新しい「農」への途(1-5)――戦後農政の超克――) |
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2009年11月01日
新しい「農」への途(1-6)――戦後農政の超克――)
新しい「農」への途(1-5) の続きです。
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★「農協=農林族=農水省」という農政トライアングル
>戦後の農政を制度的に構成してきた柱は、食糧管理制度、農地制度、農協制度である。政治的に見ると、その中心に、自民党農林族、JA農協=コメ兼業農家、農水省から成る「農政トライアングル」がある。農業の地位が低下するなかで、農水省は予算獲得に自民党農林族の政治力を頼った。自民党農林族はその見返りにJAに票のとりまとめを要求した。農政へのJAの見返り要求は米価だった。これが「農政トライアングル」の政治構造である。<
と山下一仁氏は指摘しています。「農」を蔑ろにして肥大する農協の命脈は断つことが出来るのでしょうか?
◆農協は、農林族議員影響力下の農水省を抜きにはありえない。
農協は、農水省が所管する農協法によって設立された法人です。農協法がなくなれば、根拠がなくなり消滅してしまいます。その意味では、農林族に首根っこを握られた存在です。
農協が種々の政治活動によって実現できる法制度や権益や予算の獲得は、農水省という組織を前提にしています。農水省が解体されて他省の一部組織にでもなろうものなら、農協の政治力も解体されて、その存在も危機に晒されます。あるいは、農水省が不祥事を起こしてその存続の危機に晒されれば、農協にも危機を招きます。
また、農協が集団的な自我のなすがママに自己利益を求めた結果、農水省が国民の支持を失い、その存続の危機となることは避けなければなりません。その程度のブレーキは働きます。
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★農協凋落の兆し
農協は兼業農家とともに、脱農化によって発展してきました。
しかし、脱農化の行き着く先は、“農家”や“農協”の否定でもあります。
▲映像はここからお借りしました
◆農協の存立基盤が揺らいでいる
・兼業農家は、割合としては全農家の6割を超えているが、実数を見ると、
第二種兼業農家数:198万戸(1990年)→121万戸(2005年)
稲作農家では、65歳以上の割合は71%と高齢化が著しい
・農協が厚遇してきた兼業農家が減少し、
冷遇してきた規模の大きい専業(or主業)農家が規模を拡大している
◆融資や共済で赤字を埋めることの限界
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1農協当たり経済事業等は2億8500万円の赤字
信用事業1億2500万円、共済事業2億8100万円の黒字で補填し、
差し引き1億2100万円の利益(2002年)
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・零細農家を相手にする非効率な農産物販売や農業資材の購入などの農業関連事業は、
大幅な赤字。それを信用事業や共済事業の黒字で穴埋めしてきた。
・農協への貯金は、
70年代~90年代前半:各年2兆円を超える増加(農外所得や土地の莫大な転用利益)
95年以降 :2兆円に届かない状況がこれまで続いている。
相続等によって5000億円から1兆円の貯金が流出し続けている。
・貯貸率(貯金残高に占める貸出金残高の比率)が、30%程度しかない
→貯金残高の7割を他で運用しなければならない
保有資産の価格低下によって時価が簿価を下回る「含み損」は1兆6000億円
⇒農協システムが経済面から崩壊しかけている
参考:
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「日本の農政を斬る!」
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第25回「戦後農政を大転換せよ ―減反廃止と農業構造改革―」
●フォーラムの動画が見れます。
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つづく by:びん
投稿者 staff : 2009年11月01日 TweetList
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コメント
投稿者 SSS : 2011年3月21日 04:46
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こんにちは、SSSです♪長井さんへ。
数少ない同い年(だったっけ?)同士、あまり接点がなかったけれどいつも注目していました。農業という、ネットサロンに来る以前はまったく関心のなかった分野で活躍しているということでなおのこと気にかかっていましたw
ちなみに僕も大学へ進学します。お互いまったく違う道を歩むけれど、きっと実現したいことは同じでしょう。そのことを思うと、長井さんに負けてはいられない、大学で長井さんくらいに濃いものを得てくる!そして自分達の生きる場を自分達で作る!
そう思うばかりです。
また会いましょう。
村上健。