2022年5月28日
2022年05月28日
【コラム】レタスの食べ比べ大会!カットレタスの味が薄いのは・・・
レタスの旬の時期がやってきましたね。
一口に「レタス」と言っても、様々な種類があります。
サラダによく使われるリーフレタス、火を通してもシャキシャキしている玉レタス、お肉など具材を巻いて食べるサニーレタスなど。
同じ種類でも、いくつもの品種があり、味も見た目も違います。さらに、保存方法や期間も様々。
一体どんな違いがあるのか?
今回は4種類の「玉レタス」で、食べ比べをしてみました☆
見た目からまず違いますね・・・
今回比べたのは、左から「直売所に売っている朝採れの玉レタス」「直売所に売っている玉レタス」「スーパーの玉レタス」の3種類に「カットレタス」を加えた4種類。
いざ、食べ比べ!
みんなの感想は・・・
1番「スカスカしてる。栄養が抜けている感じ」「味が薄い~」
2番「見た目が元気がない」「味は一番甘い!」「水っぽい」
3番「シャキシャキしている」「ずっと食べたくなる」「みずみずしい」
4番「味がしっかりしている」「見た目は一番新鮮そう」
正解はこちら!
1番 カットレタス
2番 スーパーのレタス
3番 直売所のレタス
4番 直売所の朝採れレタス
2~4番は好みが別れたところもありますが、
共通していたのは、1番のレタスの「味の薄さ」!
その理由は、実はカットレタスの処理方法にあります。
カットレタスは、その名の通り、カットされて袋詰めされた状態で出荷されます。
(丸いままのレタスはしばらく置いておくと褐色になるのに、カット野菜は変色しない、なんてこともよく言われていますよね。)
ただ単に小さくしているだけではなく、袋詰めされる前に、消毒・殺菌されているからなんです!
殺菌方法もいろいろあります。(https://vegetables01.xyz/archives/4917より引用)
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■薬品を利用した雑菌消毒
カットレタスの雑菌消毒に使用する薬品として最も有名なのが、次亜塩素酸ナトリウムです。
雑菌消毒の時にカットレタスに付着した次亜塩素酸ナトリウムは、十分な水洗いと脱水処理など十分な衛生管理が行われ、コンビニやスーパーに並びます。
■オゾンを利用した雑菌消毒
オゾンは自然界にもある一般的な物質で、3つの酸素原子で構成される酸素の同素体です。
そのため、薬品を使う方法と比べて環境に優しく安全性が高い雑菌方法のようです。
消毒液の除去目的の洗浄が不要のため、レタスの栄養流失も少なくてすみます。
■電解水を利用した雑菌消毒
電解水は水と塩を電気利用して作られる水の事です。
電解水は洗浄力に優れたアルカリイオン水や除去力に優れた酸性電解水など、特徴を持つ種類があります。
薬品を使わないので、クロロホルムなどの生成物が発生しにくいので、地球環境に配慮した雑菌消毒法だと言えます。
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切った状態で薬品や水分に何度も浸けられると、切り口から栄養もどんどん抜けてしまいます。。。
「子どもが直売所の野菜なら喜んで食べる!」なんて声もありますが、実は野菜嫌いというより、農薬や塩素の味が苦手なだけなのかもしれませんね。
これからも野菜の選び方や品種の違いについて、食べ比べして発信していきたいと思います!
お楽しみに☆
投稿者 k-haruka : 2022年05月28日 Tweet
2022年05月28日
「稼ぐ農」シリーズ9:野菜の品質ってなに?食べ手が求める野菜とは?
「稼ぐ農シリーズ」も9回目となり、終盤に入ってきました。
これまで様々な事例をご紹介してきましたが、「売れる野菜とはなにか?野菜の品質とは?」について今回は扱っていきたいと思います。
◯有機野菜・無農薬は当たり前の時代
有機栽培、無農薬栽培が世間で知られるようになってから久しくなります。
健康に良い、持続的な栽培方法が、当たり前に近くなってきた時代において、求められる野菜の品質は様々になってきているのではないでしょうか。
有機栽培に食べ手は感心はするものの、それをきっかけにファンになることはほとんど無いのが現実です。
農家さんが「自分の野菜は一番」と感じていても、自身が栽培した野菜を何度も買ってもらうこと=ファンになってもらうことができなければ稼ぐ農は実現できません。
なぜなら、稼ぐ農を実現するために必要な「自前の流通網を獲得していく過程」においては、ファンを獲得し、ファンのネットワークを広げていく活動が、不可欠だからです。
自慢の技術力も、実際に「お客さんに食べてもらって、そしてファンになってもらって」初めて意味あるものになります
しかし、ファンをつくり、自前の流通網をつくることは、じつはむずかしい課題です。
◯野菜の品質は求める人によって違う、技術力も違う
おいしいも十人十色で人によって感じる方が違うし、どのように料理、加工するのかなど使い方によって野菜の作り方も全く違います。
例えば、カット野菜は工場でカットした後に消毒のために次亜塩素酸による消毒と水洗いを何度も繰り返すため、その過程でヘタらないように水を少なくして硬い野菜を栽培します。
ほうれん草など、通年で一定の供給量を確保することが大切な野菜であれば、安定供給を行うために工業的に管理する必要があり、温室の環境を機械的に調整したり、培養液の作り方を変えたりしています。
また、高級なレストランで使う野菜であれば、どのような料理を作りたいのか、魅せたいのかに応じて、大きさを変えたり、作り方を変えたりします。
すなわち、「どのような人に喜んでほしいのか?」によって「求められる技術力」は全く異なるのです。
総理大臣賞などの賞を獲得するなど仲間内で評価されても、最後は食べ手に求められる食べ物を作っていけなければ「稼ぐ農」は実現できません。
久松農園を経営する久松氏は著書の『キレイゴトぬきの農業論(新潮社 久松達央)』のなかで、こう語っています。
『つくり手にとっての“一級品”が食べ手にとって一級品であるかは別問題です。
別な言い方をすれば、仲間に褒められたくてつくっている野菜には、お客さんは感心しても感動はしないということです。』
つまり、ファンを作るために必要なのは、「つくった野菜で、いかにお客さんに喜んでもらえるのか?」ということなのです。
これは第1次産業である農業においても、食べ手(=消費者)の想いを掴み、その欠乏を実現するために技術力を高めていくという、世の中の企業と同じ力が求められるということです。
◯自前の流通網=ファンを増やすために必要なのは?
稼ぐ農を実現するためには「自前の流通網を作る」、「他の業態以上に利益を上げる」には、どれだけ食べ手が求めるものを感じられるのかが重要になります。
「農協に卸して終わり」では、いつまでたっても食べ手の求めるものを感じられません。
求めるものを掴んでいくためには、お客さんと繋がっていく必要があります。
しかし、そのためにはまず「食べ手に生産物のことを知ってもらう(ブランディング)」が重要になる。
類農園で扱っている人気商品の「浦さんの玉レタス」も直売所で扱い始めてから数年掛けて、ファンが定着してきました。
その他にも類農園では「おやつトマト」や「とろとろナス」など、農家さんの魅力ある野菜をブランディングし、ファンを増やしていく活動を行っています。
食べ手に喜んでもらう野菜をつくることも大切ですが、同時にどれだけ生産した野菜の魅力を感じてもらえるのか、買ってもらうきっかけを作れるかが重要になります。
知ってもらう、食べ手に「また買いたい」と感じてもらうためには、商品のおいしさはもちろんですが、魅力に感じてもらうための「ストーリー(モノ×文脈)」のブランディングには重要です。
会員消費者を中心に野菜を販売している「久松農園」は、販売先、求めるお客さんに応じて売り方やセット商品の品目を変えて販売し、調理方法を発信(VegeRecipin)することで自分たちの野菜の魅力を知ってもらいファンを獲得しています。
「人間は脳で食べている」と言われるほど、現代人は生きるためだけでなく、楽しむために食べる人が多い時代。
生産者も、どうすれば食べ手に楽しんでもらえるかを提案していけるかが大切になるのです。
同時に、どのような価格で販売すればお客さんに買ってもらえるのかという、シビアな経営感覚も重要になります。
◯稼ぐ農を実現するために、どのような力が必要になる?
稼ぐ農を実現するために必要な力。
・求める人の欠乏=市場の流れを掴む力
・求める人の欠乏を実現する技術力
・食べ手に生産物の魅力を知ってもらうブランディング力
・どのような価格であれば食べ手に買ってもらえるのかという経営感覚
すなわち、農業に求められるのは企業と同様に「経営する力」なのです。
これまでのシリーズでもご紹介してきたように、売れる野菜、稼ぐ農を実現するためには技術力と経営力が一体で必要となります。
久松農園さんやRED APPLEさんが多様な人材を集めて集団化していくのも、「技術力」と経営力を高めていくためなのだと思います。
<参考文献>
・キレイゴトぬきの農業論(新潮社 久松達央)
・久松農園ホームページ
投稿者 tiba-t : 2022年05月28日 Tweet