2008年10月19日
2008年10月19日
食糧危機!!新しい農のかたちとは?!(1)
★こんにちは!
これから、シリーズで「食糧危機」問題を取り扱っていきます。
現在起こっている出来事の根本問題を掘り下げ、最終的には逆境をはねのけて来るべき「新しい『農』のかたち」を提起したいと思います。お付き合い下さい。皆さんからのコメントを期待しております。
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はじめに
近年、「食糧」に関する話題が絶えない。世界では、発展途上国における飢餓が問題となっており、また、もっと我々に身近なところでは、食品偽装問題や汚染食品について連日報道されている状況である。日本の食料自給率の低下や農業の衰退も叫ばれる今、「食糧危機」はもはや他人事ではない。
マスコミは食材にまつわる「不祥事」を取り上げ、特定の企業を叩いては危機感を煽っているが、結局はそれらの風潮を追い風にし、「美容・健康・安全・安心etc.」という言葉を前面に押し出した新たな市場開拓という思惑にしか繋がっておらず、そこに諸々の食糧問題に対する本質的な「答え」を見出すことはできない。
そもそも、なぜ食糧危機が生じるのか? 実は、その根本原因は「市場」にある。
■30709 超国家・超市場論9
「私権闘争の抜け道が、交換取引の場=市場である」 より
交換取引は、武力闘争(およびその帰結たる身分制度による私権拡大の封鎖)からの抜け道として登場した。それどころか、最初に交換関係が登場した動機は、額に汗して働くよりも、(相手にこの品物が大きな可能性を与えてくれると信じ込ませることさえ出来れば)交換によって得る益の方が、ずっと大きいからである。
実際、古代市場も、女の性的商品価値を一層高めてくれそうな宝石や絹や毛皮を主要な交易品として、拡大していった。(なお、近世→近代も、呉服や毛織物やレースが起点になる。)それに対して日常の主食品(米や麦やイモなど)に対しては、その様な幻想的な可能性など描き様がない。
この幻想共認(幻想への可能性収束)によって作り出された、市場商品の価格と一般農産物の価格との価格格差こそ、市場拡大のテコとも原動力ともなった市場の秘密の仕組みである。(異国の食品や、無農薬の食品は、幻想共認の形成が可能であり、だからこそ一定の市場化も可能なのである。)
そこでは当然、農耕の労働価格は、幻想商品の労働価格にくらべて、異常に低くなる。この価格格差(価格差別ともいえる)の秘密こそ、途上国が一貫して貧困状態に置かれ続けてきた真の理由であることは、いうまでもない。
市場がこのような性質を持っている以上、「経済のグローバル化」の名の下に行われる世界規模の市場拡大は、同様に世界規模で食糧問題を発生させる結果に繋がってしまう。
では、一体どうすれば良いのか?現実に迫りつつある食糧危機に対応するためには、現在の食糧問題の構造を理解する必要がある。そこで、今回のグランドセオリーでは、まず主な食糧問題の事実を押さえ、それらが生じるに至った歴史的経緯を追求した上で、根本原因たる「市場」を超えた「新しい農のかたち」を提示する。
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投稿者 ayabin : 2008年10月19日 Tweet