2011年5月5日

2011年05月05日

「草刈」と「草焼き」

みなさんこんにちは。久々のマサクニです。
梅や桜のピークが過ぎて、
あちこちに花が咲き新緑のきれいな季節となりました。
待ちに待った春・・・なのですが、
我々農家にとっては草刈の始まりでもあるのです。
ということで、今回は「草刈」と「草焼き」がテーマです。
●田畑の規模と特徴
奈良農場は、数多くの田畑が広範囲に点在しています。
・ハウス:約1町。5ヶ所で22棟。
・露地畑:約4町。16ヶ所で27枚。
・水稲 :約4町。11ヶ所で38枚。
・体験教室:約5反。2枚。 
合計 :約9.5町。33ヶ所で89枚もあります。
さらに、形の変形が多く、かつ法面も多い。
おまけに、鹿(一部イノシシ)対策で、電柵が14ヶ所あるため、
草が配線に当る前に草刈をする必要があります。
●草刈の時期と頻度
・草刈の始まりは、4月後半、水稲で地区の出会いから始まります。
 その地域の水入れを前に、共通の水路周りの草刈・溝掃除を、
 農家みんなで行う行事です。
・5月になると、電柵下など草が伸び始めるので、本格的な草刈のスタートです。
 とにかく90枚近い田畑で法面や電柵もあるし、他の作業との絡みもありますが、
 標準は半月に1度の頻度で草刈を行います。
・秋口に頻度は落ちていきますが、最後は12月後半まで草刈はつづきます。
・水稲では、、村の出会い、田植え前、稲刈り前には草刈が必要です。
DSCN2249.jpg
DSCN2254.jpg
 上の写真:雑草が伸びて、電柵の下段線に一部触れています。
 下の写真:草刈後はご覧のとおりきれいになります。
□ ここで問題です。
 写真の手前にもある背の高い、先の赤っぽい雑草の名前わかりますか?
 最近、二人の若者に聞いたところ、
 「セイタカアワダチソウ」でした。確かに
 「背の高い、泡が立っているような草」なのですが、残念ながら「ブー」です。
 その草は秋頃咲き、背丈は人の身長を越え、先端の花粉部分は黄色です。
 http://had0.big.ous.ac.jp/plantsdic/angiospermae/dicotyledoneae/sympetalae/compositae/seitakaawadachi/seitakaawadachi.htm
 ではこの雑草は?
 我々旧世代で、田舎で遊んだものは経験があるのですが、
 よく表面の皮をむいてかじったものです。その瞬間、
 「アッ、スッパー」となります。正解は、
 「すっぱい葉っぱ」、「スイバ」という名前です。
 http://had0.big.ous.ac.jp/plantsdic/angiospermae/dicotyledoneae/choripetalae/polygonaceae/suiba/suiba.htm
 みなさんも、そのへんで見かけたら一度かじってみて下さい。
 そしたら名前を覚えられますよ。
 
●草焼きの目的
周辺の農家さんは、草刈の度にまめに草焼きやられています。
しかし我々はそこまで出来ないのが実情です。ここでは、
草焼きの目的を確認しておきます。
・刈り取った草を残すと、その下がモグラ・ミミズなどのすみかとなり、
畔や法面の強度が下がる。
・刈って残した草が次回の草刈の邪魔になる。
・冬の枯れた雑草は、そのまま燃やせて効率的。
・高温で燃やすことで、草の種も焼却できる。
(なのですが、種が風で持ち込まれたりして、結局生えてしまいます。)
●草焼きの注意事項
しかし、草焼きは火災の危険と背中合わせです。集めて乾いた草が、
強風にあおられて燃える勢いは恐怖です。間違って、周辺の山・ハウスなどに
燃え移ることは許されません。そこで、常に気を使っている項目です。
・とにかく山や隣地などに延焼させないことです。そのために、
境界を広く刈り込み、燃えるものを取り除き、可能な限り水をまいて置きます。
・いざと言う時のため、消火用の水を用意する。
・風が強いときや、風向きが悪い時は行わない。
心理的に「不安だな」と感じた時は無理せず中止するようにしています。
DSCN2233.jpg
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 上の写真:右の山に燃え移らないように、草刈をしたところです。
 下の写真:燃え始めても、草刈したところは燃えていません。
        草刈の後、水もまいています。
 今年も雑草との闘いがはじまりました。
 しかし刈り取った後は気持がいいです。
 そして、雑草の名前・由来・特徴など、
 知れば知るほど面白いのも雑草。
 興味深く付き合って生きたいものです。
 

投稿者 totokaka : 2011年05月05日