『食農ブームはどこに向かう?』シリーズ1:食農ブームって何? |
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2022年06月17日
『有機農業をまるっと見る!!」プロローグ:有機農業のホントのところを話していこう
この1年間、本ブログでは、『シリーズ「種」(リンク)』や、『農から考える自然の摂理~「土の仕組みを探る」シリーズ(リンク)』を通して、植物の生態や原理について掘り下げながら、農業の在り方について考えてきました。
近代農業は、F1種子・化学肥料・農薬の使用を前提としいたり、また遺伝子組み換え技術を用いて、食糧生産量を増やし続けてきましたが、その技術は必ずしも植物・生命の摂理に沿ったものではなく、近代農業の普及から半世紀以上たった今になって様々な問題が顕在化してきています。
■再度注目を浴びる「有機農業」
そんな中、農水省は昨年より、『みどりの食料システム戦略』を打ち出し、有機農業の推進をはじめました。なんと、「有機農業の農地を2050年に全体の約25%にする(今は0.5%以下です)」という目標ですそれを受けて、農業界ではにわかに有機農業が再注目されつつあります。(←国はなぜ、今になって有機農業を押し始めたのか?は気になるポイントです)
また、スーパーの生鮮売り場や、加工食品でも「オーガニック」を謳った商品も良く見かけるようになり、何となく、少しずつ身近なものになってきているような気もします。
全国には、学校給食で、有機野菜を使用している例も結構たくさんあり、注目されています。
・千葉県いすみ市(リンク)
・長野県松川町(リンク)
■なんとなく良さそうだけど・・・実際なにが良いの?
しかし、「有機農業って何が良いの?」と聞かれて、うまく答えられるでしょうか?
“有機農業だからといって安心できないぞ!”なんて記事も見かけられますし、良いのか悪いのか、どっちなの?と感じている人も多いでしょう。
参考:目からウロコの健康常識:有機野菜は身体に悪い!?(リンク)
参考:るいネット:今の有機農業の野菜は汚い(リンク)
更に、今のところの国内での普及率はとても低いのです。
全農地面積に占める、有機農業取組面積は0.5%しかありません(参照:有機農業をめぐる我が国の現状について(リンク)。
注目されているにもかかわらず、普及していない実態があり、農業者も可能性を感じられていないということも伺えます
■「有機農業」について、ホントのところを話していこう!
新しく始める『有機農業をまるっと見る!』シリーズでは、そんな「有機農業」「オーガニック野菜」って実際のところどうなの?どこが可能性なのか?課題はなに?といったところを掘り下げていきます。
「有機農業」とひとくくりにして、表層的なメリット、デメリットを網羅すると、○か×かの二元論になってしまいがちですが、そうではなくて、フラットな目線で可能性と課題を整理したいと思っています。
大事なことは、
・できた作物が安全で、安定した供給ができるものであるかどうか?
・自然の摂理の中に組み込まれ、持続可能な食糧生産が可能なのか?
・農業者にとっての経営面でも可能性があり、生産者を増やすことが可能なのか?
といったあたりかと思います。
そこに対して、有機農業がどのように寄与できるのか?可能性と課題は何か?を見ていき、今後の農業の可能性を見出していきたいと思います!!
今のところ考えているトピックを上げますと、以下6つとなります。
1.世界的な有機農業の歴史と潮流は?日本と世界の有機農業の現状はどうなっているのか? (普及率は?みどりの食糧システム戦略って?etc.)
2.有機農業は、植物の生命原理に則した農法なのか?持続可能性はあるのか?(植物の生態や、原理原則って?)
3.有機農産物は安全と言えるのか?使用可能な農薬の中身は?危険は農薬だけなのか?そもそも健康的で安全な食べ物とは?
4.有機農産物はおいしいのか?おいしいとすれば、なぜおいしくなるのか?
5.農業者にとって、有機栽培はメリットがあるのか?収益性は?
6.国はなぜ、有機農業を推奨し始めたのか?ねらいは?
改めて掘り下げると、意外と奥が深そう!
次回以降の記事も、楽しみにお待ちください
投稿者 o-yasu : 2022年06月17日 TweetList
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