【農の教育効果】 第1回 自然体験教室開講 |
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2007年04月29日
元気な植物には虫が付かない…それってホント?その機構って何なの?
どうも雅無乱です。
今日は、「元気な植物には虫がつかないってほんと?」について追求してみたいと思う。
るいネットのこの投稿を読むと、
「虫食い野菜は、安全の証」って、本当?
http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=600&t=6&k=0&m=141158
>虫食いの野菜は、硝酸態窒素を過剰に含んでいる。
ということで、
一方で、ちょっとでも虫がついていたり虫に食われていると過剰反応する消費者も困ったものだが、どうやら逆の「虫食い野菜=農薬を使っていない=安心・安全」というイメージもどうやらつくられたもののようだ。
以前、神戸市の北で有機農業を営む西馬氏からこんな話を聞いたことがある。
参考「神出オーガニックコテージ グランメール」
http://www.healthymamasun.co.jp/index.html
「土ができてくると野菜が元気になって虫がつかなくなってくる。土づくりが一番大切なんだ。4~5年はかかるけどね」
日常、農薬を使って栽培していれば、農薬をやめたとたん虫にやられ尽くしてしまう…というのは容易に想像されることだ。ところが実際は、しっかり土さえいい状態にもっていければ、農薬を使わなくても虫の害はあまり無く、元気な野菜が収穫できる、ということのようなのだ。
いい土とは、土壌が窒素過多になるのを抑え、微生物との共生でいい循環ができあがっている状態だと考えられるが、そのような土壌だと植物も元気になり、害虫を跳ね除けることができるということなのだろうか?
そのメカニズムはどういうものなのだろうか?
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以前、徳島で自然農法を実践している沖津氏による講演会に行ったことがある。
http://www1.linkclub.or.jp/%7Eamal/
そこでビデオを見せてもらったのだが、そのビデオの中の田畑は雑然としていて、それこそ稲も野菜も一緒に植わっていてびっくりしたことを憶えている(http://www.new-agriculture.net/bbs/bbs.php?i=200&c=400&m=35862 http://www.new-agriculture.net/bbs/bbs.php?i=200&c=400&m=35863)。
害虫にとっては、単一植物が密集して植えられているということは、エサの塊があるのに等しいわけで、「どうぞガンガン繁殖してください」と言われているようなものであろう。
だから、単一作物を一箇所に植えたりしてはダメで、“雑然といろんな植物を植える”というのが自然農法には必要な条件なのだろう…と漠然と考えていた。
ところが、無肥料栽培(有機農法の、その先の世界へ…)
http://www.h3.dion.ne.jp/~muhi/
ここに紹介されている農家の方々の後ろに映ってる畑を見ると、単一植物を広大な土地に植えている方が多いように見受けられる。どうも普通の農家と変わらない感じである。
先ほど紹介したグランメールの西馬氏の畑も、そう言えば普通の畑にしか見えなかった(畝毎に異なる作物を植えたりしているところはあったが、結構大きな面積に単一の作物も植えられていた所も多かったように記憶している)。
そんな繁殖にもってこいのエサの塊のような畑でも、やはり害虫は付かないのだろうか?
ここで前半に紹介した西馬氏の台詞「野菜が元気になって虫がつかなくなってくる」を思い出してほしい。
植物にはどうやら、動物の免疫機能に近いような、害虫や病原微生物を撃退する機構が存在しているようなのである。
植物細胞が病原菌による感染を受けたときに防御反応として生産されるファイトアレキシンが代表格であるが、
http://homepage.mac.com/morifumi/Words/phytoalexin.html
それらいくつかの防御物質を総称して「フィトンチッド」といわれているらしい。
この「フィトンチッド」は森林浴の爽快感と関係する物質として知られている。
フィトンチッド普及センターのWebサイト
http://www.phyton-cide.org/info.index.html
どうやら、「元気な作物」は、この防御機構が正常に働くので、病原菌や害虫に侵されにくい、ということのようだ。
農薬を使わずに農産物を生産する上で、この「植物が本来持つ防御機構」を有効利用するにはどうするか…、植物が防御機構を正常に働かせることができる状態になるには、どういった条件が必要なのか…、というような追求が突破口になってきそうな感じがする。
病気が出たら殺菌剤、害虫が出たら殺虫剤、雑草が出たら除草剤、こういった対症療法が、環境を破壊し、農業従事者と消費者の肉体をとことん破壊してきたのが近代の歴史である。これに対抗し、より自然・環境に同化した対策を考えていくという道を開拓することは多くの人々の期待であろう。
「フィトンチッド」の追求は、そういった新しい道の手がかりになるかもしれない。このブログで、引き続きみんなで追求すべきテーマの一つかな、と思ったりする。
投稿者 nanbanandeya : 2007年04月29日 TweetList
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コメント
投稿者 サイヒロ : 2007年6月8日 23:19
>「森は、天然のダム」
初めて聞きました★水って降ってくる雨だけじゃなかったんですね。
潤いが足りない森にも原因があるんだ。
自然ってほんとに繋がってるんですね。森を守っていくことも、農に繋がっていくんですね。
農業から見えてくることってほんとにいっぱいあるんだなと思いました。
ためになる記事をありがとうございました☆
投稿者 たてこ : 2007年6月9日 00:32
なるほど~。
森の保水力も関係していたとは!
ほんと自然って繋がっている!
こうやって追求していくといろいろみえてきますね。
投稿者 さんぽ☆ : 2007年6月11日 05:40
みなさんコメントありがとうございます。
水についてだけでも、森~田んぼ~川~海~森とつながっているので、一部分を切り取って考えるのではなくて、循環サイクル全体として見ていく必要があると思います。
最近では、漁師さん達が、植林活動をしているくらいですから。
投稿者 長谷 : 2007年6月12日 08:13
水不足
トイレに必要な物が全てセットされていて、安心&超便利!水不足による断水やアウトドアで有ったらいいな・・・を備えましょう 25回用セット A4ポーチ…
投稿者 総合情報ニュースのネタペタ : 2007年6月12日 13:49
福岡 水不足って??
水不足が深刻です春からの 少雨の影響で 早くも水不足が本格化しています。 学校では 今日からプールが始まりましたが、 水不足がこのまま進めば プールも無し…
投稿者 TV☆アニメだいちゅき♀ : 2007年6月12日 14:51
水不足
【中国】中国、水不足で食料生産に打撃《1》 2007-06-10 14:23:20http://www.worldwatch-japan.org/NEWS…
投稿者 検索トップ20 : 2007年6月13日 21:36
森の植生と水の浸透力の関係は、なかなか興味深いですね。
それにしても、何故これほどの違いが生じるのでしょうか?すごく気になります
投稿者 こまつ : 2007年6月24日 15:31
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投稿者 hermes red : 2014年1月29日 22:30
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投稿者 hermes avalon blanket replica : 2014年2月18日 23:33
“水不足”は、困りますよね。(去年に続き今年も!!?)
実家でも、田植えは終わりましたよん!
お父さんも同じく「あとは、天気次第だ!」と言ってました。
稲が上手く実る事を期待してます☆