2022年5月14日
2022年05月14日
コラム:植物と土中微生物の共生ネットワークを壊し、地力低下を招く原因は「肥料」である
私たちは、「おなじ土地でずっと耕作を続ければ、地力が低下してしまうから、肥料を施さなければ作物は育たない」とか、「作物が土壌から栄養を吸収して、それを人間が収穫する以上、耕作を続ければ土はやせ続ける」などといったイメージを持ちがちであるとおもいます。
人間は、農業を続ける事によって、肥沃だった土地を、乾燥して養分の少ない、死んだような土地にしてしまい、表土流出によって土自体を失い続けています。
オーストラリア大陸は、地図を見るとほとんどが砂漠だが、1800年代の初頭にヨーロッパ人が入植した当時は緑で覆われていたといいます。気温は37度を超え、まったく雨が降らない夏に、どこもかしこも草花に覆われていた。土はやわらかく、手でほれたそうです。
ところが、この土地が農業を続けたことによって、乾燥し、表土が流れ続けているのです。乾燥した土地で何とか小麦1kgを作るのに、4kgの表土が流れているそうです。カナダや、ウクライナなど、世界各地で表土流出の報告がされています。
このようにして、かつて肥沃だった土地はかれ続け、農業生産力も下がっているという報告が相次いでいるそうです。
今回の記事では、なぜこのように、近代農業やモノカルチャー農業が土を殺し続けているのかを掘り下げます。
実は、冒頭に述べたような、「おなじ土地でずっと耕作を続ければ、地力が低下してしまうから、肥料を施さなければ作物は育たない」とか、「作物が土壌から栄養を吸収して、それを人間が収穫する以上、耕作を続ければ土はやせ続ける」というイメージは少し違っているという実態が見えてきました。
投稿者 o-yasu : 2022年05月14日 Tweet