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2011年01月06日

「農」再生の実現基盤ってなに?~番外編~ ㈱マイファーム代表西辻一真さんにインタビューしてきました!

当シリーズの「農の共認域を広げる市民農園」
“さらに市民農園関連では、最近、農業をしたい者と農地所有者をつなぐ、つなぎ役を積極的に担って、ネットワークを形成する仕事を始めた人たちがいるそうです。そのような仕事が新たに求められているのだと気付きです☆+゜次回は、その新しいつなぎ役に焦点を当ててみたいと思います。”
と述べたように、今回は市民農園の世界で先進的な動きをしている「株式会社マイファーム」をご紹介したいと思います。
先日、当ブログスタッフがマイファーム代表の西辻一真さんにインタビューをしたので、その内容に基づいてお送りします 😉

nisitsuji.jpg

西辻一真さん

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■どんな事業をしているの?
マイファームさんが主に取り組んでいるのは「耕作放棄地のリメイク及び事業化」です。これが「体験農園事業」ですね。他にも「農家支援活動」「レンタルファームやビジネス農業のコンサルティング」など、農に関する幅広い事業展開をされています。
気になるのは、公共団体が開設・運営する「市民農園」と、マイファームさんによる「体験農園」の違いです。大きくは以下の2点が特徴になります。
○ITを生かしたサービスの充実
なんと、農地提供者も農園利用者もインターネットを入口にしているそうです。貸し手は「自分で農業は続けられないけど、その土地を畑として残したい高齢者の方々」「農地を相続したけど自分で農業をする予定のない方々」がほとんどで、ネット検索や口コミでのサイト訪問からマイファームさんに連絡を取っているのです。利用者の方々も同様で、そのほとんどがネットを通じて利用希望を出されているとのこと。
また、体験農園利用者は農園を使えるだけでなく、インターネットで農業技術を学ぶ「e-learning」や、ブログや掲示板を通じて自分のことを発信したり他の人とやり取りしたりできるようになります。場所・時間を選ばずにアクセスでき、人との繋がり欠乏にも応えられるIT技術を有効に生かした仕組みを作っているのですね。

myfarmsite.JPG

無料ポータルサイト「はたけ部」

○若い利用者が多い
マイファームさんの利用者で最も多いのは、30代の家族連れの方々だそうです。特に基準を設けているわけではないのですが、「市民農園に高齢者が集まるので、なかなか若い人に回ってこない」という状況があるようで、自然と棲み分ける形になってきました。
なぜ30代が多いのかというと、大抵は7歳くらいまでの子供がいて、「教育のため」という理由なんです。確かに、小さいうちから土に触れ、作物を育てるという経験は大事ですよね。加えて言えば、社会全体で「~をしたい!」という明確な欲求が湧きにくい現状で、「とりあえず行けば楽しめる」という体験農園は若い親世代にとってありがたい存在になってきたようです。そこでマイファームさんは「家族みんなで気軽に楽しめる継続的なサービス」というコンセプトで体験農園を運営されているとのことです。
IMG_1001_R.JPG

マイファームを利用しているご家族

ちょっと気になるのが「気軽に」というキーワード。世間では「農業に興味はあるけど敷居が高い・・・」というのが一般的な認識でしょう。てことは、その敷居を越える仕組みがマイファームさんにあるはず!その中身に迫ってみます。
まず重視しているのが「農園のロケーション」。いくら市民農園人気といっても、交通の便が悪かったり、土が悪くて作物ができなかったりでは人が来ません。マイファームさんでは、西辻さん自らが現地に行って土の状態を調査し、他にもエリアの人口・交通の便・地主さんの人柄など、実に様々な要素をチェックした上で農園を開設しています。まるでレストランをオープンするような感じですね。
また、マイファーム体験農園の大きな特徴なのが「管理人がいる」ことです。メイン顧客の層は若いので「農業がよく分からない」「普段は来れない」という特徴があります。各農園に管理人がいることで、農業の技術指導や、借り手がいない間の管理もしっかりと行ってくれるので、安心して楽しむことに集中できるようになります。予めルールが決まっており、資材も揃っているから、本当に「行けば楽しめる」状態を整えているのです。
このように、マイファームさんは「ただ場(農園)を作って待つ」のではなく、「主体的にみんなの意識を掴み、希望に応えるサービスを生み出している」のだと言えます。農地の貸し手・借り手の状況をよく理解し、必要な仕組みを用意することでビジネスになっているのですね。もともと耕作放棄地、或いはその予備軍である農地から価値を生み出しているのだと思うと、改めてその凄さが分かります。
■西辻さんの想い
西辻さんがこのような事業構想を考え始めたのは、なんと高校時代からだそうです。福井県に育ち、ご自身の家は農家ではないものの、家庭菜園で農に触れていたことや、周囲で増えていく耕作放棄地を見て「何とかできないか」と考えるようになったことが現在の事業の原点なのです。
そこから出てきた理念が、マイファームの企業理念でもある「自産自消」です。これは文字通り「自分で生産し、自分で消費する」という考え方で、一見すると小規模循環型農業を目指しているかのような印象を受けます。しかし、西辻さんにとって生産形態は目指すものではなく過程であり、本当は自産自消を通じて得られる「気付き」が重要で、そこで精神的な豊かさを感じて欲しいという想いがあります。(理念についてはマイファームHPもご覧ください)
また、この理念の背景には社会状況の予測もあります。西辻さんは直感的に「“作って売る”農業は縮小していくのではないか」と感じているそうで、「外食や中食用の食材は大量生産ができる地域や海外などから調達されるようになるかもしれないが、自分達の家庭の食事は自分達が育てた野菜で作りたいという気持ちが強くなる」と仰っていました。つまり、『資金の循環で成り立つ「農業」から、1人1人のライフスタイルとしての「農」に移行していく』と見ています。だからこその「自産自消」であり、マイファームさんは今後も体験農園事業を主体にしていくそうです。
今後は、自分達で農園の数を増やしていくと共に、「貸し農園業界のインフラになるような事業展開をしたい」という想いに基づき、他の人達が自ら貸し農園事業の担い手になるような基盤を作っていくそうです。現在ではかなり独創的な存在として認知されるマイファームさんですが、いずれ競争相手(≒仲間)が増えることで貸し農園業界が形成され、みんなで高め合いながら全国の農地を活性化していくという姿が目に浮かんできます。
myfarm.jpg

マイファームHPより

今回は、西辻さんに直接お話できたことでかなり具体的にご紹介することができました。当シリーズのテーマである「農」再生の実現基盤をハッキリと感じることができて嬉しかったです:D
快くインタビューを受けてくださった西辻さん、そして最後までお読みいただいた読者の皆様、ありがとうございました!

投稿者 staff : 2011年01月06日 List   

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コメント

農薬とか化学肥料には、危機感がありましたが、そもそも、生で野菜を食べることが、カラダによくないなんて。洗うだけじゃだめなんですね・・・!有機野菜は無条件に安心な気がしていたので、新しいことを知れてよかったです!

投稿者 長谷寺 : 2013年2月21日 19:43

ちなみに、カブは、えぐみがないと思うのですが、、、、毎日カブをサラダで食べているので、不安になりました。ちょっと調べてみます。

投稿者 かぶっこ : 2013年2月21日 19:47

サラダ嫌いのあたくしには朗報。
ドレッシングも身体に悪そうな感じで。
野菜炒めは好きです。

投稿者 サラダー : 2013年2月21日 19:53

長谷寺さん>
そうですよね。私も驚きました。
しかし良く考えれば、サラダが体を冷やすって話はよく聞きますし、冷えは体によくないって言いますものね。
やはり体を冷やす食べ物はあまり普段は食べないほうがいいのでしょう。
かぶっこさん>
かぶ、おいしいですよね。大好きです。
今回のお話は葉もの野菜が中心ですが。。。かぶなど根菜はどうなんでしょうね?私も調べて分かったことがあればまた投稿したいと思います。

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