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2022年06月18日

【ロシア発で世界の食糧が変わる】プロローグ ロシアのウクライナ侵攻で、世界の食糧どうなっていく?

ロシアのウクライナ侵攻を発端として、世界の食糧状況は混乱に陷っています。
本ブログでは新たに「ロシア発で世界の食糧が変わる」を分析するシリーズをはじめていきたいと思います。

ロシアは世界有数の小麦輸出国であり、ウクライナは「世界の食糧庫」や「欧州のパンかご」と呼ばれるなど、両国ともに世界有数の食糧輸出国です。

また、ロシアは世界トップの肥料輸出国あり、肥料を大量に必要とする近代農業は不足する肥料の確保が困難になり、農業生産は危機的な状況に追い込まれています。侵攻に伴い、食糧・肥料の高騰、貿易が停滞することで各国に食糧が行き届かない状況が生まれ、近代農業は崩壊しかねない状況です。

これから世界の食糧はどうなっていくのでしょうか?

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本シリーズでは、「世界情勢」、「世界の食糧事情」、を軸として、これからの世界の食糧状況、農業がどうなっていくのかを考えていきます。大きくは下記2点を明らかにしていきたいと思います。

・世界の食糧って今どんな状況⇒ロシアはこの先どうしようとしている?⇒実際にはどうなっていく?
・ロシア・ウクライナ侵攻を受けて、世界の食糧事情がどう変化していくのか?

◯近代農業が「支配構造」を生み出している
食糧は生物が生きていく上で必要不可欠なものです。
それ故に、金融やエネルギーと同様に支配構造を生み出す恐れもあります。

実際にプランテーションなどのような大規模な農業を展開することで、生産効率を上げ、大量の生産を可能とした近代農業は、「食糧輸出国(輸出過多=自給可能)」と「食糧輸入国(輸入過多=自給不可)」を生み出しました。

食糧輸入国は食糧の輸出を制限されると国内の食糧を賄うことができないため、輸出国に対して強く出ることができません。この「輸出する国とされる国」という関係が、食糧の生産状況が一種の支配する、支配される関係を構築しているともいえます。

◯ロシアは食糧支配から脱却、世界の食糧需給に大きな影響力を持っている
ロシアはソ連時代、世界から食糧を大量に輸入する国でした。寒冷期が長く、乾燥している地域の多いロシアにおいては、食糧政策は国家として取組む大きな課題となっていました。しかし、ロシアはソ連崩壊以降、近代農業化を国策として推し進めたことで世界における「食糧輸出国」にまで位置を上昇させています。

 

 

現在では160カ国の食糧を賄っていると言われるほど、世界の食糧(小麦等)を握っている国です。
ウクライナ侵攻以前も、ロシアは何度も「国内の食糧事情」を理由に食糧輸出を制限・禁止することで、世界の食糧事情に対して大きな影響を与えてきました。
また、近代農業において不可欠な「肥料(窒素、カリウム)の輸出」においてもロシアは強い影響力を持っています。

ウクライナ侵攻に伴い、ロシアからの肥料の輸入が制限されることで、世界における大規模ゆえに肥料を大量に必要とする関係国は農業生産が停滞する事態に陥っています。

◯ロシアは何を実現しようとしているのか?
以上見たようにウクライナ侵攻に伴うロシアの経済制裁は、世界各国の農業生産、食糧事情に大きな影響を与えています。結果的に与えているとも見れますし、逆に新しい農業と国家と有り様を提起しているようにも見て取れます。

ロシアは今回の侵攻を通じて、世界の農業をどのように変化させようとしているのかを、世界情勢を分析しながら考えていきたいと思います。

次回から、下記のテーマに沿って追求していきます。

1.これまで世界の食糧、農業はどうなっていたのか?
2.ロシアのウクライナ侵攻で世界のバランスがどう変わっていくか?
3.食糧危機は起こるのか?その引き金は?
4.これからの世界の食糧事情、農業はどうなっていくのか?
5.日本はどう追随するか?

 

<参考ページ>
ウクライナの農業 ロシア侵攻による世界市場への影響は
ロシアの侵攻で肥料高騰 食糧輸入に加え国内の農業生産もピンチ
【食糧危機がやってきた】肥料供給難で世界農業に致命的な影響も(1) 資源・食糧問題研究所 柴田明夫代表

投稿者 tiba-t : 2022年06月18日 List   

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