| メイン |

2013年11月29日

農を身近に★あぐり通信vol.13:『家族野菜』で地域を活性化するレストラン

【予約の取れないレストラン清澄の里 粟】
レストラン清澄の里『粟』のオーナーで農業家の三浦雅之さんが『情熱大陸』で取り上げられていました。
そのレストラン『粟』は『家族野菜』をコンセプトに、1日20組限定でランチタイムのみの営業。現在は予約が取れないほど人気があるレストランなのです。今回はその「人気の秘訣」と「三浦さんの種にこめる思い」から学んだ農の可能性をご紹介したいと思います♪
 
uid000006_20131117235709e81813c3.jpg
画像はこちらからお借りしました

にほんブログ村 ライフスタイルブログへ


◆市場に出回る種は、F1種
みなさん、市場に出回っている種はその殆んどが「雑種第一代」、通称「F1種」(エフワンシュ)と呼ばれるものであるということはご存知でしょうか?簡単にいうと、より生産しやすいように、品種改良された種で、1回植えるとそこまで。次の世代は残せない種なのです。(F1種の問題性は大変面白いので、興味のある方は以前の投稿→F1種から固定種へを読んでみてください☆)
 
F1種と対極にあるのが、在来種・固定種と呼ばれるもので、今回の鍵となるのも、この在来種です。
 
 
三浦さんが栽培しているのは、奈良県(旧大和国)の伝統野菜である、大和野菜です。
伝統野菜は在来種なので、生産効率が悪く、その種は市場に出回ることが殆んどありません。したがって伝統野菜の種(在来種・固定種)は、現在農業の衰退に伴って絶滅寸前です。三浦さんは、この絶滅しそうな大和野菜を救うため、その種を保管する活動をしているのです。 
 
◆絶滅寸前の伝統野菜の種(固定種・在来種)
その答えは伝統野菜の別名『家族野菜』という言葉が全てを語っています。
 
『家族野菜』はその名のとおり、家族で食べる野菜です。これまでは量産が出来ない、生産性が低いなどの理由で、市場には出さず、家族やその地域のみで消費されていました。とても貴重な野菜であるわけです。 
 
その『家族野菜』をレストランで提供するわけですから、食べたこと、見たこともない野菜を食べられるわけです。
  
しかも、店内にはお店で提供する野菜をディスプレイとして展示してたり、提供される野菜一つ一つを丁寧に説明してくれるというのも人気の理由です。
 
謎が一つ解けましたね。
 
でも、予約が取れないレストランの人気の秘訣は、単に珍しかったり、おもてなしが素晴らしいからだけではないのです。それを今回はご紹介したいので、もう少しお付き合いくださいね^^
 
18.jpg
奈良の伝統的な粟の一種「むこだまし」
画像はこちらからお借りしました
 
 
◆伝統野菜の種を守ることで地域を活性化する
2008年11月三浦さんは、株式会社「粟」という会社を設立し、代表取締役に就任されます。この会社の理念を読むと、三浦さんが何をしたいのか理解できます。
株式会社「粟」のHP
 
奈良県の遺産である大和野菜を、ただ単に生産して販売する下請け方法ではなく、生産と流通と販売というトータルで主体的に農業ビジネスを考え流通マージンなどのコストを農家・農村に還元し、利益率を高め、農業・農村を地域に活気づけること。
 
私が三浦さんの活動がいい!と思ったのは、ここなんです★
 
 
なぜならば、美味しいもの・珍しいものを農村で一生懸命つくり、都会に出して成功(=儲かっている)例は多数ありますが、その成功は一過性であるものが大半です。それは、生産者と消費者が直接接することが無いので、対「物」のやりとりしかないのが原因だと私は思います。 
 
  
ご紹介した三浦さんは、物を売ることではなく「伝統野菜を守ること」を一番の目的にしています。
野菜を作るだけではなく、売るだけでなく。自ら伝統野菜の美味しさを伝え、味わってもらいたい!という三浦さんの想い。それが直接レストランに来た人々、そしてレストランに野菜を提供する地域の農家の人に伝わって、地域が活性化し、目的である伝統野菜の種の保存が行われているのです。
 
「種を介して都会の人を農村へ。農業を拡大するのではなく、自分も、お客さんも、同じ地域に住んでいる人たちも充足させる仕事」。大切なものを守りたいという想いが、人々を巻き込み繋げてゆく。新しい農の可能性ですね。

投稿者 y-sanami : 2013年11月29日 List   

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://blog.new-agriculture.com/blog/2013/11/1480.html/trackback

コメントしてください

*