2010年8月16日
2010年08月16日
「日本は世界5位の農業大国~大嘘だらけの食料自給率~」の書籍紹介(2)
「日本は世界5位の農業大国~大嘘だらけの食料自給率~」の書籍紹介(1) のつづきです。
◆耕作放棄地の増大は、何ら問題が無い
確かに、農水省は農業基盤整備と称して、中山間地に至るまで営々と農地開発を続けてきました。そして、一般に耕作放棄地は、農業従事者の高齢化問題などと並んで問題として取り上げられるます。ところが、浅川氏は何ら問題は無い、と一顧だにしません。何故か?
土地の条件が悪くて、無理しても農耕に適さないから、合理的な理由で放棄されただけのこと。「一度放棄された農地は回復が半永久的に困難」という通説も現実を知らなさ過ぎる。荒地を回復するには、事業農場が使いこなせる重機があれば十分。むしろ、耕作放棄地の増大は、成長農場が需要増に応じて安く借りられる、あるいは購入機会が増えるので、メリットになる(浅川芳浩裕氏)と云うのです。
確かに、放置されて草木や樹木が繁茂した(元)農地を人力で再開墾している状況をイメージしてしまうのは、時代錯誤といえそうです。また、自然農法などを志す人にとっては、有機物質の還元が自然とされるので魅力的な物件となるとも云える位です。
一般に、放棄耕作地問題を深刻に受け止める人々は、近代農業における生産効率の問題がわからないことに起因しているようです。次にその点を見てみます。
投稿者 staff : 2010年08月16日 Tweet