2008年10月28日
2008年10月28日
自然観の扉を開こう
お久しぶりです。せきやです。
日本農業新聞の10/27の記事に興味深い記事がありましたので、紹介します。
「自然観の扉を開こう」というタイトルで、小学生に田んぼでの生き物調査の取り組みを紹介 する記事です。
(以下引用)
先日も地元の小学校で、収獲前の田んぼの生き物調査を5年生と一緒に行った。7月よりも増えて35種を見つけた。「なぜ増えたんどろう」と、子どもたちの疑問は膨らむ。「餌の稲が大きくなったから、害虫も増えたんじゃない」「だから害虫を食べる益虫もふえたんだ」「でも、一番多いただの虫は、なぜ増えたんだろう」と、議論は盛り上がる。
そこで「ただの虫は何のためにいるの」と鋭い質問が飛んでくる。何しろトビムシなどは、稲1株に300匹もいるからだ。「稲の枯れた葉をたべているんだ」と答える。収獲した後の藁(わら)を分解してくれる虫だけど、ただの虫だ。「稲ってすごいね。自分が死んだ後の体を食べる虫を、生きているうちに増やしているんだ」。そうか、そういう見方もできるんだと感心する。
子どもたちは質問してくる。「いったい、田んぼにどれくらいの生きものがいるの。」自然観・世界認識の扉を開けたがっている。それなのに「そんなこと誰も知らないよ。研究もされていないよ」では、従来の狭い農業生産から一歩も出られない。
私たちが百姓や子どもたちに勧めている「生きもの調査」は、自然の世界認識の方法でもあるのだ。
(引用終わり)
記事の内容は、子どもたちと田んぼでの生きもの調査をする中で、子どもたちの素朴な疑問や興味に答え、子どもたちの自然観や世界認識を広げよう 😀 と活動している方の紹介を旨に書かれていました。
上記の引用のやり取りだけでも、自分とは比べ物にならないほど小さな生き物の世界にドンドン引き込まれていく様子 が伝わってきます。
思えば、今の子どもたちは、自分以外(人間)の生き物について、どのくらいの認識をしているのだろうか? という疑問がふと浮かびました。特に都会の子どもたちは、人間以外の生きている生物に接触する事ってとても少ない ような気がします。
記事の言葉では、「自然観・世界認識の扉を開ける」という表現をしていますが、これって非常に大切な事だと思います。
自分たち(人間)以外にも生きているものがいて、みんな命をつなぐため、生きるための営みをしている。その内実(生活環)の一部を垣間見ることによって、対象世界が大きく広がります。言い換えれば、周りの世界を、自分と同じように見れる事だと思います。これは、子どもにとって大きな発見であることは確かでしょう。
そういった経験が、周りを思いやる、相手の気持ちを考える、所謂「思いやり」につながっていくのだと思いました。
毎日のように外へ出て、土と向き合っている農業に携わる人たちが、こういった事も発信 していく役割がありそうです。
投稿者 keitaro : 2008年10月28日 Tweet