『農業と政治』シリーズ4:食文化支配という占領政策の下で衰退していく国内農業 |
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2022年01月06日
『食糧問題』シリーズ4:世界食糧危機を煽っている「国連」とは?その狙いは何なのか?
食糧問題シリーズ4回目の記事です。
前回から見てきた「恒常的世界的な食糧危機は来るのか?」という問題。実は、世界の食料供給量は、人口増加を上回って上昇しており、今後も食糧危機が起こる兆候がないこと。そして、にも関わらずその危機を煽っているのは「国連」であるということがわかってきました。
今回の記事では、「国連」とはなんなのか?食糧危機を煽っている狙いはなんなのか?を追求してみたいともいます。
1.国連とは、第二次大戦の戦勝国の連合→戦勝国とその背後の金貸しのための組織にすぎない
■国際連合の成り立ち
国連が作られたのは第二次大戦が終結した1945年。設立の中心になったのは、戦勝国の英国・米国・ソ連・中国・仏国です。日本、ドイツ、イタリアを中心にした「枢軸国」に対し、この戦勝国側を「連合国」と呼びました。連合国の中心となった5か国は、現在も、国連の中で常任理事国として位置づけられ、特別な権限を持っています。
日本語では、「連合国」「国際連合」と二通りの呼び方をしていますが、英語ではどちらも“the United Nations”と言い、つまりは、第二次大戦の戦勝国連合のことをそのまま、国際機関の名前にしたのです。
■常任理事国の「拒否権」
国連の機関の中で総会よりも上位にあり、重要な案件(紛争解決など)を扱う会議とされているのが、安全保障理事会。この会議は、常任理事国5か国+非常任理事国10か国で構成されますが、常任理事国の5か国は、現在でも、戦勝連合国の中心であった英国・米国・ソ連・中国・仏国です。常任理事国はこの会議にで拒否権を持ち、1か国でも反対票があれば決議されません。過去に、ロシアはシリア内戦の案件で何度も拒否権を発動、アメリカはイスラエルの内戦問題で何度も拒否権を発動するなど、自国の利益のために拒否権を発動しており、結局紛争を解決できていないという問題が指摘されています。
■国際連合は、ロックフェラー財団によって資金提供され設立された
国際連合の本部ビルの建つニューヨークの敷地は、ロックフェラー財団により無償提供されました。また、設立時の会議も、ロックフェラー財団の持ちビルの会議室で行われたと言います。
ジョン・D・ロックフェラーが国際政治に本格的に乗り出したのが、1920年設立の「国際連盟」ですが、各国の反対に合い、勢いを失い消滅しました。そのリベンジ版ともいえるのが、現在の「国際連合」なのです。
【参考】
書籍:国連の正体 著:藤井厳喜
以上から、国連という組織の体制が、戦勝国=常任理事国(米・仏・露・中・英)の都合の良いように設計されていることがお判りいただけたと思います。さらにその背後には、ロックフェラーなどの金貸し勢力があり、彼らの都合に合わせて動かされているということがわかります。
2.国連の狙いは何か?
■世界中に「飢餓」を作ってきた先進国と穀物メジャー・バイオメジャー
前々回の記事で見たように、アフリカを代表に、世界に貧困と飢餓を作っているのは、「緩やかな略奪の構造」です。この構造を作り出しているのは、大きくは以下3つ。
- 17世紀の大航海時代に植え付けられたモノカルチャー農業(本シリーズ2)
- 20世紀後半に行われた「緑の革命」によって、近代農法とそれに必要な化学肥料・農薬・種苗を後進国へ持ち込むことで伝統的な農法を破壊(金貸しは国家を相手に金を貸す|シリーズ「食糧危機は来るのか?」2~食料危機と市場経済は両刃の剣)
- 先進諸国が自国の農産物に輸出補助金を出し、各安の農産物を後進諸国に輸出することで、後進諸国の農業を経営的に壊滅させる(金貸しは国家を相手に金を貸す|シリーズ「食糧危機は来るのか?」3~輸出補助金というカラクリ)
これらにより、貧困国では、歴史上何層にも自国の食料自給能力を破壊され、それに代わって先進諸国が食料を供給し、支配する構造が出来上がっているのです。
そして、ここで農業資材や種苗を供給したり、国の輸出補助金を受けて食料を輸出供給しているのは、先進諸国の穀物メジャーや巨大種苗会社(バイオメジャー)です。さらに、これらのメジャー企業の背後(出資者)にも、もちろん金貸し勢力があるのです。
【参考】
穀物市場に見るロックフェラーvsロスチャイルドの戦い-るいネット
アメリカの巨大農業企業|Chikahiro Hanamura|note
■食料危機を煽る理由
以上の構造から、なぜ国連(=金貸し勢力)が食糧危機を煽るのかを考察してみます。
考えられるのは2つ。
- 先進国の食料を増産し、世界中への輸出を国が補助することの正当化
- 後進諸国に、近代農法を持ち込む口実(緑の革命)
世界の食糧が飽和状態ということになってしまうと、これ以上農業技術を向上させて食料生産量を増やすことができなくなります。
また国連は、食糧危機問題と飢餓問題を混同して論じていますが、“後進諸国にはまだまだ食料が不足しており、食料や技術を供給しなくてはいけない“という論調を流布させています。そのためには、やはり食糧供給は危機的状況ということにしておかなくてはいけないのです。
国連の関連機関には、世界でおこる飢餓を解決するための国連食糧農業機関(FAO)、国際農業開発基金(IMF)、国連児童基金(UNISEF)などがありますが、これらも自作自演に見えてきます。片手で飢餓を作り出し、食糧危機を煽って、もう一方の手でその解決と称して様々な活動をしているが、その実は、戦勝国や金貸し勢力による支配構造をつくりだすための仕組みなのです。
ちょっと農の話題からそれてしまいましたが、こういった支配構造の中で、日本は紛れもない敗戦国であり、支配を受ける側にいるということは重要なポイントです。
この中で、われわれはどういった農の在り方を志向していけばよいのか、引き続き追求してみたいと思います。
投稿者 o-yasu : 2022年01月06日 TweetList
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