新しい農への途-農水省のムダは“事業仕分け”程度で何とかなる問題なのか |
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2009年11月30日
新しい「農」への途-これからの日本の農業どうする?
前回、『農水省のムダは“事業仕分け”程度で何とかなるのか』では、民主党の事業仕分けの流れから、今年度の補助事業を取上げて、具体的な政策をみていきました
そこで明らかになったのは・・・
民主党の裏の意図は、これまでの自民党の農協系や土建系などの族議員たちの集票基盤を、予算というカンフル剤を干す事によって、徹底的に破壊すること。農水省の予算も「事業仕分け」も、民主党と自民党の政争の道具であって、これから農業を振興していくために必要な戦略や方針を考える…というところには到底至っていないと感じられる。
コレは、官僚制の弊害の最たるものであり、利権確保・拡大策の続行であり、日本の農業・食を考えていく上で、本当に必要な方針が存在していないのです このままでは、日本の農業も後継者が出てこず、衰退する一方でしょう
それでは、日本の農業を再生するにはどうする?
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これからの日本の農業について考えていく為の、国としての目標は、日本の自給率向上です。
これからの農業を再生させる為の案は全て、自給率向上(≒日本の自立)の為の、風土に見合った食の再生であり、農業活性化であり、需要供給バランスシステムの確立です。では、この目標を達成するために具体的にはどうしたらよいのでしょう?
1.洋食から和食の転換
食の洋食化については、これまでこのブログでも扱われてきたように、アメリカの余剰作物の販路拡大戦略が戦後の日本で行われてきました。そうして乳製品や肉類、小麦などの消費量が上がりました。日本の風土に合わず、諸外国と対抗できず採算が合わないため、大部分を輸入しているのが現状です。
この状況を脱するために、洋食から和食に転換する必要があります。現在、日本の農家は零細で兼業の米農家が大部分を占めています。以下参照。
「農業就業人口の割合は27%から4%へ。この結果、現在では不思議なことに農業就業人口が農家戸数を下回っている。これは主として農業に従事する農業就業者のいない農家、すなわち、兼業農家が増加しているためだ。今や65歳未満の男子のいる農家は全農家の9.5%に過ぎない。
農家の9割が週末にしか農業をやらないサラリーマンや退職後の余生で農業をやっている高齢者なのだ。これが日本の農業の担い手の現状である。」(リンク)
この非効率な農業によって高くなっている米価格を市場価格に見合うまで下げれば、米の需要も増えやすくなるでしょう。もちろん、ただでさえ下がってきている米価を更に安くしたら、現在の農家は生きていけなくなります。そこで所得保障は必要です。しかし、ただ所得保障をし続けたのでは、またこれまでの農政の補助金バラマキと同じ道を歩み、兼業化・高齢化で衰退した農業は改善しません。
そこで、所得保障をする際、期限付きで徐々に下がっていくシステムにして、兼業農家から徐々に脱することを促し、最終的には優良な農家への支援を全面的に行っていくべきだと考えます。
所得保障の一例として、提案したい面白いシステムがあります。
それは『フードスタンプ』と呼ばれる食糧購入補助クーポンです(リンク)。アメリカで発行されていたものですが、このフードスタンプで購入できる物を、国産の米や野菜・卵に指定する。そうすることで、国産作物のひとつの流通システムが出来上がります。
一方、風土に合った食を推進していくのに、可能性のありそうなシステムもあります。
『国産ポイント制度』
スーパーで国産の肉や野菜を買うと、レストランで国産食材の比率が高い食事を選んだときなどにポイントがもらえる仕組みです。 ポイントに応じて地元産の農産物と交換できたり、農家民宿の利用料金割引き、あるいは農村への寄付ということが検討されています。
こうした、国産の作物が人々の生活に還元するよう流通するシステムを考え、作っていくこと。それが具体策としては必要になってきています。
2.地方のネットワークの再生
もう一つの課題として、生産者の基盤を整える必要があります。先に述べたように、零細かつ兼業の農家が大部分を占めている現状をどう突破していくかという問題です。
では、現在の農業はどのような問題があるかというと・・・
●優良な土地が手に入らない(面積が集約して取れない、荒廃している)
●農機具を揃えるのに、大金がかかる
●技術が継承されていかない
●販路どーする?
●協働者がいない etc…
これら複数の問題を個々人で解決するのは不可能です。今後、これらを乗り越え、優良な農業の後継者を育てていく為に、地方のネットワークを再生していくことが必要となっているのです。
たとえば、求められているのは地方自治体が情報の一元化を担うこと!
土地の所有者情報(関係づくり・所得水準・後継者の有無etc)
後継者情報(各種地域団体、企業情報の整理・新規就農者情報etc)
地方で情報が一元化されてこそ、地方自治体で新規誘導者の関係作り、優良農家同士の関係作りなどが実現していけます。そうした協働関係を地域でつくり、機具の借用・技術開発と教育etcその場で行っていく。それは、その場に生きる協働者がいれば実現していけるのではないでしょうか。
また、このようなことを実現する為にも、土地の流動化を促すことが必要不可欠になってきます。土地が資本の農業で、必要に見合った対策を打つために、現在の農地をまずは半強制という形にしてでも買取り、一元化するのが地方ということも大きな集団の役目となってくるでしょう。
類グループ・自主管理への招待より以下引用します。
<誰もが組織を管理する事>つまり常に組織の立場で問題を考える事であって、単に個人の立場で考える事ではなく、まして自分の好き勝手にやる事ではない。類設計室という一つの生産体を、誰か他人のものではなく自分のものとして捉える事ができるかどうか、それは会議をはじめ様々の類的な活動を、強制されたものではなく目的的な活動として獲得してゆくか否かに、かかっている。さらにそれは、最終的には自己の近代意識からの認識の転換にかかっているのである。狭い私益と職能の檻に留るか、自らの意識を解き放ち、全力を傾けて『類』の地平を獲得してゆくか、それを選択するのは、一生をかけた君自身の判断である
農業だけしていても、現在バラバラの地方をまとめ直して、食と農業の再生をしていくことはできません。既存の枠を超えて、これからの社会を作っていくためのネットワーク作りが欠かせません。そして、ひとりひとりが、生きている集団を自分のものとして捉え、どうやってその集団で生きていくか、考えていくのはとてもワクワクすることではないでしょうか 😀
投稿者 staff : 2009年11月30日 TweetList
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コメント
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