2006年9月28日

2006年09月28日

農産物の価格問題、その突破口は?

まめしばさんの記事に絡めて、再び総務省の統計データより
農産物の生産費販売価格の関係を見てみると、例えば水稲では、
       生産費   販売価格 
1980年  19,391円    -
1985   19,939    19,230円
1990   19,706    18,730
2000   19,728    18,770
2001   17,898    15,270
2002   17,766    14,880
2003   17,339    14,800
2004   18,640      -
(うるち玄米、計画外流通米、1等程度)
あらためてデータを眺めて驚いたのだが、生産費は横ばいかやや低下傾向にあるようだが、販売価格は下がる一方。しかも一貫として生産費を下回る完全な赤字レベル!これは他の農産物も同じような傾向にあるようだが、こんな価格構造は、他の産業では考えらないことだ。農産物と工業生産品の価格格差そのものだし、何よりも、市場を介せば買い叩かれる、という構造にしかなっていないのだ。こんなことでは、生産者の活力は奪われる一方で、農業の持続そのものが困難になるだろう。
豊かさの実現によって、モノの価値は「必要か否か」の土俵に委ねられるようになった。しかし、工業生産品は売れなくなり価値を失いつつある一方で、農産物は必要とされ続ける。だとすれば、市場取引から脱却して、消費者と直接つながることが突破口になることは間違いないだろう。産直や宅配は、その一つの答えなのだと思う。
農産物の価格問題とは、「生産者から直接買いたい」、つまり脱市場⇒信任取引、という共認をいかに形成していくか、ということに尽きるのではないかと思う。そのためには、単なる生産手段であることを超えて、農業の魅力や可能性を追求していくこと、発信していくことが不可欠になると思う。それが、これからの生産者に求められる役割なのではないだろうか。
小松
応援ありがとう!クリック、クリック♪
  

投稿者 komayu : 2006年09月28日