図で見る 世界の穀物事情 世界は食料危機を克服できるのか? Food Crisis Map 08(2) |
メイン
2008年11月06日
日本の食料自給率を上げるには?② 自給率の数字が怪しすぎる!
こんにちは、鈴木です 😛
全然やってなかったので、ものすごく間が空いてしまってすみません 😥
これからは、ぼちぼち進めていきます
密かに期待してた人、してなかった人も↓
応援よろしくお願いします
日本の食料自給率は40%、というのは良く聞く話かもしれませんが、それって、誰が、どんな根拠で言出だしたのか、知っていますか?
政府が、カロリーベースの食料自給率の計算式から算出した値です。
じゃあ、なんでカロリーベースなの?
式に使われている1日1人当たりの必要熱量が高めなのは、なんで?
など、疑問や懐疑を持っている人は少なからずいると思います。 🙁
「行政詐術としての食料自給率」 政策空間から全文引用↓
佐竹茂(衆議院議員鎌田さゆり事務所政策担当秘書)
『地球の水が危ない』(高橋裕著、岩波新書)という極めて真面目な本がある。仮説も含め参考となる内容であり、一読を薦めたい。しかし、末梢部分にやや気になることがある。
水の問題は食糧問題でもあり、食糧及び木材輸入は「水の輸入」でもある、という論理は至極妥当なものである。いわゆる「間接水」「仮想水」である。水の国際化、地球の運命共同体化という認識もまた妥当である。問題は以下のくだりである。
「日本の食糧(ママ)自給率は、食用と飼料用を合わせた穀物で2000年現在、約28%にすぎない。・・・全食糧を供給熱量自給率で計算すると、その自給率は70年には60%であったが、現在40%にまで低くなった。ちなみに欧米主要先進国の自給率は、・・・イタリアの87%を除き、いずれの国も100%である。・・・確たる長期計画を立てて、その向上に努力すべきである」(同書P107-108)
食料自給率に関しての常識はこんなところかもしれない。行政がいつもこの数字を持ち出し危機感(責任感ではない)を煽り、予算獲得に動くのは知られたことである。そこで、農水省自身が公表している「総合食料自給率」(平成13年食料需給表、農水省総合食料局15年3月)について引用してみる。全て平成13年の数字である。 「人口1億人以上国の穀物自給率(平成10年) 中国94%、インド100%、米国138%、インドネシア91%、ブラジル85%、パキスタン104%、ナイジェリア94%、バングラディッシュ89%、ロシア93%」
日本人は「国際比較好き」だが、自給率という数字が無意味の一例である。また、日本以外で、食料自給率を政策に取り入れている国はない。各国の自給率は農水省の試算にすぎない。 「穀物自給率28%、主食用穀物自給率60%、 供給熱量総合食料自給率40%、金額ベース総合食料自給率70%、飼料自給率25%」
なぜ、供給熱量(カロリー)ベースであり、なぜ金額ベースでないのか誰も説明しない。なぜ、主食用穀物でなく「飼料用+主食用+原料用」穀物なのかの説明もない。いずれにせよ、60%や70%は「忘れられた」数字なのである。
もう一つ隠された作為が「供給熱量総合食料自給率」にはある。
その計算に際して、輸入原料で生産された油脂・でんぷんは輸入品として、輸入飼料で育った家畜もまた輸入品として扱われるのである。
「金額ベース総合食料自給率」でも国内生産金額から飼料・原料輸入金額は控除される。農水式経済学の奥深さは計り知れない。付加価値=自給量なのだろうか?
そもそも、とうもろこし(飼料、原料用)の輸入量だけでも、国内産穀物量(米、麦等)より多いときに、抽象化は詐欺化に等しいのであり、穀物では、飼料、原料、主食用の自給率を誠実に重量及び金額で表せばよいのである。また食料では、穀物、野菜、肉類、加工品の品目別自給率を示せば十分である。大騒ぎの果てに、政策の実際が「飼料用作物生産の奨励」という程度では、「日本農業再生」論が泣き出すであろう。
国民の実感がないため、相手にもされないからよいが、中身を知らされず「一人歩き」させるのも、行政の術かもしれない。しかし、識者はそれを敢えて喧伝すべきではない。
巷で聞く自給率の数字の胡散臭さ感じてきましたか?
更に、もう1つ これは、書こうと思っていた内容でしたが、分かり易かったので農業2.0から全文引用させてもらいました。↓
「問題はコメの消費量なのか!?(「サイレント・ツナミ」が押し寄せてきた⑤)」
「減反しないで済む、若い人コメ食べて」首相、消費拡大訴え
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/149785
首相は「減反しないで済むようになれば、(食料)自給率は自動的に上がる。まずはそれをやりましょうよ」とも強調。減反見直しだけでは、価格が下がるおそれもあるため、まずは消費拡大が優先との考え方を示したとみられる。
どうも納得いかないのは、コメの消費量と食糧自給率はあまり関係ないことです。以下、平成18年度、カロリーベースの食糧自給率が39%のときにおける、品目別の自給率です。比較材料として、昭和40年度の数字もお出しします。
■平成18年度(自給率:39%)
果実:35%
大豆:25%
野菜:76%
魚介類:59%
砂糖類:32%
小麦:13%
油脂類:4%
畜産物:16%
コメ:94%
■昭和40年度(自給率:73%)
果実:86%
大豆:41%
野菜:100%
魚介類:110%
砂糖類:31%
小麦:28%
油脂類:33%
畜産物:47%
コメ:100%
減反政策の見直しや消費量が増えたところで、他の品目の数字を改善しない限り、カロリーベースの食糧自給率は一向に上がらない訳ですよ。唯一、考えられ得るのは消費が増えた場合、コメの自給率が100%を超えて、大豆や小麦の輸入過多を数字上のみ、隠せること。いまの計算方式では、生産量が増えれば、自動的に上がる食糧自給率ですが、そうやってイジる、数字に何の意味があるのでしょうか・・。自給率100%超えは、国内消費量以上に生産するということですから、飼料米として使うか、コメ関連の加工食品の需要を新たに喚起するか、輸出に回すしかないということを意味しますし、とてもじゃないけど、それをするには、国内農業市場全体にメスを入れるしかありません。
また、「守るべきは守る」と言い切ってるWTO「ドーハ・ラウンド」では、仮にも合意がなされた場合、重要品目が4~6%に制限され、コメの価格暴落が予想されます。恐ろしいことは、そういったケースへの処方箋が全くないというか、「守るべきは守る」のスタンスを崩してないんで、「守れなかった」ときの準備を全くしていないということ。農地の大規模化を促す経営安定対策のみだけでは決して乗り切りません。
イザでも記事化されたのですが(さすがです!)、ワシントン・ポスト紙では、日本のコメに関する保護政策に対して、ケチを付けられてる状態で、
同紙はさらに、日本のコメ農家に対する政府の手厚い保護が世界のコメ貿易をゆがめる主要因となっていると指摘、これに歯止めをかけるために、日本は米国などの国々から輸入するコメの消費拡大を検討する必要があると訴えた。
日本の輸入米放出「称賛」 米紙
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/america/148280/
これをキッカケに例えば、米シンクタンクのCenter fo Global Developmentにも指摘されてるように、
Which raises an important question: Japan had about 1.5 million tons of surplus imported rice at the end of last year. Tokyo has announced plans to sell 250,000 tons. What’s going on with the other 1.25 million tons? Japan is reported to be entertaining proposals for some of it, but appears to be hesitating to make the full quantity available on the world market. While Tokyo should be commended for releasing some of its unwanted stocks to help alleviate this year’s dizzy prices, clearly there is more that it can do ahead next week’s high-level meetings of the U.N.’s Food and Agricultural Organization in Rome.
“Rice Prices Tumble But Remain Out of Reach for Many of the Poor”
http://blogs.cgdev.org/globaldevelopment/2008/05/rice_prices_tumble_but_remain.php
「ご飯をもっと食べてよ」と言い残して、ヨーロッパに向かう首相がいながらも、ローマで開催されるFAO主催の食糧サミットで、「東京(≒霞ヶ関≒永田町=日本政府)がすべきこと」として、不必要な備蓄米の開放が上げられるなど、日本はずいぶん叱られて帰ってくることが予想されます。
世界で起こる「サイレント・ツナミ」、食糧危機の時代に、逆にそれを煽って、農業保護化に正当な論拠を見出そうとしている日本政府。「いま」はいいです。僕たちの子供や孫の世代まで、食糧を安定的に提供できる「農業」であり続けるのでしょうか?食糧自給率は一度捨てて、グローバル化に対応しましょうよ・・。
全く同感です。数字を出せば一見根拠があるように聞こえますが、それは大きな騙しだと思います 👿
最後の1文だけちょっとひっかかりますが、世界分業とか自給しないという意味ではなく、現実を肯定視した結果から適応への可能性だと受け取っています。
食糧自給率は一旦捨ててしまいたいところですが。。。。日本人は何人養える?①,日本人は何人養える②にもあるように、いざという時のことを考えて、自給と自給率についてもっと踏み込んで考えていきたいと思います。
つづく
投稿者 yasutan : 2008年11月06日 TweetList
トラックバック
このエントリーのトラックバックURL:
http://blog.new-agriculture.com/blog/2008/11/679.html/trackback
コメント
投稿者 hermes usa store locations : 2014年1月16日 05:11
buy fake hermes bags uk 新しい「農」のかたち | 自然栽培農法関連記事のインデックス
投稿者 store hermes bags : 2014年1月29日 04:52
hermes black perfume 新しい「農」のかたち | 自然栽培農法関連記事のインデックス
投稿者 hermes bags finland : 2014年2月6日 18:00
hermes paketshop wolfsburg 新しい「農」のかたち | 自然栽培農法関連記事のインデックス
投稿者 hermes bags dubai : 2014年2月18日 03:04
gucci d gold medium hobo 新しい「農」のかたち | 自然栽培農法関連記事のインデックス
hermes usa store locations http://concoursoftexas.org/hermes-bag-usa-fall-2011-milan-fashion-week.asp