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2019年10月17日

土の探求6~第五の革命は、志ある農民たちの追求から始まる

土壌の健康を中心に据えた、新たな農業革命。

それは支配層(国家・学識者)発ではなく、志ある農民たち自身の、日々の追求から始まる。

現場から発せられる可能性・熱量が、革命を推進する原動力になる。

 

以下、転載(土・牛・微生物 著:デイビット・モントゴメリー)

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土壌の健康を中心にした農業革命とはどのようなものか理解しようと、私はいくつかの大陸を渡り歩き、自分の土地に生命を復活させている農民のもとを訪れる旅に出た。私が突き止めたことは、現代農業の中核をなす神話を打ち砕き、我々をもっとも悩ませている問題のあるものの解決に役立つ単純で効果的な方法を示していた。一つ一つを見ると、これらの事例は、農業のやり方を変えれば慣行農業も有機農業も持続可能な事業にできることを物語っていた。
様々な地域の農民が、土を回復させる理由を私に話すと、物語は一つになりだした。侵食を止めることはたいてい挙がっていた。水、石油、化学肥料、農薬の消費量を減らして金を節約することは常にあった。目的が一致していることは、古代社会を破滅させた土地荒廃のサイクルを抜け出す上で好都合だ。

私が出会った農民のすべてが同じやり方をしていたわけではない。そんなことがあろうはずもない。彼らはさまざまな地域でさまざまな作物を、さまざまな土壌とさまざまな気候の下で栽培しているのだ。
ある者は家畜を農場経営に組み入れていた。またある者は被覆作物を選んだ。最先端のトラクターの運転席に収まって、地平線まで続く畑で耕作している者もいた。またある者は家族を養うために、熱帯の小さな農地から手作業で何とか生計を立てていた。
その条件と方法がどれほど多様でも、彼らはすべて、農業を、自然と対立するものではなく、自然と「共に」働くものとして見ていた。彼らがみな、共通の原則に従って操業していることに気づいたとき、新しい農業革命の基礎はすでに築かれていることを私は知った。
この旅は、よくある論争~有機農業対遺伝子組み換え作物、慣行農家対環境保護活動家、ウシ対地球環境~に対する自分の見方に疑問を投げかけた。農法を少しばかり変えれば、慣行農家であれ有機農家であれ、あらゆるタイプの農家にプラスになるという新たな認識を私は得た。

私にとっておそらく最も印象深かったのは、この動きが政府、大学、環境団体ではなく個々の農家に刺激されて、下から上へと拡大したことだ。当然のことだが、農家は、うまくいった、あるいはうまくいかなかったという経験を分かち合った。そして詮索好きな近隣の住人は、馬鹿な隣人が変わったことをやろうとしているのに~そして自分たちより収穫を上げ、何年も続けて収入を増やすのに~気づく。やがて私は悟った。これこそまさに、我々が今度こそ土地の疲弊と社会の衰退という昔からのサイクルを、本当に断ち切れるかもしれない理由なのだ。主要な長期的資産、つまり土地の肥沃度に再投資する再生可能な農法を採用することは、個々の農家にとって経済的に理にかなうようになり始めているのだ。

私が訪問した農民からはっきりと伝わってきた唯一のメッセージは、土地の生産力の回復は、すぐにできて儲けにつながるということだった。しかしそのためには、今までと違うやり方でやること、慣行農法を捨て、健康な土作りは農家にできる最高の投資だという考えに賭けなければならないということだ。何よりそれは、規制による抑制と、懐疑的な企業や大学の農業コンサルタントに逆らって、新しいことに挑戦する勇気を必要とするようだ。こうした農家は変化を勧められたわけではなかった。根本的に新しい形の農業を行う必要があると、自分で判断したのだ。

私にとって最も印象的だったのは、これまでと違う考え方をすることの力~と可能性~を知る人たちが、新しい動きの原動力となっていたことだ。なるほど、現在進行中の遺伝子工学、精密農業、微生物生態学の進歩は、それぞれに違った形の取り組みを提示し、それぞれに固有の長所と落とし穴がある。しかし私は、次の農業革命の基礎は、土をどのように考えるかに立脚するだろうと思っている。それが他のすべて~特に知識と技術をいかに意のままに使うか~を左右するからだ。

土壌の劣化と有機物の喪失は、現在人類が直面する環境危機の中でも最も過小評価されているものだ。しかしゼロからの根本的な変化の準備は整っている。農家の短期的な利益は、長期的な土壌肥沃度の保全とますます同調するようになっているからだ。
…革命はまだ道半ばだ。あらゆる革命がそうであるように、それは強大な既得権益と因習的な思考からの抵抗に遭っている。それでも革命が成功すれば、人類の最も差し迫った問題を解決するだろう。この宇宙にぽつりと浮かんだ岩の上で、我々すべてをどうやって食べさせるかという問題を。

投稿者 noublog : 2019年10月17日 List   

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