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2011年05月06日
3-①原発事故から今後の食を考える~ヨウ素131はどのような物質か。~
前回の記事(放射線の基礎)では、放射線核種によって影響力の違いがあることが分かりました。今回からは各放射性物質の特性に迫ってみます。
今回の福島原発のウランの核分裂によって、様々な物質が生成されますが、主には以下の物質が挙げられます。これらが放出されていることが問題になっています。
↓クリックすると拡大します
※画像はウィキペディア参照
この中でよくメディアでヨウ素131、ストロンチウム90、セシウム137が、危険性が高いと取り上げられるのですが、それはなぜでしょう?
◆ヨウ素131、ストロンチウム90、セシウム137が注目される理由は?
これらが注目される理由の一つは、「内部被爆」の危険があるためです。
人体に必要な元素と性質が似ているため、体内に残りやすく、内部被爆の被害が大きいのです。
たとえば、ヨウ素131は・・・
ヨウ素は、のどにある甲状腺でほるもんをつくるのに必要だ。放射性のヨウ素であっても、体内では放射性でない要素と同じように使われる。そのため、放射性ヨウ素は甲状腺に集まり、甲状腺が集中的に被爆することになる。
放射性ヨウ素の蓄積量は、ふだん摂取しているヨウ素の量によって分かる。放射性でないヨウ素が体内にあれば、放射性要素が取り込まれにくいのだ。そのため、放射性でないヨウ素の薬剤をあらかじめ取りこんでおき、放射性ヨウ素の蓄積を防ぐことができる。
一方、放射性セシウムは、筋肉や内臓など、全身に広がる。セシウム137は放射線を出して崩壊し、基の半分に減るまでに焼く30年かかるが、長くとも約3か月で体内にある半分の量が体外へ排出される。
図・文章はNewton6月号より
では危険だと取り上げられるヨウ素131、ストロンチウム90、セシウム137が
どのような性質を持っているのか?
どのような対処が出来るのか?
気になりますよね
今回はヨウ素の放射性同位体であるヨウ素131について、追求していきます!
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1.ヨウ素131の形成過程と崩壊系列
◆ヨウ素131の形成過程
ヨウ素131は核分裂によって生成されます
235U + n → 236U ① (中性子捕獲)
236U → 131Sn + 102Mo + 3n ② (核分裂)
131Sn → 131Sb → 131Te → 131I → 131Xe (安定) ③ (β壊変)
102Mo → 102Tc → 102Ru (安定) ④(β壊変)
※ヨウ素131は反応③の中間生成物。
※nは中性子/Uはウラン/Snはスズ/Moはモリブデン/Sbはアンチモン/Teはテルル
Xeはキセノン/Tcはテクネチウム/Ruはルテニウム
元素の周期表を見てみると、周期番号5の行で、スズ→アンチモン→テルル→ヨウ素→キセノンと、安定に向かっているのが分かります
画像参照先:リンク
◆ヨウ素131の崩壊系列
上記から見ても分かるように、放射性同位体のヨウ素131は、安定へと絶えず変化しています。具体的には、ヨウ素131は、ベータ線を出して変化(=ベータ崩壊)し、キセノン131へ推移します。
第一段階はベータ崩壊によって準安定状態のキセノン131mに変化し、これが直ちにガンマ崩壊を起こして安定状態のキセノン131となります。
放射線の量はヨウ素の量に比例し、時間とともに少なくなります。ヨウ素がキセノンに変わってヨウ素の量が減るからです。8日たつと最初のヨウ素の量が2分の1になるとともに、放射線の量も2分の1になります。さらに8日たつと、その2分の1、すなわち最初の量の4分の1になります。この半分になる時間、すなわち8日を半減期といいます。半減期ごとに量が2分の1になるので、長時間たつと量は2分の1ずつ少なくなり、限りなくゼロに近づきます。
画像参照先:リンク
2.ヨウ素131の特性
ヨウ素は、体内で甲状腺ホルモンを合成するのに必要なため、人にとって必須元素で、人体に摂取、吸収されると、ヨウ素は血液中から甲状腺に集まり、蓄積されます。
放射性同位体であるヨウ素131も甲状腺に集まりやすいという性質は同様で 、甲状腺は機能維持のためにヨウ素を必要としているので、ヨウ素131は吸収されると血液に乗って30%程度が甲状腺に蓄積されます。ヨウ素131は、短い時間に多くの放射線を放出するので、甲状腺が被爆するダメージは大きいと考えられています。
ヨウ素は環境によって大気中や水中で急速に拡散し、消化管吸収率も100%と一見ものすごく危ない数値のように聞こえますが、半減期が8日と短く、1ヶ月で約1/10、3ヶ月すれば1/1000以下の量になるため、数ヶ月で完全に崩壊することになります。
このことを踏まえると、大人(中学生以上)はヨウ素131の総口摂取量は1,000,000Bq/年程度であれば問題ないと言われていますが、小児(小学生以下)に関しては、いまだにはっきりとは数値が出ていません。(今の段階では10,000Bq/年程度であればあまり大きな問題はないとされています。)
8日間の半減期である放射性ヨウ素は、時間を置けば、問題はなくなりますが、現在検出され続けているということは、放出され続けているということです。今後まだ注意は必要であることを、私たちが知っておく必要があります。
3.現在出来る対処
放射性でないヨウ素(海藻類・ヨウ素剤)の適切な摂取により、あらかじめ甲状腺をヨウ素で飽和させる防護策です。
それは、これまでの日本食を見直すことに他なりません。
放射能汚染から身を守る為の知恵~塩、味噌が身を守る!
ヨウ素の量は、とろろ昆布をはじめとする以下の物質に多く含まれています。
代表的な食品中のヨウ素含有量
これらを摂取していくような、バランスのよい食事が、一番の対策になりそうです
また現在では、水道水から放射性物質を除去する浄水器も出てきています。
ECOA(逆浸透膜ろ過を用いた純水造水装置)の放射性物質除去能力について
食べ物が身体を作っている=口にするものが一番の対策に繋がっていきます
セシウムやストロンチウムなどの他の物質についても、これは同様かもしれません。
次回は、セシウムについて扱います 😀
投稿者 megu3 : 2011年05月06日 TweetList
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コメント
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