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2011年05月19日

3-③ 原発事故から今後の食と農・水産を考える~ストロンチウム90はどのような物質か~

この【原発事故から今後の食と農・水産を考える】シリーズも第三弾となりました。
今まではヨウ素131、セシウム137について、どのような物質か注目してきましたが、今回の主役は・・・ストロンチウム90です!!!

画像はコチラからお借りしました
ストロンチウムといえば、
今回の原発でヨウ素131、セシウム137に比べて検出が一番遅かったと話題になっていましたが・・・、
それは何故でしょうか
ほとんどの放射性物質は、崩壊した際に放射性物質を放出します。
というのも、ガンマ線はそれぞれの物質に固有のエネルギーを持っているので、ガンマ線を測定することで、そこに含まれる放射性物質が何であるのかが分かるのですが、
ストロンチウム90はガンマ線が放出されないので、
そのため他の物質に比べて放射線物質の特定が難しいのが、今回検出するのが遅れた一番の理由です。
算出する方法としては、ベータ線のエネルギーが大きいイットリウム90を測定して、その結果からストロンチウム90の放射能を算出するというのが流れです。

そのように算出されたストロンチウム90を、東京電力は八日夜、福島第一原発の敷地内の土壌や周辺の海水から検出したと発表しました 🙄
土壌からはこれまで文部科学省の調査で検出されていましたが、海水から検出されたのは初めてでどれ位の被害が及ぶのか今問題となっています。
このことから何が言えるかというと、
要するにストロンチウム90は、今回の原発問題を考察するにあたって無視できない物質だということです。
では前振りが長くなりましたが、
早速ストロンチウム90がどのような性質をもっているのか、また対処の方法を追求していきたいと思います
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ストロンチウムという元素は、以下に示すような同位体があり、ストロンチウム84、86、87、88は安定同位体、ストロンチウム89、90、91が放射性同位体なんです。
%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%AD%E3%83%B3%E3%83%81%E3%82%A6%E3%83%A02.bmp
・ミネラルのストロンチウムは身体を作っている!?
上の図からも分かるように、ストロンチウム(84~88)は危険な放射性物質ではなく、むしろ身体にとっては摂取すべき必要な成分なんです。
というのも、ストロンチウムは水や食品中に自然に存在しているミネラルで、カルシウムに似た作用を示し、体内のストロンチウムの約99%は骨に存在しています。ヒトの骨、歯、大動脈中のストロンチウム濃度は年齢とともに上昇します。
ヒトにおいて、ストロンチウムはあまり吸収されず、腸からの摂取率は5~25%で、年齢が若ければ若いほど吸収率は高くなっていきます。吸収されたストロンチウムは血液から骨や歯に運ばれ、その後胆汁と腎臓を介して排出されます。
このようにストロンチウムは、カルシウムと協力して骨を作ったり、虫歯を抑え、歯を丈夫にする働きがあるんです。
しかし!!
今回問題となっている放射性ストロンチウムは、これと全く異なるものです。
・一度間違って吸収されると、影響度が高い!?
ストロンチウム90は体内に入ると、電子配置・半径が似ているカルシウムと置き換わって体内に入ると、ミネラルのストロンチウム同様に、骨に蓄積されます。さらに、ストロンチウム90の半減期は約29年と長く、体内に侵入するとベータ線を放出し続け、骨のガンや白血病の原因となり、深刻な内部被ばくが長期間続くことになってしまうのです。
しかし!!
私たちはそんなストロンチウム90に怯えてばかりはいられません。
内部被ばくを少しでも防ぐために、今何ができるのか以下まとめてみました。
今できることは?
ストロンチウムは、経口摂取で問題となってくるものです。
経口摂取とは、放射性核種が水や食物と共に口から体内に入り胃や腸から吸収されて血液中に取り込まれることです。血液中に取り込まれた核種は標的臓器に沈着するか、尿として排泄されるか、再度腸管へ排泄され糞便として排泄されるか、再度腸管から吸収される可能性があります。

画像は コチラからお借りしました
体内のストロンチウム除去方法としては、
褐藻類(ワカメ・コンブ・ヒジキ・モズクなど)はアルギン酸を多く含み、ストロンチウムを吸収しやすい性質があるため、有効と考えられていますし、キチン・キトサンにもストロンチウム除去作用があります。現在のところ放射性ストロンチウム摂取事故の場合などに最も推奨されている除去剤は、アルギン酸ナトリウムで、次いでキトサンです。
これらの物質が除去効果を発揮するメカニズムには吸着・錯体形成などの現象が組み合わさっていると考えられています。
一般にこのメカニズムはキレート効果と呼ばれるもので、細菌などの微生物や、タンパク・多糖類・ポリフェノールなどの生体物質の中には放射性核種に対して強い親和性を示すものがあります。その特徴から、吸着・錯体形成などの現象が組み合わさって、有毒物質が巻き込まれて、排泄されるそうです。(=解毒作用)

ストロンチウムの場合は、低P食群では消化管→血液→腎→尿の経路を流れるカルシウム量が著増し、そのカルシウムが Sr90 を巻き込んで排泄されます。
そのため、消化管から吸収されるCaが不足しているとこのSr の高排泄効果は望めないため、食事中にCaが十分量含まれている事も大切だそうです
ただし、
Ca含有・低P食では、骨への沈着を防ぐ効果はあるものの骨に沈着してしまった Sr90 の離脱度は高めません。またカルシウムバランスを考えると低Ca低P食を長期に続けることはできません。この方法のメリットは、他の手段と組み合わせて用いられる点にあります。


つまり、何か特定のもののみに限定した対応策では、逆に身体に悪影響を与えてしまいかねないのですね
そこで、以下デトックス(解毒)や抗酸化作用のある食品について、調べてみました

キレート結合する成分を体内に入れることによって、体内の有害ミネラルに対して包み込むように結合し、組織内から引き離すことができます。キレート結合された有害ミネラルは体内で再吸収されることなく尿や便などから排出され、ムリのないデトックスができる。


主に次のような食品にその効果が期待されます。

画像はコチラからお借りしました
こうして見てみると、上記したような食品は普段から食卓で見られるような物ばかりな印象を受けますよね。
この事から分かるように、キレート効果によるデトックスの食事は、昔から注目され、日本やアジアの食事に根付いてきた、いわば伝統であり、それが現在まで継続されてきたと分かります 😀
しかし!!
ここで、注意しておきたい点があります。
玄米=安全ではない!?
解毒作用が見込まれる玄米が最近よく注目されてきていますが、それが汚染されたお米の場合は、逆に白米の方が放射性物質の摂取を最低限に抑えられることも分かっています。

『放射性セシウム(天正らと塚田らのデータ)濃度と総セシウム濃度(森のデータ)は白米1に対して糠が約10の比率であり。安定同位元素と放射性同位元素は、種子への分布でほぼ同じ動きをしているとみてよいと思われます。
この結果からみると、将来東電福島原発の放射性セシウム(Cs137+Cs134)で汚染したお米を食べるときに、白米にすると、玄米の5分の一に放射性セシウム摂取量を低下させることができるであろうことがわかります。


詳しくはコチラのサイトを見てみてください:m146
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白米のセシウム含量は玄米の5分の一である
http://moribin.blog114.fc2.com/blog-entry-1053.html
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解毒効果があるから食べるといった行為はもちろん賛成ですが、
今後はそれがいつ作られたものなのか、見極めていく目も必要ということをどうかお忘れずに
次回は、実際に農産物が作られる現場である土壌が今どうなっているか考えていきます。
お楽しみに
:

投稿者 HAYASI-M : 2011年05月19日 List   

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コメント

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