2013年4月20日
2013年04月20日
【シリーズ】生態系の循環を活かした持続可能な農業の実現に向けて(2)~何故、土作りが重要か?
美味しい野菜作り、安心安全な農作物の栽培において、もっとも大事なことは何ですか?という問いかけに対し、「土作り」と答える農業生産者は多いと思います。不耕起栽培の可能性を探るに当っては、そのもっとも重要と思われる土作りにどのような影響があるのかが、ポイントのひとつになってきます。
土は、私たち人間や動植物の足元を支える大地となり、農作物が作られる農地となります。しかしそれは、我々人類をはじめとした、地上に住むものからの一方向からの見方に過ぎません。生態系全体や物質循環という広い視点で捉えたときに、土がどんな役割を果たしているのか、それを明らかにしたうえで、土作りの重要性を考えていきたいと思います。
■土は物質循環のカナメ
地上では、動植物の死骸や排泄物は、有機物として土に戻っていきます。土に戻された有機物は、分解され植物の栄養源となります。植物は、これらの有機物由来の栄養分を土から吸収し、一方で空気中の炭酸ガスを光合成によってエネルギーに変えながら成長します。
この植物を草食動物が食べ⇒草食動物を肉食動物が食べ⇒それぞれの動植物の排泄物や遺体が土に戻るという物質循環のサイクルが、自然界で連綿と続いているのです。このような生命の流れや物質の循環に、土がまさに要(カナメ)としての役割を果たしているのです。
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投稿者 komayu : 2013年04月20日 Tweet