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2009年05月16日

農業界の新規開拓者たち

こんにちは
前記事の「ノギャル」もそうですが、最近は農業界で新しい動きが活発化していますね 😀
それまであまり農業に関わりが無かった人達が参入することで、どんどん新しい風が吹き込んでいるように思います。
ということで今回は、同じく他業種から農業に参入し、ザクザクと道を切り開いている方々を紹介します。
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農業界の新規開拓者のトップバッターは「ビオファームまつき」さんです。
代表の松木さんは、東京のレストランに17年間勤めた後に新規就農されています。完全無農薬の少量多品種栽培を行っており、西洋の珍しい野菜なども取り扱っているようです。

有機野菜の魅力や食べ方を伝えるレシピ本を出し、07年に、「ビオファームまつき」を株式会社にし、富士宮市内の店舗街で、イートインもできる有機野菜の惣菜店を構えた。週末、店先には東京や神奈川のナンバーを付けた車が列をつくる。
ネット販売していた野菜セットは、旬の野菜に合うレシピを添えたら、週に150セット売れるヒット商品になった。

とあるように、元料理人の経験を生かし、生産した野菜の調理方法にまで踏み込むことで、経営が軌道に乗り始めたようです。成功の理由を尋ねた記事では、「私の意識としては、農業3割、7割はサービス業です」と答えられています。まさにサービス業の真っ只中にいた人の言葉です。
次に紹介するのは「サラダボウル」さん。代表の田中さんは元金融業のやり手だったそうなのですが、農業を「とてつもなく大きなビジネスチャンスと感じたから」と、就農されました。その農業経営は以下の通り。

全国200軒の農家を訪ね歩き、独自に栽培ノウハウを習得した。作付け前には、「小ぶりのパプリカ赤・黄のセットで198円ならば、一度に使いきれて手ごろ」などと、店の棚に置かれる場面を想定した。店と直接契約した分だけつくれば無駄もないから利益率が上がる。

ここでも重要なのは「ニーズに対するサービス」という考え方ですね。
また、農業希望者を「人財」と見なしており、「NPO法人農業の学校」を設立して育成にも力を注いでいるようです。とにかく動きが活発です。
みらくるグリーン」代表の五唐さんも金融出身の方です。こちらは路地ではなく工場で野菜生産を行っているようです。

大阪府岸和田市の株式会社「みらくるグリーン」がつくる野菜は、かつて鉄や縫製工場だった小さな倉庫でつくられている。遮蔽された部屋に4段の棚を設け、サラダミズナ、ルッコラ、グリーンマスタードなど小ぶりな野菜17種類を水耕栽培する。蛍光灯が「太陽」。はりめぐらせたパイプを通して流れる培養液が「土」。工場部分の広さはわずか21・5坪だが、収穫量は畑10アール分になる。
多品種小規模栽培の「ミニ植物工場」は珍しい。電機、自動車、精密機械の大手メーカー子会社などの見学が絶えない。

また、ベビーリーフなどの高付加価値野菜の生産にも取り組んでいます。「売り物になる」と感じられるまで相当な試行錯誤があったようですが、技術の蓄積から「これならいける!!」と自信を持たれたそうです。アイディアと実行力がいかに重要か、改めて考えさせられますね。
最後は、これまた熱い農業経営を行っている「和郷園」さんです。代表の木内さんは、サービス精神、集約化、付加価値化を率先して先導してきた農業のパイオニア的存在と言われています。

年間約50億円を稼ぎ出す。そのうち本部だけで、野菜販売約20億円、加工が約11億円を占める。
91軒の契約農家を抱え、主要10品目を含む43品目をつくっている。毎日食卓に並ぶあらゆる野菜を安定的に供給するための「普通の製造業」を目指す。
(中略)
ヒントになったのが、高級スーパーの仕入れ担当者のこんな一言だった。
「木内さん、最近のごぼうは風味がないね」
香りや鮮度が大事な野菜は、売り先と事前に契約して、掘って1週間以内にマーケットに出せば売れる。そう考えた。
生産品目が増えるのに伴って、契約農家が増え、集約化は進んだ。だが、課題はあった。作物の品質が農家ごとに微妙に違っていたのだ。
そこで、栽培管理を統一するマニュアルをつくった。質・量ともに要望を完璧にこなせるプロ集団をつくった。この10年間、契約農家を新たに増やさず、1軒ごとの質を高めた。91軒中42軒は、売上高が年率110%で成長し続けている。

農業生産も市場戦略も徹底しており、まさに農業ビジネスな感じです。
以上、4つほど事例を紹介させて頂きました。「るいネット」にはより詳細に紹介された記事(上記引用文の元記事)があります。→「農業で稼いでいる各地の「突破者たち」①」「農業で稼いでいる各地の「突破者たち」②」
これらは数多く存在する事例の一部ではありますが、いくつか共通する事項があります。
1.農業を単なる食糧生産業に止めず、加工・販売・サービス業など、従来の枠を超えてどんどん進出しています。他業種経験者の参入だからこそ、新しいアイディアに基づいて動けるのだと思われます。
2.消費者や次の世代のことを考えて農業経営を展開しています。本文では紹介しきれていませんが、どの事例も「顧客のための安全志向」「次代の農業者の育成」を行っています。本当に必要なものを生産して広めたい、という気持ちや、これからの農業を考えた行動が凄いです。
3.積極的に情報発信をしています。HPやブログを通じて自分達の思いや農業経営の様子を皆に伝えようとしているんです。もちろんオンラインショッピングなどの商売戦略も兼ねていますが、基本的に閉鎖的なイメージがつきやすい農業を明るくしてくれています。HPのデザインも凝っていますよ。
そして何より重要なのは、「農業でもやっていける!」ということを実現していることです。皆、経営が軌道に乗るまでは大変な苦労をされてきたようですが、創意工夫と熱い行動力を以って「新しい農」の道を切り開いてくれています。
まだまだ農業が可能性に溢れた世界だということを証明してくれていますね!どんどん盛り立てていきましょう

投稿者 staff : 2009年05月16日 List   

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コメント

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