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2008年09月22日
市場に翻弄された戦後の日本の農政
こんにちわちわわです。
戦後の農政まとめてみました。
もうどんずまりって感じです。
日本さえない!と思った方↓↓よろしく!
市場に翻弄された戦後の日本の農政
【アメリカ誘導で農業を切り捨てた戦後の農政】
戦時中、徴兵や国土の荒廃により食料の生産力は激減し、食料価格が高騰。国民に安定供給するため、主食である米を国家が一括購入し、国民に再分配する「食料管理法」を制定した。
1945(昭和20)年8月15日、終戦を迎えた日本。
GHQ主導の占領軍は、軍国主義の基盤になった財閥を解体。それと同時に地主から土地を剥奪し小作農に均等に配分する農地改革を断行した。
これにより、自前の土地を手にいれた農民の耕作意欲は向上し、食料増産への道が開かれた
しかし敗戦直後の、ものすごいインフレと失業と食糧不足の中、食料管理法を盾に供出を強制しても、、ヤミ価格の高騰を招くばかりで、強権発動型の食糧強制供出率は45%内外にとどまっていた。
そんな折の1954年、アメリカは日本に経済社会構築のため食糧増産の打ち切りを要求、財政投入型の食糧増産をやめて日本はアメリカの余剰農産物を円で買う、そのかわりにアメリカは日本製品を購入するというMSA協定を提示。それを日本政府は、アメリカ側の新しい援助だとして飛び付き、これまでの方針を大転換、米麦を中心とした増産対策(いわば食糧自給)の放棄と小農保護政策の中止を決めていく。学校給食にパンと脱脂粉乳が導入されたのもこの頃である。
【1960年代、国家の命題は「経済成長」/国家丸抱えの誘導政策が開始】
所得倍増計画の下で、『農業基本法』を制定。「農業も工業である」と位置付け、三つの政策を実施。
①生産品目の拡大。
食生活の洋風化に対応して、果樹・畜産・酪農・各種野菜など、米以外の地域毎の単作化を促進。
②生産基盤そのものの整備。
灌漑や農道など、農業土木工事を遂行し、機械化や大型化を進め、高能率化した農業を促進。
③農業経営だけでやっていける農家の育成。
規模拡大による効率的農業を目指し、2/3の農家に離農を促し、優良な農家だけを残そうとした。
そして、補助事業や助成事業を金融制度と絡めて誘導し、「目の前に補助金というカネをぶらさげて食いつかせて従わせる」という今日に至る農政の施策パターンの原型をつくりあげていった。
しかし、農業は、石油関連業界や商社、機具・設備メーカーの市場となり、農業土木工事も含めて格好の消費市場になっていく。
その反面、農家は、「機械化貧乏」という状況に悲鳴をあげ、家計のやりくりに必死になって息子や娘たちを高学歴な企業社会に送り出すと、ただひたすら高齢化の一途を辿っていくようになる。
さらに、工場の地方進出が進み、どこかに勤務する傍ら時間的に拘束されることが少なく、政府が高値で購入してくれ安定する稲作をやっていく兼業農家が増えていくようになっていった。
そして、皮肉にも、兼業化で他産業との所得格差の是正を実現させていった。
道路整備などの要求を繰り返し、土地価格の上昇を待って土地を手放さない消極的な農家の姿勢にも問題があった。
このようにして、農政の目指す大規模で経営の安定した農家は一向に増えてゆかなかった。
【失政の象徴減反政策へ】
洋食化が一気に米消費の減少に拍車をかけていく。米は生産過剰気味になり、「逆ザヤ」という米価負担が増していき、食管会計の赤字が始まる。
それを抑止するために、政府は今までの高く買い安く売る価格設定方式を放棄して「価格や数量は生産者側と流通側の双方が決定する」という自主流通米制度の導入と、「米の生産調整」いわゆる「減反政策」を取っていく。
生産をしない農家に金をばらまく政策で果たして活力が沸くのだろうか。活力が衰弱した農家に追い討ちをかけるよう、市場開放という新たな外圧が加わってゆくことになる。
1988年、国際社会では対日貿易収支の不均衡の解消を農産物の市場拡大に求める動きが活発化し、牛肉・オレンジの自由化交渉を妥結。
1992年 ガット・ウルグアイ・ラウンドの決着でミニマム・アクセス(最低輸入義務)による米輸入という外圧が加わって、53年間に及んだ食管制度は、ついに廃止された。
1995年に生まれた『主要食糧の需給および価格の安定に関する法律』(新食糧法)による 民間任せの米販売では、価格破壊を導く一方で、ほとんどの米が入札で底値に張り付いて、最終的には稲作農家そのものの受取金額は減る一方。あげくは、在庫米のほうが、新米よりも価格が高くなるという、価格逆転現象まで発生させてしまう。
【農政の総仕上げ新しい食糧法も不発?】
戦後50年間、農政は、農業の方向をただ一点、「産業としての農業の確立」に見出だし、その内容を「効率化」に絞り、実現させる手段を「農政への服従」に置き、ありとあらゆる誘導政策を行った。
しかし、その中心になった農業基本法は、ただ単に中央集権体制の産物として全国一律に農業の工業化マニュアルを補助金付きで提供したに過ぎなかった。結果的には農政が描いた農業の方向性と誘導政策の道程は失敗に終り、逆に産業としての農業の実現さえ困難にし、農業そのものを窮地に追い込んだ。
1999年新たに制定された「食料、農業、農村基本法」は、農業ばかりでなく、地域活性化や農の持つ環境保護の側面にも光を当てた総合的な政策を目指すものである。しかし、転換の動機があくまでWTOによる市場開放の圧力によるものに過ぎず、市場原理を基盤にした個人経営の向上と効率化の路線に変化は無い。
WTOに上程した祭、冷ややかな目で無視されたのは、市場の冷酷さを前提とし、環境を戦略的手段としてとらえている欧米と政策主導で農業を維持しようとする日本のスタンスのズレを示した結果なのではなかろうか。
投稿者 tiwawa : 2008年09月22日 TweetList
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コメント
投稿者 hidezumi : 2011年11月20日 17:31
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TPP絡みでアメリカの農業補助金制度について調べていたところたどり着きました。FTAAが頓挫したのはブラジルとアルゼンチンが先進国の農業補助政策に反対したからだそうです。
拝読して、日本が「攻撃的保護」に政策転換しなかったのはどうしてなのかという疑問が湧きましたが、その他はなんとなく納得できました。
とてもよくまとまっているので、出典を入れていただくと信頼性が増すのではないかと思います。厚かましいお願いですが、お時間のある時にご検討いただければ幸いです。