2013年11月29日
2013年11月29日
農を身近に★あぐり通信vol.13:『家族野菜』で地域を活性化するレストラン
【予約の取れないレストラン清澄の里 粟】
レストラン清澄の里『粟』のオーナーで農業家の三浦雅之さんが『情熱大陸』で取り上げられていました。
そのレストラン『粟』は『家族野菜』をコンセプトに、1日20組限定でランチタイムのみの営業。現在は予約が取れないほど人気があるレストランなのです。今回はその「人気の秘訣」と「三浦さんの種にこめる思い」から学んだ農の可能性をご紹介したいと思います♪
画像はこちらからお借りしました
投稿者 y-sanami : 2013年11月29日 Tweet
2013年11月29日
安全安心と地域コミュニティーの確立~豚の生産、加工販売の「ばあく」に学ぶ
先日、五條市にある「ばあく」という肉とその加工品を製造、販売しているところを尋ねました。その取り組みがすばらしかったので、ご紹介します。
「ばあく」
1983年。
15名の近所の主婦たちが「子供に合成保存料の入っていない安全なものを食べさせたい」と『豚肉を食べる会』を立ち上げました。これが〝ばあく〟の始まりです。『1頭の豚を大切に食べきる』をモットーに、安全でほんとに美味しい豚を食べる取り組みの中で 自分たちで無添加のハムやベーコンを手作りするようになりました。←ホームページより
場所は五條市の山の中にあり、すごく狭い道を登っていかなければなりません・・・(ちなみに夜だったので、帰りには五條市内の夜景が一望できました)
販売・営業は奥様が担当し、豚の飼育・加工はご主人と息子さん主にされています。従業員はほとんど近所のお母様方。
会社として素晴らしいところ
①コンセプトが徹底されている
②地域のコミュニティーをしっかり形成し、循環型を成り立たせている
③生産しているものに自信をもっており、味も本当に美味しい
課題
・発信力が弱い←販売にまだまだ工夫の余地があると考えている
また、自分たちの取り組みをもっと外に伝えたいと考えている。
・コンセプトとして、安全なものを作りたいというのが1番にあり、飼育している豚のえさから、ソーセージにしていくまで、こだわり抜いています。中でもソーセージはすごい!!
例えば、ソーセージの中に入っているもの、市販のものでは原材料の豚肉と羊の腸、塩のほかに
①発色剤(亜硝酸ナトリウム):色を美しいピンク色に保ちます。また、食中毒の原因菌などの微生物の増殖を抑え、特有の風味と香りを与えます。
②結着剤(リン酸ナトリウム・カリウムなどのリン酸塩):保水性を高めて肉の旨味成分の流失と蛋白質の変性を防ぎ、結着性を向上させてパサつきを防いで歯ごたえなどの食感を改善します。
③保存料(ソルビン酸):微生物の増殖を抑え、保存性を高めて腐敗・酸敗を防ぎます。
④酸化防止剤(ビタミンC):強い還元作用があり食品の酸化を防いで、ハム・ソーセージの変色や風味の劣化を防いで品質を保ちます。
⑤着色料(コチニール酸、アナトー色素、赤色3・102号):ハム・ソーセージのきれいな色を長時間保つのは困難なため、人為的に色を調整して見た目のおいしさを改善して食欲を増進させます。
などが入っているそうです(伊藤ハムHPより)
しかし「ばあく」のソーセージは、原材料⇒羊の腸、豚肉、塩、香辛料のみ!
市販のものと比べて、非常に歯ごたえのある食感と、肉のうまみを強く感じることができます。むしろこれを食べると、市販のソーセージは変に柔らかく、肉のうまみというよりはむしろ別の味を感じる。
つまり、いろいろ理由をつけて添加物を使用しているものの、結局は
①販売の都合上、長期間もたせたい(←スーパーでは山積みにしてたくさんあるように見せるのが重要で、別に消費者のためではないと思う)
②食味を改善する(←どの豚肉か分からん豚肉の、どんな部位を使用しているかも分からない。たまに豚肉以外のものも使われる。つまり、良い肉を使っていないから、添加物を使用しなければならない)
③値段を下げるため(←ばあくのやり方だと、肉は良いものを使う必要があり、製造の過程で小さくなってしまう。添加物を使用することで、質の悪い肉でも、量が多い状態を見せかけることができる)
と、市販品のものは消費者のことをあまり考えていないことが分かります
「ばあく」のソーセージは添加物が全く入っていないので、アレルギーをいろいろ持っているお子さんでも、安心して、美味しく食べられることが基本としてあります。
この食べる人のためを想う姿勢が重要だと感じました。
・次に地域のコミュニティーですが、「ばあく」では
豚を飼育(通常より長期間飼育)⇒排泄物は肥料にする⇒地域の農家へ
地域の農家⇒近隣の食材加工店へ⇒加工過程で出る切れ端、期限切れ品⇒豚のえさになる
と地域で循環しています。
また豚そのものでは
⇒解体して、豚1頭分を部位ごとに分け、すべて製品にする
例、豚ロース、バラ、モモなど大きな肉は生肉販売、ハム、ベーコン、串かつなどで加工販売
端肉はミンチにしてソーセージやハンバーグにして加工販売
⇒ソーセージを作るときに薫煙用の桜の木も育ててチップにする、
炭焼き用の炭は裏山で切った杉の木を、自社で炭加工⇒端切れは豚のえさに
といった無駄の無いやり方をしています。
この加工の過程では、近隣の奥様方に働き場を提供して、地域に貢献しています
また、地域の農家、加工会社で手を取り合い、協力したお弁当なども製造、販売しているそうです。
地域ぐるみの連携という点では、非常に参考になる事例だと想います。
・製品について
上記にあげたように、コンセプトをこだわり抜いており、地域の連携の中で作り上げていったことで、より良い製品になっていったのだと思います
これらの内容については、農業として考えると参考にすべき点がたくさんあり、学んでいくべきだと考えます。
課題の部分では立ち上げて30年たって、まだまだ地域での取り組みにとどまっていて、広がりが無いことに課題を感じているようでした。また価格がどうしても高く(市販品の約2倍)、現在生産分も売り切れないので、結局安い市場出荷分が出ることも改善したいと考えているようです。
こういった、取り組みは参考にしながら、協力して発信していきたいですね☆
投稿者 snoopy11 : 2013年11月29日 Tweet