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2013年11月01日

農を身近に★あぐり通信vol.12:減反政策の見直しって?TPPアメリカ支配の補完でしかない

10月末、「減反政策」の見直しについて、多くのニュースで取り上げられていましたね
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画像は、こちらからお借りしました。
 
今日は、各ニュースで報道されている内容を簡単にご紹介しましょう
 

林農水相、「減反政策」の見直し進め2014年の通常国会に提出へ(10/25)
(FNNニュース)

林農水相は「減反政策」について、「農家の自らの判断で、需要に応じた生産を推進していかなければいけない。そういう改革を進めていく」と述べたうえで、「経営所得安定対策の見直しと一体で議論していく」として、具体的に見直しを進める考えを明らかにした。

石破氏 減反政策抜本見直しを(10/27)(NHK NEWS)
石破幹事長は農家に交付金を支払って生産量を調整する、いわゆる減反政策について、「生産調整でコメの値段を守ってきたが、どれだけ農業はよくなったのか。農地は減り、後継者はおらず、生産額は落ちている。政策が全部正しかったら、こんなことになるわけがない」と述べました。
そのうえで、石破氏は「どうすれば農業のコストが下がり、収入が上がるのか。どうやって農業に参入しやすくするのかを考えなければならない。『これを言うと団体から叱られるから言うのはやめよう』というのは自己保身でしかない」と述べ、減反政策の将来的な廃止も含めて、制度の抜本的な見直しを検討すべきだという考えを改めて示しました。

40年以上続いた米の減反政策 5年後廃止で調整へ(10/28)(テレ朝news)
40年以上続いた米の減反政策は、5年後の廃止に向けて調整が進んでいます。
・減反に従う農家に10アールあたり1万5000円支払う所得補償も来年度以降縮小し、3年後から5年後の廃止を目指します。政府は来月下旬に産業競争力会議で提言をまとめたうえで、与党とも調整し、正式決定する方針です。

 
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減反政策について、政府はどのような思惑があるのか?について詳しく書かれた記事がありますので、ご紹介します 😀
 


TPPを前にとうとう減反政策を転換。だが日本のコメ農家は大規模化で強くなれるのか?

 
 政府は、TPP(環太平洋パートナーシップ協定)の締結を視野に、50年にわたって続けてきたコメの生産調整(減反政策)を廃止する方向で検討を開始した。農家に対する補助金を大規模農家に絞ることで農家の集約化を促進する。ただ減反の廃止を急激に進めると、逆に大規模農家の経営を圧迫する可能性もあり、実施には混乱も予想される。
 
 日本はこれまでコメの価格を維持するために、減反政策と呼ばれる生産量の調整を実施してきた。政府がコメの生産量を決定する代わりに、市場価格よりも高い価格で政府がコメを買い取り、農家の安定的な収益を保証してきたのである。だがTPP交渉の妥結が目前に迫っていることから、農業の競争力強化が必要と判断、保護政策の柱であった減反を廃止し、農家の集約化を促進する政策に転換する。
 
 安倍政権における経済政策の司令塔である産業競争力会議では、民間議員が減反政策の廃止を強く訴えている。またTPPが締結された場合には、海外から安いコメが大量に流入してくることが予想される。多数の小規模農家が存在する現在の状況では、競争力を維持できない可能性が高い。
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画像はこちらからお借りしました。
 
 教科書的にはその通りであり、農家の大規模化は避けることができない時代の流れといえるだろう。だが減反の廃止を中心とする農家の大規模化で、本当に日本の農業に競争力が付くのかについては疑問の声も多い。仮に兼業農家が生産から撤退し、農家の集約化が進んだとしても、本当にコスト競争力のある農地は増えない可能性があるのだ。
 
 優良な農地は、大規模農家や農業法人によってブランド米が植えられ、十分な競争力を保つことになるだろう。だが兼業農家が細々と耕作する農地の中には条件の悪いところも多く、大規模農家や農業法人にとって魅力的な農地とは限らない。結局、多くの農地が放棄され、日本にはごくわずかな農地しか残らない可能性がある。
 また一部からは減反廃止そのものがうまくいかない可能性も指摘されている。兼業農家はサラリーマンとしての収入があるため、補助金がなくなり、極めて安い値段でしかコメを売ることができなくなっても、お小遣い代わりに生産を続ける可能性があるというのだ。そうなってしまうと、価格低下が必要以上に加速し、本来有利であったはずの大規模農家の経営までも脅かすことになりかねない。
 
 コメから他の作物への転換も進まない可能性が高い。あまり知られていないが、コメはもっとも手間がかからず容易に生産できる農作物の一つである。高品質のブランド米を栽培するのは大変だが、そこまで味にこだわらなければ、週末の作業だけで十分に生産を維持することができる。そのような農作物はコメ以外にはないのが現実であり、兼業農家がコメ以外の作物に転換する可能性は限りなく低い。
 
 原則自由化というTPPのルールを受け入れた以上、農業の集約化は進めていくしかないだろう。だがこれまでの議論では、日本の農業に本当に競争力があるのかという点について、あまり検証されてこなかった。フタを開けてみれば、一部の農業法人以外、コメ農家は壊滅という状況になる可能性があることも、ある程度覚悟しておく必要があるだろう。

 
国民の合意も得られないまま、いつの間にかTPP締結することになっています。
そして、国際競争力を身につけるために減反廃止を、ということも謳われていますが、まだ具体的な方針や政策はないようです。
 
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画像はこちらからお借りしました。
 
【シリーズ】日本の農業政策から、今後の農を考える ~農業政策とは何だったのか?~」にも書かれていますが、『農業政策とは、一見、「みんなのため」であったり「国のため」に執行されていたように思えていましたが、実際は、全くそんなことはなく、その時代の、「統合階級」の都合の良いように、行われていたのが実態だったようです。
 
そのような歴史を踏まえれば、現代の活力の低下した農業をどうするのかは、農政に頼るのではなくて、江戸時代のように、農業を「みんな課題」として、集団で考え、自分たちで答えを出していくことが求められているように思います。』
 
政策を待つのではなく、農業政策の枠にはおさまらない、脱「農政」で新しい「農」のかたちをつくっていくことが必要なのでしょう。

投稿者 hasi-hir : 2013年11月01日 List   

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