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元気な植物には虫が付かない…それってホント?その機構って何なの?

どうも雅無乱 [1]です。
今日は、「元気な植物には虫がつかないってほんと?」について追求してみたいと思う。
るいネットのこの投稿を読むと、
「虫食い野菜は、安全の証」って、本当?
http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=600&t=6&k=0&m=141158 [2]
>虫食いの野菜は、硝酸態窒素を過剰に含んでいる。
ということで、
一方で、ちょっとでも虫がついていたり虫に食われていると過剰反応する消費者も困ったものだが、どうやら逆の「虫食い野菜=農薬を使っていない=安心・安全」というイメージもどうやらつくられたもののようだ。
以前、神戸市の北で有機農業を営む西馬氏からこんな話を聞いたことがある。
img_healthymamasun.jpg
参考「神出オーガニックコテージ グランメール」
http://www.healthymamasun.co.jp/index.html [3]
「土ができてくると野菜が元気になって虫がつかなくなってくる。土づくりが一番大切なんだ。4~5年はかかるけどね」
日常、農薬を使って栽培していれば、農薬をやめたとたん虫にやられ尽くしてしまう…というのは容易に想像されることだ。ところが実際は、しっかり土さえいい状態にもっていければ、農薬を使わなくても虫の害はあまり無く、元気な野菜が収穫できる、ということのようなのだ。
いい土とは、土壌が窒素過多になるのを抑え、微生物との共生でいい循環ができあがっている状態だと考えられるが、そのような土壌だと植物も元気になり、害虫を跳ね除けることができるということなのだろうか?
そのメカニズムはどういうものなのだろうか?
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以前、徳島で自然農法を実践している沖津氏による講演会に行ったことがある。
http://www1.linkclub.or.jp/%7Eamal/ [4]
082008.jpg
そこでビデオを見せてもらったのだが、そのビデオの中の田畑は雑然としていて、それこそ稲も野菜も一緒に植わっていてびっくりしたことを憶えている(http://www.new-agriculture.net/bbs/bbs.php?i=200&c=400&m=35862 [5] http://www.new-agriculture.net/bbs/bbs.php?i=200&c=400&m=35863 [6])。
害虫にとっては、単一植物が密集して植えられているということは、エサの塊があるのに等しいわけで、「どうぞガンガン繁殖してください」と言われているようなものであろう。
だから、単一作物を一箇所に植えたりしてはダメで、“雑然といろんな植物を植える”というのが自然農法には必要な条件なのだろう…と漠然と考えていた。
ところが、無肥料栽培(有機農法の、その先の世界へ…)
http://www.h3.dion.ne.jp/~muhi/ [7]
ここに紹介されている農家の方々の後ろに映ってる畑を見ると、単一植物を広大な土地に植えている方が多いように見受けられる。どうも普通の農家と変わらない感じである。
先ほど紹介したグランメールの西馬氏の畑も、そう言えば普通の畑にしか見えなかった(畝毎に異なる作物を植えたりしているところはあったが、結構大きな面積に単一の作物も植えられていた所も多かったように記憶している)。
そんな繁殖にもってこいのエサの塊のような畑でも、やはり害虫は付かないのだろうか?
ここで前半に紹介した西馬氏の台詞「野菜が元気になって虫がつかなくなってくる」を思い出してほしい。
植物にはどうやら、動物の免疫機能に近いような、害虫や病原微生物を撃退する機構が存在しているようなのである。
植物細胞が病原菌による感染を受けたときに防御反応として生産されるファイトアレキシンが代表格であるが、
http://homepage.mac.com/morifumi/Words/phytoalexin.html [8]
それらいくつかの防御物質を総称して「フィトンチッド」といわれているらしい。
この「フィトンチッド」は森林浴の爽快感と関係する物質として知られている。
IMG_0317.jpg
フィトンチッド普及センターのWebサイト
http://www.phyton-cide.org/info.index.html [9]
どうやら、「元気な作物」は、この防御機構が正常に働くので、病原菌や害虫に侵されにくい、ということのようだ。
農薬を使わずに農産物を生産する上で、この「植物が本来持つ防御機構」を有効利用するにはどうするか…、植物が防御機構を正常に働かせることができる状態になるには、どういった条件が必要なのか…、というような追求が突破口になってきそうな感じがする。
病気が出たら殺菌剤、害虫が出たら殺虫剤、雑草が出たら除草剤、こういった対症療法が、環境を破壊し、農業従事者と消費者の肉体をとことん破壊してきたのが近代の歴史である。これに対抗し、より自然・環境に同化した対策を考えていくという道を開拓することは多くの人々の期待であろう。
「フィトンチッド」の追求は、そういった新しい道の手がかりになるかもしれない。このブログで、引き続きみんなで追求すべきテーマの一つかな、と思ったりする。

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