『農村学校をつくろう!』シリーズ-5~農の場が持つ力を人材育成に活用する事業~ |
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2021年10月01日
農から考える自然の摂理~「土の仕組みを探る」:「豊かな土を育むサイクル」を農業はどうしても崩してしまう構造にある
前々回は、肥沃な土壌とは「生きている土」ということをお伝えしました。
また前回では土の成り立ちを探り、「植物が存在する地球にのみ土がある」ということがわかりました。
土1グラムあたり100億匹以上の細菌が棲んでいるといわれています。
今回は、より科学的な視点で、土の中で何が起こっているのかを追求してみたいと思います。
?ではその微生物は、どのような働きをするのでしょうか?
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1.微生物は植物の死骸を分解し、無機物に変える
植物が死ぬと、まず土中の細菌類が植物の繊維質を有機物に変化させます。
こういった土の働きを、「分解」というのですが、分解は大きく有用分解(発酵)と有害分解(腐敗)に分かれます。
腐敗とは植物にとって有害なガスや成分を放出しながら、無機物化していく働きで、発酵とはそのような有害なものを発生させることがなく、無機物化していく働きです。
同じ働きですが、植物にとって都合がよいものを発酵と呼んでいます。
?ではこうやって分解された「無機物」はどうなるのでしょうか?
2.無機物は微生物の合成によって外部エネルギーを固定化される
微生物によって分解された無機物は、ラン藻類やアゾトバクタ―などの微生物によって光エネルギーや窒素エネルギーを固定化されます。
光エネルギーが固定化されることを「光合成」、窒素エネルギーが固定化されることを「アンモニア合成」といいます。
植物は根から、これらの化合物を取込み、自らの養分にします。
3.「分解⇒合成⇒吸収」というサイクルを繰り返し、豊かな土は育まれる
このように土中の微生物が植物の死骸を分解し、分解された無機物に、窒素エネルギーを固定化します。
それを再び植物が根から吸収することで、養分にし成長していくのです。
画像はこちらのサイトからお借りしました。
このようなサイクルを繰り返し、植物と微生物がお互いに影響し合いながら、豊かな土は育まれていくのです。
ではこのサイクルの中、植物を定期的に刈り取るとどうなるのでしょうか?
それこそ農業そのものです。
★この「豊かな土を育むサイクル」を農業はどうしても崩してしまう構造にあるのです。
これを把握した上で、農業を捉えることが重要なのではないでしょうか。
投稿者 sue-dai : 2021年10月01日 TweetList
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