2009年12月28日

2009年12月28日

1章 あらゆる生命はエンジンである

「地球生態学」で暮らそう(槌田敦著)が面白い。
それは、各種『農法』評価をする上で有意義な構造認識に充ちているので、それらを順次紹介してみたいと思います。中見出しを読み継いでいくと概念が見えてくるような展開にできるのが理想ですが・・・。
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■生命も地球生態系も、一種のエンジンである。(はじめに)

 生命の維持に立ちはだかる第一の障害は、エントロピーの増大である。活動や変化があればエントロピーが必ず増大し、増大しきれば死を迎える。にもかかわらず、一定期間生命活動を続けられるのは、生命が一種のエンジンだからである。
 内燃機関としてのエンジンは、燃料と空気を取り入れて、燃焼し排気して動いている。動物も食物と水を摂取して、糞尿を出し呼吸して生きている。さらに、大気が循環することにより生命が吐き出した熱エントロピーを宇宙に捨てることで、地球上の生命を支える地球も、エンジンである。
 この過程で活躍するのが、生命の集合体としての生態系である。地上の生態系では、植物は土から栄養を得て育ち、動物に食べられ、その動植物の遺体が細菌や菌類に分解されて土に戻る、という循環過程において、物エントロピーは熱エントロピーとなって大気の循環系に渡され、宇宙に捨てられる。これが生態系のエンジンである。

 自然との対立概念でそれらの法則を捉えるのではなく、人間社会も含めた地球生態学として「まるごと識る」ことが生態系を豊かにし次代を拓くとする序文が刺激的です。「農法」を考える上で基本をなす概念に充ちている。そのキイワードは、『開放系内での物質循環』とみました。何気に使う「宇宙船地球号」という概念では覚束ない、ということです。
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投稿者 staff : 2009年12月28日