2008年7月18日
2008年07月18日
農への関心を取り入れ、農業の生き残りをかける試み
農業全体が厳しい状況の中、消費者側の農への関心を巧みに取り入れ、農業体験農園で生き残りをかける試みを進めている都市農家の事例を紹介していきたいと思います。
農業体験農園は、練馬区が管理する区民農園・市民農園とは異なり、農家が開設し、耕作の主導権を持って経営・管理している農園です。
利用者は、入園料・野菜収穫物代金を支払い、園主(農家)の指導のもと、種まきや苗の植付けから収穫までを体験します。自由に好きなものが作れる訳ではありませんが、八百屋の店頭に並ぶものに負けない野菜を年間20種類以上も収穫することができます。
一方、練馬区は施設整備費・管理運営費の助成と募集の手伝いをしています。平成8年4月に第1号「緑と農の体験塾」が誕生して以来、毎年1園ずつその数を増やし、平成20年4月には13園目の「南大泉やさい村」がオープンします。
農業体験農園の概要
1区画面積 30m2(標準区画)
利用期間 3月下旬から約1年間
(5年まで更新可)
利用料金 31,000円(入園料・収穫物代金)
※区外の方は43,000円
農業体験農園の特徴として、次の4点があげられます。
都市住民と農業者の交流
都市農業存続のためには、住民の理解と支援が不可欠ですが、この農業体験農園では農家と利用者の相互交流が自然に図られるため、結果として広範な都市農業の理解者層の創出に繋がります。
農家による懇切な農芸指導
地域に受け継がれてきた品種と農法による栽培指導が農家から受けられるため、利用者は失敗も少なく手軽に野菜づくりを楽しめます。
農業経営として成り立つ農園
農家にとっては市場価格などに左右されない安定した収入が見込まれるとともに、農作業の負担も軽減されます。
民間の創意と活力が生かされる
農家が経営者として農園の管理運営を行い、練馬区は施設整備費・管理運営費の助成と管理についての助言や募集の手伝いをするだけですので、民間の創意と活力が生かされる農園です。
農業体験農園事業は現在、農家・利用者・練馬区の各者にとって好ましい成果が得られています。都市農業にしかできない機能と役割を最大限に発揮した先進的な農業経営類型・行政施策として、この事業は全国的な注目を集めている。
ねりま農園事業よりhttp://www.city.nerima.tokyo.jp/sangyo/noen/taiken.html
近年、農業者人口が年々減少している。一方で、自然回帰や農業回帰といった流れも見受けられる。
農家に研修やインターンシップで訪れる学生や社会人も少なくない。
地域の基幹的農業者を目指す者だけでなく、兼業農家や家庭菜園、あるいは援農ボランティア、食農教育、グリーンツーリズム、パート・アルバイトなどあらゆる場面で、「農」に接する機会が増えてきている。
農業従事者の減少を見ると、担い手不足という点が意識されるが、実は、自然回帰や農業回帰といった流れが人々の中には大きく広がっている。
「食糧問題」や「みんなの食をどうするか?」など、社会的課題が大きく掲げられている今日、多くの人々が「農」に関わる機会や場を作っていくことが、市場原理を変える大きなチャンスになるのではないかと思う。
農業体験農園一覧
・緑と農の体験塾http://members.jcom.home.ne.jp/katonouen/
・田柄すずしろ農園http://www.roy.hi-ho.ne.jp/suzushiro-nouen/
・イガさんの畑http://www.iga3farm.com/
・みやもとファーム農業体験塾http://miyamotofarm.com/
・農業体験農園「緑の散歩道」http://ftp004.upp.so-net.ne.jp/omino/mypage.html
・農業体験農園「どろんこ・わぁるど」http://members.jcom.home.ne.jp/doronko.world/
・農業体験農園「井頭体験農園」http://www.k2.dion.ne.jp/~igashira/
・農業体験農園「百匁の里」http://www.heartstrings.jp/hyakume/index.htm
投稿者 takuya : 2008年07月18日 Tweet