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2008年12月30日

後継者は、やる気、活力のある者なら誰でも良い!

 最近、農業会議所でも、後継者のいない販売農家、認定農業者の経営を第三者へ移譲継承することに、支援をはじめているようです。農業経営者の意識の変化も含め、日本の農業を、みんなの期待を受けて、活力ある者が担って行く、そして、それが核となって、地域で、共同体の再生の方向へ向かって行ける1つのきっかけではないかと思います。
 以下、「全国新規就農相談センター」 HP
http://www.nca.or.jp/Be-farmer/farmon/jirei02.php
からの引用です。
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後継者のいない認定農業者の3割は、第三者への移譲もOK
後継者がいないまま、経営を縮小したり廃止する農業経営が増えています。農水省の調査では、農産物を販売している農家の45%に後継者がいないか未定という状況です。これは中核的な農業経営でも例外ではありません。このような人たちは、営々と築き上げてきた地域の貴重な資源ともいえる農業経営がなくなってしまうことに危機感を持っています。全国農業会議所の調査では、後継者のいない認定農業者の3割は、第三者に経営を移譲してもいいと答えています。
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これらを見ると、今まで、日本の農業の中心的担い手であった家族経営、しかも、それなりに、しっかりと営農している認定農業者でさえ、少なくとも身内には、後継者があまりいないという現状。加えて、自
らの経営も、地域の農業を守っていくという視点で、第三者に経営を継承してもらって構わないという意識状況になって来ているということですが、逆に言えば、農業を地域の課題として捉え、担い手は、広く、可能性のある人材、集団に求めて行ける土壌ができて来ているとも言えます。
実際、地縁も資金もないところから、やる気のある者が本格的経営を目指そうとすれば、研修の場と同時に、その後の受け皿、あるいは、継承できる経営があることは、実際、重要です。
 事例も多く紹介されています。
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地域の法人で研修中の就農希望者を後継者として受け入れ
滋賀県N市
滋賀県長浜市のMさん(69)は50歳で会社を辞めて就農。借地で規模拡大を進め、10年間で1.5haから9haまで拡大してきましたが、2人の子供は教員と会社員で、今後就農する意思ありませんでした。
そのため、MさんはJAが出資して設立された集落営農法人で後継者確保をねらいとした研修が開始されたことを知り、就農を希望する研修生に技術・知識を教えながら自分の借地を引き継がせていこうと考えました。
これに応じたのが、Sさん(49)です。MさんからSさんへの継承を始めるに当たり、事前に両者の間で基本的な取り決めを記載した「覚え書き」が取り交わされました。内容は、今後約5年かけて借地名義を徐々にMさんからSさんへ変更していき、その間は共同で作業を行うというものです。
まず、1.6haの耕作権がSさんに移譲されましたが、それに先立ってMさんは借地のすべての地権者にSさんに引き合わせて了解を得ました。地権者との信頼関係も同時に引き継がせようという考えからです。
新たな担い手の継承で地域の期待が高まり、急速に規模拡大
Mさんは作業手順を口頭で教えながら、Sさんには作業記録をつけるよう指示しました。特に、Mさんは肥培管理面で食味を重視した独自の方法をとっていたので、ほ場ごとに肥料散布の時期や量などを記録することによって、それら良食味米を栽培するための具体的なノウハウを引き継ごうとしたわけです。
移譲・継承は順調に進み、当初の計画では1.5haずつ移すというものでしたが、Sさんが所得を確保していく上でも借地面積はより多い方がいいというMさんの判断から、2年目には予定の2倍の約3haの借地がSさんに移譲されました。Sさんが担い手として稲作を大きく展開させていく方針であることが地域の人々に伝わったことから、他の兼業農家からの借地も拡大し、就農8年目には経営面積20haという大規模経営となりました。
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酪農家8戸が第三者継承の支援組織化
北海道M町
M町のO地区では、2003年に後継者のいない酪農家8戸による第三者継承の支援組織が設立されました。O地区では酪農経営の高齢化・後継者不足が進んおり、このままでは地域の酪農が維持できないという問題がありました。そこで、「自ら築き上げてきた酪農を新規就農者が中継ぎし、酪農の夢と新規就農者の夢を実現しながら地域農業を持続し、地域を活性化する」ことを目的に、離農予定の酪農経営と継承希望者をつないでいくための組織を作ったのです。
まず、町や農協を通して継承希望者を受け入れます。そして、2年間の研修が行われますが、1年目は全会員(8戸)すべてで1~2ヶ月ずつ研修を受けます。この間に、継承希望者は各農場の営農条件を知ると同時に、様々な技術や経営方針があることを学びます。また、何人もの酪農家とつながりを持つことで地域への参入を促進します。
その後、継承希望者が志向する営農条件・経営方針、離農予定者の年齢などを考慮の上、継承する農場を選定(マッチング)し、2年目はその農場でより実践的な研修を行います。このとき、組織全体で研修内容について検討し、継承希望者が総合的な技術習得ができるよう配慮しています。
そして3年目に、農場リース事業などを活用して資産(牛・機械施設・住宅)が継承希望者に譲渡され、継承希望者は新規就農者として経営を開始することになります。このとき、離農した元酪農家は別途住宅を取得することになっています。
新規就農者が後輩の指導に当たる
この取り組みで就農した1人が道外出身のKさん(40)です。支援組織の設立と同時に研修生となり、2年間の研修を経てF牧場を継承しました。元経営者のFさん(65)は、継承にあたって町内に住宅を取得し転居しました。Kさんは、現在乳用牛56頭、牧草地約25haという経営を行っています。また、支援組織の会員となり、後輩にあたる研修生Tさんへの助言などを行っています。Tさんも継承する牧場での研修を進めており、事業の実施時期に合わせて資産の譲渡が行われることになっています。

社会の期待、みんな課題としての農業、地域、共同体の再生の核としての組織と、担い手育成の仕組み作り。ここに、農業参入する企業の大きな役割の1つがあると言えそうです。 

投稿者 naganobu : 2008年12月30日 List   

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