農から考える自然の摂理~「土の仕組みを探る」:これからの農業を考える羅針盤として |
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2021年12月07日
『世界の農と食』シリーズ:イントロ~世界の農は近代的な大規模農業から、どう構造転換していくか?~
今回のシリーズでは、農業の課題を、日本の外の世界に視点を向けて追求していきたいと思います。
世界の農業を見てみると、「先進国ほど食料自給率が高く、途上国ほど食料自給率が低い」という逆転現象が起こっています。これは、近代農業によって大量生産し、市場にどんどん流し込んで、市場拡大に突き進んだからです。農業技術を持っている大国は、海外に輸出するほどまでに生産力を拡大してきました。
その結果、途上国は、技術的に後れを取り続けてきました。挙句の果てには、先進国から技術を売りつけられ、支配される構造が長らく続いてきました。
しかし、下の図を見てみると、もしかしたら、その構造も少しずつ変わってきているのかもしれません。2003年と2013年の10年間を比較してみても、自給率が変化してきているようにも見えます。さらに、ここ10年のデータは残念ながらありませんが、さらに転換してきているでしょう。
そこで今回のシリーズでは、各国の農業の現実を押さえ、最先端の動きはどのような状況になっているのかを見ていきたいと思います。これまでの大量生産型の近代農業が発展しているのか、あるいは、そこから新しい可能性へと転換しつつあるのかを追求していきます。
その世界の動向を押さえ、日本の農業はどうしていく必要があるのか?このままでよいのか、あるいは、転換が求められるのか。新しい日本の農の姿を大胆に予測していくようなシリーズにしていきたいと思います。
■シリーズ1 : 海外と日本について
まずは、世界の各国家の農の実態はどうなっているのか、基本的なところから押さえてみてみたいと思います。また、世界から見た日本の位置づけについて整理してみたいと思います。
■シリーズ2・3 : 大規模農業国家について
農業の大規模化をけん引してきたアメリカの農業が、今、どうなっているか?を見ていきたいと思います。マスコミでもよく報道されている、遺伝子組み換え作物やTPPを受けて、アメリカ・世界の農業がどう変わっていこうとしているのでしょうか。
また、近年、生産力をどんどん上げてきていると言われている中国の農業。世界トップクラスに躍り出ている中国の生産力は、どのようなものなのでしょうか?
■シリーズ4・5 : ヨーロッパの農業国家について
次に、ヨーロッパの農業について、その代表国であるフランスやオランダを見ていきます。ヨーロッパでは、新しい技術開発や、都市を農園化していく農業の最先端(アクアポニックス)なども注目されています。
これまでの大量生産とは一線を画す、自然循環型を希求しているようにも見え、この農業の新潮流を押さえます。
■シリーズ6~8 : 自主自立をめざす国家について
そして、国家の強い決意をもって農業の生産基盤をつくってきた国について見ていきます。代表国としては、ソ連の苦しい時代から食糧基盤を築いてきたロシアや、自主自立で突き抜けてきたキューバなどでしょうか。
脱・支配⇒自給自足を実現してきている新しい動きをしている国家などを見ていきたいと思います。
■シリーズ9 : これからの日本の農業どうする?
このような、世界の最先端の動向を見た上で、世界から見た日本の現状の課題・可能性を整理します。その上で、これからの日本の農業をどうしていくべきか?特に、農業施策や農協に代わる新しい組織が必要か、そのためには、どうしていくべきか?について追求していきます。
それでは、来週からシリーズを本格スタートしていきますので、お楽しみに!
投稿者 hasi-hir : 2021年12月07日 TweetList
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