2022年6月25日
2022年06月25日
『有機農業をまるっと見る!!』シリーズ1:みどりの食糧システム戦略って?日本と世界の有機農業の現状
国を挙げて推し進めている有機農業ですが、現状よく分からないことが多いのが正直なところです。まず、第1回の今回は、現状把握
農水省が昨年から『みどりの食糧システム戦略』を打ち出し、有機農業の普及を推進しています。実際世界ではどうなっていて、日本ではどれくらい普及しているのか?が今回のテーマです。
■みどりの食糧システム戦略って?
有機農業を普及するために農水省が取り組んでいる『みどりの食糧システム戦略』とはどんなものなのか見ていきましょう。
出典:「みどりの食料システム戦略」中間とりまとめ参考資料
有機農業はSDGs実施指針の8つの優先課題のうち、2つの優先課題に位置付けられているという、国家を挙げて取り組む一大事業になってきています。
そしてみどりの食糧システム戦略では、2050年までに有機農業の取り組み面積を全体の25%に拡大することが目標です。2017年段階で23500haなので、43倍に増やすということですね!なかなか壮大な目標です
目標は分かったところで、現在の日本の状況はどうなっているのでしょう?世界の状況と合わせてみていきましょう。
■有機食品市場の状況
世界の有機食品売り上げは増加し続けていて、2016年では約897億ドル(約9.9兆円/1ドル=110円)の市場規模です。10年で倍増以上。世界中で有機食品への需要が高まっていることが分かります。
また、ドイツやフランスなど、有機専門ではない通常の小売店での売り上げが上昇傾向にあります。日本でもスーパーのオーガニックコーナーが増えていたり、同じ傾向にあります。世界において年々増加中の有機食品ですが、国ごとの違いを見てみましょう。
日本人は安全な食への興味が高そうですが、以下のグラフを見ると意外な結果が出てきました。世界平均は11.3€なので、実は日本での有機農産物消費額は世界平均よりも低い水準となります。
北欧諸国が世界平均と比べて桁違いの高い水準になっていますが、何でなんでしょう??
とはいえ、国内においても2009年と2017年の有機食品市場規模の推計では1300億円から1850億円へと大幅に上昇しています。世界を見ても、国内を見ても有機食品市場の規模は上昇し続け、人々の安全な食への期待を現わしています。
■有機農業の取り組み面積
次に、みどりの食糧システム戦略の最終目標である、有機農業取り組み面積とその割合について見ていきます。
この17年間で約5倍に拡大していますが、まだまだ世界平均の全耕地面積に対する有機農業取り組み面積割合は約1.2%です。とはいえ、国による違いが大きく、ヨーロッパの国々が高い水準の数値を実現しています。
ここでも日本は0.2%で世界平均に対してかなり下回っていますが、日本の有機農業取り組み面積も年々増加はしているので、2017年段階で有機JAS認証を取得していない農地も合わせて全体の0.5%となっています。
参照
https://www.maff.go.jp/primaff/koho/seminar/2019/attach/pdf/190726_01.pdf
(農林水産省 有機農業をめぐる我が国の現状について)
日本の有機農業の目指しているところ、現在の世界と日本の有機農業を見てきました。
・ヨーロッパの国々が高い水準で実現していましたが、何で??国の政策?環境的な要因?国民の意識?
・日本の有機農業が広がりきらないのは何で?費用なのか、栽培技術などの問題か、そもそも売れないのか、何が壁になっている?
・これだけ世界中で注目されて広がっているけど、本当に安心安全でおいしいの?
など、更に追求していきたいことがたくさんでてきました
1つずつ掘り下げていきますので次もお楽しみにしてください
投稿者 o-taka : 2022年06月25日 Tweet
2022年06月25日
【ロシア発で世界の食糧が変わる】1 世界の食糧貿易の変遷~農業生産が少ないから、輸入国になるのではない~
プロローグでは、ロシア・ウクライナ侵攻で世界中に物価高騰・食糧高騰の大きなインパクトを与えてきたロシアが、貿易で大きな存在感を示してきていることを見てきました。
今回の投稿では、まず世界の食糧・貿易の状況がどのように変化してきたのかについて見てみたいと思います。
画像は、こちらからお借りしました。
投稿者 hasi-hir : 2022年06月25日 Tweet