2011年5月30日

2011年05月30日

4-(1) 原発事故から今後の食と農・水産を考える~放射性物質に汚染された農地の再生に向けて(1)~

みなさん、こんにちは。4章の記事は、
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(1)◆現状把握に向けて
(2)◆核種と土壌汚染に関する知見
(3)◆現在ネット上で入手できる知見からの可能性探索〔1〕
(4)◆現在ネット上で入手できる知見からの可能性探索〔2〕
(5)◆可能性の中間まとめ
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という構成になる予定です。
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政府は、東京電力福島第1原子力発電所の事故を受けて、(1)大気・土壌・農地の3種類の放射能濃度マップを、福島県を中心とした広範囲で作成(2)放射性物質の濃度が高い農地を浄化する技術を開発――すると19日に発表しました。8月までに成果を出す方針とのことです。

〔放射能物質の分布調査・浄化プロジェクトのポイント〕
【放射物質の分布の調査(7.1億円)】
・大気や農地の放射能濃度のマップ作成
・大気や土、川の詳しい調査
・放射性物質の移動ルートの把握
【農地の浄化技術の開発(4.8億円)】
・各種技術を組み合わせた最適な浄化法の確立
・代かき後の強制落水などによる土壌表面の除去
・カリウムの施用などによる作物への移行防止
・ゼオライトなど吸着剤を使った除去
・ヒマワリや牧草栽培による除去
*詳しくは、http://www.agrinews.co.jp/modules/pico/index.php?content_id=6768

◆先ずは、詳細な調査に基づく「放射能汚染地図」の作成が必要

▲「文部科学省及び米国DОEによる航空モニタリングの測定結果について」(http://www.mext.go.jp/component/a_menu/other/detail/__icsFiles/afieldfile/2011/05/06/1305820_20110506.pdf
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自主的な調査グループによる、放射能汚染地図を作成する動きも出てきました。
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▲ネットワークでつくる放射能汚染地図(http://shachoublog.net/nyu-su/nhk-etv.html

下水処理施設の汚泥から高濃度の放射性物質
福島県郡山市にある下水処理施設の下水汚泥と、汚泥を燃やしてできる砂状の「溶融スラグ」から高濃度の放射性セシウムが検出された。
(中略)
施設は郡山市日和田町高倉の県中浄化センター。県によると、4月30日に調査したところ、汚泥から1キロあたり2万6400ベクレル、スラグから同33万4千ベクレルの放射性セシウムが検出された。スラグの数値は、福島第一原発事故の前の約1400倍だった。
県は、地表面の放射性物質が雨などによって流れ込み、下水処理の過程で濃縮されたとみている。
(「下水処理施設の汚泥から高濃度の放射性物質 福島・郡山」http://www.asahi.com/national/update/0501/TKY201105010383.html

以上の情報からすると、地面に降り注いだ放射性物質は風向きや地形によって、さらには河川などで移動・集積し、様々なところにホットスポットを形成しながら分布しているようです。今後、農地の再生を手がけるに当たっては、詳細な調査に基づく「放射能汚染地図」作成が必要です。
汚染強度によっては、その地域における活動に制限を加える必要もありますし、被爆を防止するための装備の仕方も変わります。農地再生の方法においても、違いが出てくる可能性があるでしょう。

(さらに…)

投稿者 staff : 2011年05月30日