は、大手洋酒ビールメーカーの攻勢や焼酎に押され、日本酒の需要がどんどん落ち込んでいる時代です。現在でもこの傾向に歯止めがかからず、1974年に全国に3300あった蔵元は、半分以下の1500に減少と、さらに拍車がかかっています。
(中略)
 寺田本家もその波に飲み込まれ、寺田さんが婿入りしてからも、なんとか売り上げを伸ばそうとして居酒屋、そば屋などをやったり、経費を削減しようと原料に安い米を使い、化学調味料やアルコールを添加して味付け・増量する三増酒を造ったりもしました。しかし、それらもすべて空回りしました。
 そのとき、寺田さんは、300年続いた蔵元だけど、「自分がやってもだめだろう」と思い、「もうやめざるを得ない、店を畳もう」と思っていたそうです。

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 そんなときに病気を患い、入院して手術を受けました。病院を退院したのち、当時85歳のある老人に出会い、言われたことが、「あなたのお酒造りは、お役に立っていますか?」ということでした。
 この言葉にハッとした寺田さんは、これまで自分がやってきたことを振り返ってみると、「お役に立つ」ということとは、相反することだと気づきました。
 そこで寺田さんは、「一度はお役に立ってから、店じまいしよう」と決意し、「本当のお酒造りって、なんだろうか?」と考え、減量を探していた折にある農家から、古くなった農薬を使って栽培した米と自然農法で栽培した無農薬の米を見せられ、びっくりしました。自然農法の米はなんともないのに、農薬を使った米はたーる状に溶けているではないですか。「こんな米を使って酒を造ってきたのか!」と愕然とした寺田さんは、そのとき、無農薬の自然農法の米を使って、環境にも身体にもよい、本当の酒を造りたいと思いました。
 無農薬の自然農法米は当時でも一般の米価格の2倍はしました。(現在では3倍します。)
 経営学からいえば、原料の原価を下げて粗利を上げ、機械化して生産性を上げるのが常識です。それに対して、価格の高い米を使えば原料費が上がり、製造に手間ひまかければ人件費が上がります。常識的に考えれば経営が成り立つはずがない非常識なことですが、寺田さんは、「お役に立つ」ということから、経営の常識とはまったく逆のことをやりました。こうして無農薬・自然農法米を使った自然酒「五人娘」ができあがりました。
(中略)
 寺田さんは病気を機に食事を玄米食にしていました。ところが、現代の酒造りでは、米を研いて(精米して)、米ぬかや胚芽の部分を取り除いて使うことが常識です。精米歩合の高い酒のほうが雑味がなく、味がスッキリしていて、上級だという意識に固まっているのです。古代には御神酒が薬だったと文献にも書いてあり、百薬の長だと呼ばれていましたが、当時は研く技術がなく、玄米で造られていました。ところが、近代になって醸造学が発達するにつれて、見えなくなっていくものがあり、本来の酒造りの伝統、技術が亡んでしまったのです。
 米の栄養成分のほとんどが含まれる胚芽やぬかの部分を持った玄米の酒こそ古代から伝わった百薬の長です。「こんなすばらしいものを造って、ぜひ皆さんに提案したい」と、そんな思いで寺田さんは、発芽玄米酒「むすひ」を作りました。国税局からは、「これは日本酒(清酒)ではない。雑酒だ。」といわれたそうです。それ以来、発芽玄米酒を6年間造り続けて来ましたが、これも支える人が徐々に増え、2004年に高血圧や血糖値を下げるということで話題になり、1年前に比べて30倍の売り上げになり、20年前に「もう、やめよう」と思った造り酒屋が経済的にも成り立ってきているそうです。
 寺田さんは、自然酒「五人娘」や発芽玄米酒「むすひ」を造ることができたのは、(1)まず命がけで「お役に立つ酒造り」をしようと考えたこと、そして、(2)自分が酒造り屋の婿で酒造りの素人だったことから、業界の枠(常識)にとらわれずに、「どうして、こんなお酒ができないのだろうか」と考え、業界の枠から離れたところから見ることができたことを上げています。
(中略)
 寺田さんが、寺田本家に婿養子に入っておよそ30年。振り返ってみたら、現在1500軒残っている造り酒屋で、「一番変な蔵元だ」といわれているそうです。寺田さんは、商いは「菩薩業」だともいいます。つまり、人の役に立つことをするからです。で、(1)お役に立つと信じたことを実践したら、必ず支える人が現れる。(2)人間が作った社会常識やおきてに縛られずに自由に選択し、変わるということが大切。(発酵とは、変わるということ)。(3)そして、お店は「自分をお見せする場」だと言います。つまり、自分が信じた大好きなことを、「表現する場」です。
 日本の有機八百屋の草分けでもある、長本兄弟商店会の長本さんが堂々話していることと同じです。不況、苦境にあえぐ人は、今一度、創業の原点に還って、「お役に立ちたい」と始めたことを思い返し、これまで染まってきた常識や掟を取り払って、自分の個性・持ち味を表現することが大事です。
 また、これからビジネスを始められる方は、「お役に立つこと」を、常識や枠にとらわれないで自由に選択して実践し、自分を表現することが大切です。

引用終わり
 個人でも企業でも、経営していく中で思うように収益が上がらず苦戦することはあると思います。そんなときに限って、目前の課題となった「収益を上げる」、そのためには「どうする」か、だけを考えてしまい、何のために仕事をしているのか、を忘れてしまいがちです。
 ですが、そんな時にこそ、「社会(=みんな)の役に立つ」こそが本来の目的で、多々ある仕事はその手段であり、収入はその評価の表れであることを忘れず、これから「どうする」を考えていきたいものです。

投稿者 yasutan : 2009年02月02日 List   

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コメント

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