2008年9月4日
2008年09月04日
異業種の農業参入 事例紹介
こんにちは、せきやです。今回は、異業種からの農業参入の事例を紹介します。
広島県にある「世羅菜園」というところです。
(以下引用 )
世羅菜園は、平成12年3月に設立されたばかりの法人です。そして、社長の兒玉眞徳氏は、もともと農業を営んでおられたわけではなく、農業とは全く畑が違う、建設業界からの参入でした。
地元で建設会社を営む兒玉社長は、昨今の景気低迷による建設業界の冷え込みもあって、異業種への参入、地元世羅町が農業の町であることから農業分野への進出を決めていましたが、参入する営農類型をどれにするか模索していました。
一方、世羅町では、国営・県営の農地開発事業で大規模な営農団地が造成され、その入植者を探していました。 そんな折、トマトジュースやトマトケチャップなどを製造するカゴメ(株)(以下「カゴメ」と呼ぶ。)が、生食用トマト事業へ進出し、本事業に賛同する農家と農地を探していることを知りました。 🙄 そこで町では、当団地を紹介し、カゴメによる気象条件等の検証を経て正式に進出が決定しました。
ところが、ここで足りなかったのが実際にトマト生産を引き受ける農家でした。農家の高齢化が進んでいたこともあり、なかなか引き受け手が見つかりませんでした。 :blush:
そんな時、兒玉社長の考えを聞いた町が仲介役となって、兒玉社長をカゴメへ紹介しました。それから当社が設立されるまでには、さほど時間はかかりませんでした。
異業種参入に活路を見出し、会社の経営をなんとかしたいと思っていた兒玉社長。生食用トマト業界へ進出し、新たなトマト生産できる拠点を探していたカゴメ。町の主な産業である農業の振興を図りたいと思っていた行政。
それぞれ思惑は違っていたものの、協働することで互いに利益をもたらす仕組みができています。
なお、世羅菜園でつくるトマトの品種はすべてカゴメが指定し、最新設備の中で出来たトマトは全てカゴメが買い取る形になっているそうです。また、世羅菜園は、西日本一の規模を誇る大型ハウスを持ち、従業員は最盛期で170名程度になり、世羅町の農業の一躍を担っているようです。
行政の農業振興を下敷きにして、企業間の提携(生産と販売)を図る。異業種の農業参入の一つのモデルになると思いました。
投稿者 keitaro : 2008年09月04日 Tweet