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2012年01月10日

農が育む教育シリーズ6「学校づくりに必要なことってなんだろう?」

農が育む教育シリーズでは「愛農学園高校」「大地の学校」「学校法人きのくに子どもの村」など、可能性がある学校の事例をご紹介してきました
では、「学校」って実際どうやったら作れるのでしょうか?学校を作るためにはどんな制度や法律があるのでしょうか?また、学校を設立するまでには実際どんな壁があるのでしょうか:roll:?今回は学校の作り方を追求してみようと思います。
                  
                
          画像はこちらからお借りしました
 
1、学校(法人)をつくるのはなんで?
まず、私たちは全寮制の農業学校を作ることを目指しています。
現在の日本の学校は「教師中心主義(管理主義)「画一主義」「書物中心主義」の教育体制が貫かれており、また、現在の学校教育の現場では子供たちの精神崩壊や教師の無能化等の問題が顕在化しています。このままの教育体制では子供たちの将来が危ぶまれる可能性があるため、学校の在り方自体を変えるべく、農業を取り入れた新しい学校作りへと着手していくのです。
ところで、学校づくりに際して、なんで私たちは学校作りを追及しているのでしょうか?塾ではダメなのでしょうか?学校法人をつくることによって以下のようなメリットが考えられます
③法人化することにより、知名度も上がり、地域からの信頼性も得ることが可能である。
④法人化することにより、行政の支援が受けられる。
⑤学校法人化すると、納税義務がなくなる。消費税、固定資産税、不動産取得税なども免除されるなど。

これらの点を踏まえたうえで学校のつくり方を追及してみましょう
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2、学校を作ろう!行政手続き編★

では、学校作りの手続きをご紹介していきます上記の図解を参考にしてみて下さいね:D
①学校を作るために必要な手続きはなに?
個人は、学校法人を作らないかぎり学校をつくることができないため(学校教育法第2条)、まずは、学校法人を作る認可を所轄庁から得ることが必要となります。
※所轄庁…文部科学大臣及び都道府県庁のこと。作る学校の種類によって、認可を受ける所轄庁は異なっており、大学、高等専門学校は文部科学大臣の認可。幼稚園、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、専修学校、各種学校は都道府県知事の認可を得なければならない。
②認可ってどうすればもらえるの?
認可を得るには「寄附行為」という書類を作成し、所轄庁に提出しなければいけません。「寄附行為」とは、学校法人を設立する目的や、設立する私立学校の名称、事務所の所在地、理事会の規定などを記載した書類の事です。詳しい内容はこちらをご覧下さい。
③なんで提出する書類を「寄附行為」と呼ぶの?
書類なのになんで「寄附行為」と呼ぶのか?それは、学校法人ができるまでは、財団法人が使われていたからなんです!財団法人とは、寄付によって設立され、その寄付を運用して得た利益で公益事業を行う法人です。そのため、財団法人の性質を継ぐ学校法人では、設立の際に作る一番重要な文書(企業でいう定款)のことを「寄附行為」と呼ぶのです。寄付行為そのものではありません。
そこで、財団法人の基本性質を継ぐ学校法人を作る際に重要となるのが、その学校法人を構成しているのは、寄附された財産ということです。財産はお金に限らず、土地や建物でも良いのです。学校を作るには、校舎や教具が必要となるため、それらを寄附してもらうか、それらの購入に必要なお金を寄附で集めることから始めなくてはなりません。
④所轄庁の認可基準はなに?
所轄庁は、学校法人設立の申請があった場合には、当該学校法人が設置する私立学校に必要な施設及び設備又はこれらに要する資金並びにその経営に必要な財産を有しているかどうか、寄附行為の内容が法令の規定に違反していないかどうか等を審査した上で認可を決定することになります。また、規定により寄附行為の認可をする場合には、所轄庁はあらかじめ、私立学校審議会等の意見を聴かなければなりません。
また、法人設立とは別に、学校設立の認可も必要となってきます。
3、学校を作ろう!実践編~きのくに子供の村事例~★
さて、これまでは、学校を作る際に必要な法的手続きのお話をしてきました。次は、実際、学校を作るまでにはどのような壁があるのでしょうか?前回紹介した、「学校法人きのくに子どもの村学園」の学校作りまでの道のりを事例にあげていきたいと思います:D
①学校設立は地域との関係作りから
きのくにの創立者である堀真一郎さんは1984~1988年の4年間に「新しい学校をつくる会」を設立し、自然体験合宿を行う「山の家」を開校。その後、宿舎の「村の家」を完成させています。
この時点ではまだ本格的な学校づくりは始まっていないように思えますが、「山の家」設立後、地元の方が廃校を探してきてくれたそうです。以下、堀真一郎著「きのくに子どもの村」より引用します。
廃校払い下げの話
同じ橋本市内にもうすぐ休校になる小学校の話を主の木下さんから聞いた。木下さんは市議会議員を務め、私たちの合宿のために旧宅を改修してから貸して下さった人だ。さっそく、彦谷区の区長の岡室猛彦さんにお会いした。校舎と敷地を橋本市から譲り受けて、新しいタイプの学校をつくりたいという趣旨を説明すると、すぐに賛同していただいた。(中略)もっとも、この話はうまくいかなかった。校区の集会が開かれて、市長宛てに陳情書が出されたけれども、様々な事情が重なって難航したのである。2年後には、請願まで行ったが、これも纏まらず、結局私たちは自己所有の土地を探す案へと方向転換を余儀なくされたのである。

木下さんとの繋がりが予め無ければ、休校する小学校の話を知ることは難しかったことでしょう。学校作りはまず何よりも地元の人たちとの人間関係の形成が大事だということが分かります。
また、堀さんたちは3年の月日をかけて請願まで行っているにも関わらず、校地を譲り受けることができませんでした。その理由は、計画の母体である「新しい学校をつくる会」の実績と信用性の無さや、行政及び地域住民と「つくる会」との間で互いに理解が足りなかった等の要因がありました。
 
多くの人の力でできた学校
この学園の発足までには、ずいぶん多くの人から助けていただいた。資金を寄せて下さったのも、個人が1300名、法人も約50社に。ボーナスの出るたびに送金してくださった人、退職金から数百万をさいてくださった方、お年玉を送ってくれた小学生もある。現金ではなくて物品で助けてくださった方もある。

設立費用に協力者、学校設立までには多くの支援が必要なのですね。
きのくには、ミキハウスから支援をしてもらっていますが、このミキハウスの社長からの支援がもらえるまでは関西の主な企業七十社に支援のお願いをしに回ったそうです。また、きのくに小学校子どもの村学園が設立までの約7年半という月日にはたくさんの地元住民の協力があったでしょう。
「山の家」の土地を貸してくれた木下さんに始まり、廃校のある土地の区長や、農林水産課や農業委員の方々。小学校の払い下げの話が何度も頓挫(とんざ)するのをみかねて、土地を譲ってくれたのも地元の方だというのですから。
 
4.学校づくりの突破口は?
いままでの事を踏まえたうえで学校作りに重要なことを振り返ってみましょう
地域からの信頼を得られれば行政は動く!
社会の統合原理が共認原理へと転換している今、地域住民からの声は行政にとって絶対であり、地域住民からの協力があれば、行政を動かすことは可能です。また、原発事故以降、とくに国民たちから官僚たちへの信頼が無くなっている今、行政が地域住民の期待に応えようとする意識は強まっています。
地域住民から信頼を得るためには?
では、何故、きのくに子どもの村学園は地域の人たちから信頼を得ることが出来たのでしょうか?以下、ポイント毎にまとめてみました
●農を基盤とした新しい学校づくり
きのくには、農を基盤にした授業や宿舎での生活という、従来の学校には無かったものを取り入れる新しい学校作りを行った。それは、学校教育の現状を変える可能性を秘めており、社会や地域からのからの期待も厚かった。
●地域との信頼関係づくり
体験事業や私塾などの小規模なことから始め、地道だけれども、地域の活動に積極的に参加していけば、住民からの信頼を得ることが出来る。
●地域活性化
学校を設立したところは、若者や子供のほとんどいない過疎の村だった。そのため、村の人みんなが「村を守りたい」「若い人たちに来てほしい」と願っており、学校設立を心から願っていた。
また、学校の生活や授業内容は、地域の人たちを巻き込んだもので、子供たちと関われることによって地域住民を元気にさせ、地域活性化にも繋がっている。

つまり、学校作りの突破口は地域住民との共認形成が最も重要なのであり、共認形成さえされていれば、行政から法人化の認可をもらうのはそれほど難しくはないのです。

投稿者 keitaro : 2012年01月10日 List   

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