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2022年12月29日

【不耕栽培の可能性】エピソード2~不耕起栽培の実践事例①★大阪の学習塾が営む「農業塾」から~

前回のブログでは、

・「不耕(起)栽培」というものは、世界各地で実践されているが、目的や技術は様々

・海外では、「耕運を行わないことによる生産コスト削減」を目的としており、科学技術や農薬は容認されている例もある

・日本で行われている「不耕栽培」は、科学技術も使わず、まさに「自然と一体」で行われる栽培ゆえ普及が難しい

…と、雑草と野菜の生き残り競争など、「耕さない」とはいえ決して手軽にできるものでもない!ということが分かりました!

 

今回からは、実際に「不耕栽培」に取り組んでいる農家さんや団体の紹介に入っていきます。

ここでは、実践している方の声や想いを知り、「なぜ、不耕栽培に取り組むのか?」「不耕栽培の可能性」について探索していきます。

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■子供達と一緒に野菜とお米を育てきる「不耕栽培」

 

大阪の学習塾「類塾」では、毎週土曜日に大阪各地から生徒たちが集まり、自分たちで野菜を育てきる「自然百姓塾」を開催しています。年中さん(4歳)~中学生(保護者同伴も可能)が、育てたい作物を選んで収穫まで面倒をみています。

 

具体的には、夏にはトマト・ナス・ピーマン・落花生…冬にはハクサイ・ダイコン・イチゴ・カブ…そのほかにも色んな農作物を育てています♪

 

不耕起栽培で育てきるために、実際にどんなことをしているのか?というと…

 

夏はとにかく草を刈る!!

→雑草の強い生命力に負けない(土中の栄養を持っていかれない)ように、周りの雑草を表土の際から刈りまくります!

 

刈った草を使ってマルチ代わりに!

→雑草は「陽の光」を求めてぐんぐん伸びていきます。それなら、さっき刈った草をマルチ(畑の畝に黒いビニールで覆われているもの、ありますよね♪)の代わりにして、雑草が生えてほしくないところは草マルチで覆って生えにくくしてしまおう!という発想です。

→また、害獣被害のあるところでは、草マルチによって、作物がどこに生えているのか目立ちにくくする!なんて効果があったりします。

 

コンパニオンプランツ(相性の良い作物を混植する)を取り入れ、肥料代わりに!

→肥料を使わない=耕さないからこそ、各作物の葉や茎、根から分泌される物質さえも最大限に活用しながら育てていきます!この分泌物が、他の作物の生育に役立ったり、逆に生育にあたり相性が悪いから近くに植えない方が良い作物なども。

 

手作業で葉物野菜についている虫を取り除く!

→不耕栽培には、「虫さえも敵としない」という考え方もあるようですが、葉物などの食用部分が食べられてしまうのはさすがに困りますね。生育途中で発見した虫は優しく取り除きます。

 

農薬を使わない代わりの獣害対策は…なんと「オオカミの糞のエキス」を使用!

→野菜に農薬を使わず、自然の力のみで育てる分、まずは「獣が畑内に入らない仕組み」を作らなければなりませんね。自然百姓塾では「電柵を作り、整備すること」「畑を荒らす獣たちが苦手な、オオカミの糞のエキスを畑付近に設置する」という方法をとっています。

 

こんな風にいろんな「自然の力」「作物の相互作用」「食物連鎖の力」を利用しながら、肥料を一切使わずに育てていくことで、「手間はかかる分、愛情も野菜に伝わる」し、「無添加(不純物が一切入っていない)だから腐らず、時間が経っても枯れるだけ」の美味しい作物が育つわけです。

 

自然百姓塾に参加している子供たちは、「○○の様子を見に行かなきゃ!」…中には「平日も時間が空いたら作物の様子を見に行きたい!」という人もいるほど、愛着心と責任をもって育て、育てきり収穫した作物を自宅で食べる喜びを噛みしめています。

 

まさに、農業機械や牛・馬も出てくる前は、こんな風に手間と愛情をかけながら作っていたのでしょう。

 

次回は、そんな不耕起栽培で作った野菜たちと市販商品を食べ比べ!の記事を紹介します◎

投稿者 sakai-r : 2022年12月29日 List   

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