2011年2月16日
2011年02月16日
「農」再生の実現基盤ってなに? Indexと概要(1)
終章の「6章.「農」再生の実現基盤とは」の前に、これまで展開してきたことを、簡単におさらいしてみたいと思います。
◆各章で取り上げた概要
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1章.アジア型農業の可能性
世界大戦敗戦後に最初に行われたのは、軍部の再生を阻止するために行われた財閥解体と意図を同じくする「農地改革」であった。私有を可能にした農地の細分化は、それまで日本に脈々と残存していた地域共同体的な風土にダメージを与えることとなった。もともと、幻想価値の少ない農産物の生産ながらも、それらの生産活動を軸にした『生活の場(生産も生殖も子育ても消費も・・・全てを包摂したもの)』という機能を失えば、地域共同体は一気に衰退していくこととなった。
戦後農政は、農地の大型化・機械化などを躍起になって推進してきたが、根本問題としての『農』の活性化を実現できていない。そこで、日本の農業の特徴とは何かを見ていくことにした。
・日本の農業は、アジアモンスーン気候地域に位置することに特色がある。
・旺盛な植物の生命力は、持続可能な農業生産の基盤をなす。
・狭隘な国土ではあるが、労働集約型の生産方式によれば生産効率は上がる。
・アジア型は、どちらかといえば自給的な側面を保持しており、多数の品目を複合栽培(土地の多面的利用)する性格をもっていた。
そしてそれは、気候・風土や共同体の自立に合致したものであった。
・食の安全保障を「自給する力」と捉えるなら、零細農家が多いことは、その潜在的な「力」である。
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2章.日本の土地に見合った「農」を実現する可能性・基盤はあるのか? 1.日本の農業の現状分析
・1960年→2000年で生産量は、5倍。生産効率は上がっている、⇔自給率▼
〔“>図表:「農畜産物生産量(万t)と農業者一人当たりの生産量(t)」〕
・それを支えるのは、1割にも満たない大規模販売農家(売上1000万以上)。
大規模農家は、経営耕作地の規模が大きいということではなく相応の経営努力をしている。
・それ以外の大半の農家は、経営規模が小さい。
・状況に応じた「適正規模」による多種多様な農業経営を展開することが日本農業の可能性。「儲からない」「大規模化しかない」という固定観念さえ捨てれば、その実現基盤は現状にたくさん眠っている。
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投稿者 staff : 2011年02月16日 Tweet