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2008年08月17日
WTO農業交渉 WTOの目的って?
こんにちは、鈴木です 😀
WTOの農業交渉決裂がニュースで取り上げられていましたね。
ちょっと古い記事ですが、今回と同じドーハ・ラウンドへの見解を紹介したいと思います。
応援よろしくお願いします
引用文章 http://kongyeesaimau.blog32.fc2.com/blog-entry-54.html
記事2006/01/18
以下引用開始
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2001年に始まった世界貿易機関(WTO)ドーハラウンドは、途中2003年に一時的な挫折を経て、2005年12月の香港閣僚会合で部分的な合意に達した。それは2006年の全面合意のためのさらなる準備の一歩である。
ドーハラウンドはWTOの前任事務局長によって「開発ラウンド」と呼ばれた。しかしそれは意図的な情報操作であり、今回の「香港宣言」において、それはあますことなく暴露された。大国と多国籍企業にとって、今回の交渉の主要な目的は、いくつかの飴玉を交渉の駒として、途上国の市場開放をさらに推し進め、より一層の社会領域と天然資源をビジネスチャンスに変えようとするものであった。
■ 農業交渉:味噌もくそも一緒くたに
これらいくつかの飴玉のなかでまず注目されるのが、2013年に農業輸出補助金を廃止するというものである。(2)この合意の対象はアメリカとEUである。なぜなら、両者だけが莫大な輸出補助金を支出する財政力があるからだ。だが、欧米が支出する最大の補助金は輸出補助金ではなく、国内助成金である。1999年、EUの農民一人が受け取った補助金は16,028ドル、アメリカにおいては20,803ドルに達した。(3)それは、多くの途上国の一人当たりの年収である数千ドルを大きく上回る。多くの途上国の農民が受け取る補助金にいたっては、ごくわずかな金額であり問題にもならない。そもそもWTO農業交渉では、いわゆる自由貿易の原則から、相当部分の国内助成金も段階的に削減させるとされていた。(4)しかしドーハラウンドでは、2001年の閣僚宣言から今回の香港宣言にいたるまで、「国内補助金を大幅に削減する」という大法螺がふかれ続けたが、結局それはなんら期限を決めずに終わった。豊かな国々が進める「自由貿易」の欺まんを最も露骨に暴露するものがこの農業交渉に他ならない。
では、いつの日にか欧米がその欺まん性を放棄し、貿易を歪曲する国内補助金を自由貿易の精神にのっとり削減ないしは廃止すれば、公正さを示したことになるのだろうか。それで農業交渉は良い交渉になるのだろうか。そうではない。なぜなら農業交渉それ自身は豊かな国々に対してだけ補助金の削減を要求するのではなく、開発途上国に対しても同じように補助金の削減を迫るものだからである。違いは段階的削減の期間において、先進国の6年に比べ、途上国は4年長い10年(1995年から起算して)であり、削減幅も先進国の20%よりわずかに低い13%であるというだけにすぎない。このような味噌もくそも一緒くたにする方法は、弱いものいじめに他ならない。欧米諸国が一年間に支払う農業補助金は1700億ドル(5)に達し、それが20%削減されたとしても、まだ天文学的数字の補助金が残るが、途上国の補助金は微々たるものであり、それが13%も削減されるということは川に落ちた犬を棒で叩くようなものである。前回の交渉ラウンドにつづいて、この弱いものいじめという精神は、今回のドーハラウンドにおいても引き継がれた。香港閣僚宣言は次のことを明らかにしている。第一に、先進国はサービス貿易および非農産品市場アクセスにおいて途上国がさらに譲歩するのでなければ、国内補助金を段階的に削減するという農業交渉の精神に沿った対策をとることをを望まない。第二に、農業交渉の精神とは、貧しい国と豊かな国を一緒くたにして、貧しい国の農業補助金を制限するものであり、貧しい国はせいぜいわずかな「優遇措置」を交渉の中から引き出せるにすぎない。
全構成国が段階的に農業補助金を廃止すれば、国際貿易において農産品の本当の市場価格を実現し、途上国に対する欧米のダンピングを根本的に解決することができるという主張もある。だが、このような主張は、たとえそれが成立したとしても、貧しい国と豊かな国との農業における不均衡を本当に解決することはできない。たとえいますぐに欧米が補助金を廃止して、コストを下回るダンピングがなくなったとしても、豊かな国の農業は、半世紀におよぶ国家の補助金によって、機械化された石油農業として発展しており、生産力のうえでははるかに貧しい国の小規模農業経済を上回っているからだ。
~中略~
今日の先進国における農業の発展は、国家の支援がなければあり得なかっただろう。西欧は戦後の一時期農作物の純輸入国であったが、80年代初めからは純輸出国となった。西欧は国家の支援によって農業を発展させてから、突如自由貿易の迷曲を奏でるようになり、豊かな国と貧しい国の農業補助金を一緒くたに制限し出すといいだした。貧しい国はそれによって一部の国家主権を剥奪され、零細農家の保護と補助金の支給ができなくなった。もしこれらの貧しい国が突如豊になったとしても(油田の発見など)、農業補助金は削減し続けなければならず、それは貧しい国の零細農家を破滅に追いやることになるだろう。このような農業交渉は、そもそも弱いものいじめの悪い交渉である。悪魔からは悪魔しか生まれない。この枠組みのもとで行われる交渉とそれがもたらす結果は、貧しい国にとって何ら恩恵のあるものにはならない。それゆえ、交渉によって先進国への市場アクセス拡大を実現し貧しい国の農民の利益を守るという考えも、今後は永眠していただかなければならないだろう。
~中略~
■ NAMA:何粒かの飴玉と交換でよそ様の全財産を巻き上げる
「非農産品市場アクセス」交渉における途上国のNGOのもうひとつの不満は、まず、関税を通じて自国の発展途上の工業を保護する自主権がさらに制限されてしまうということにある。そして、宣言が採用した関税削減方式(いわゆるスイス方式)自体が不公平なものであることにも不満を募らせている。途上国に課せられる関税削減の幅は先進国よりも大きくなるからだ。この二つが合わさることによって、途上国の工業発展にとって極めて不利になる。
先進国と途上国の経済レベルの格差は歴史的な遺産である。同時に、先進国による長年の関税政策はこのような世界的不平等を強化してきた。長年の経過によって、先進国の関税構造は途上国にとって極めて不利なものに変化した。先進国間での関税は一般的にすでに低い水準になっているが、途上国からの輸出に対しては高い関税を維持している。その一方で、第三世界の自然資源からの搾取を効率よく行うために、豊かな国は後進国からの輸出に対する関税を次のように設定している。一次産品(主要には原材料)に対する関税を低く設定し、付加価値がつけばつくほど関税を高く設定しているのである。たとえば、先進国は第三世界からの原木に対しては極めて低い関税を設定して第三世界の輸出を刺激するが、おなじ第三世界からの家具については高い関税を設定し、第三世界からの輸出に打撃をあたえている。このような関税は「タリフエスカレーション」と呼ばれ、途上国の一次産品を搾取し、同時にその工業化を阻害し、植民地主義と宗主国による分業モデルを永続化するものであることは明らかである。
■ サービス貿易:自由貿易に名を借りて自由投資を密輸する
~中略~
そもそもWTOのいう自由貿易は、多国籍企業の商業利益を労働者保護や環境保護の上位に置くものであり、そしてそのために各構成国の経済管理の主権を制限するものである。自由な投資それ自体は、自由貿易よりもさらに大きな被害をもたらす。モノの貿易は一回ずつ行われ、善きにしろ悪しきにしろ一回の取引が及ぼす影響は比較的短期間である。だが投資はそうではない。海外からの投資はその国の労働および天然資源を長期的、かつ直接的に利用するものであり、もしその国の政府がそれらに対する管理主権を失うことになれば、外資が自由にその国の労働者や天然資源を搾取することになる。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
引用終了
WTOの目的は先進国と途上国の格差維持にあるようにしか思えません。
農業補助金の少ない日本は、今回の交渉の流れから考えても搾取される側であり、警戒が必要なのではないうかと思います。
WTOがドーハ・ラウンドを通して何をしたいのかを皆でしっかりと捉え、その上で日本や私たちがどうしていったらいいか考えていきたいと思います
投稿者 yasutan : 2008年08月17日 TweetList
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コメント
投稿者 naganobu : 2009年1月22日 20:00
なるほど~!手段に拘りはない。責任を持って、皆が元気になることを形にしていく。
確かにそんな人には、惹かれるものがありますね!!
投稿者 megu : 2009年1月24日 01:05
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さらにそうした活動を発信することも重視し、ブログ・マスコミ・講演などで伝えています。
山根多恵さんと仲間たちの活動そのものが、我々に活力と可能性を与えてくれます。
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投稿の中にある
「女将になりたくて、なったわけではありません。でも、責任をもてる事業をやりたかったし、自分で作り上げる仕事がしたいと考えていたので、やってみようかと。だから女将は“手段”ですね」
に象徴されていると思いますね。
手段や形に拘らずに、面白いと感じることや、地域や人を元気にすること=やりがいに、素直に向かう人。それが、人を惹き付ける実現派ではないでしょうか。