2006年9月25日

2006年09月25日

日本の食糧は本当に危ない

鳥取大学の食料統計サイトを見て、日本や中国、インドといったアジアの米を主食とする国々の一人当たりの米の消費量で、一人当たりの消費量が下がっているのは、日本、台湾‥。一方で中国やインドは市場拡大にもかかわらず、米の消費量が変わっていないことが分かります(ここから分かるのは、食文化の変化を受けやすい国は、農地の面積が狭い先進国であるということであることが分かります)。
日本も単位あたり収穫量は上がっているのですが、生産面積が1960年代の半分近くにまで下がり、その結果、生産量も下がっています。そのため、人口増や消費量に対応できる力が本当にありません。

>食糧確保のためには食糧生産の基盤となる農地の確保は必要だし、混乱を避ける為には政府(統合機構)の食糧流通の統制は不可欠、さらに非常時の為には食糧備蓄は絶対必要だと思う。
るいネットより

投稿者 staff : 2006年09月25日  

2006年09月25日

日本の米の輸出について

初めてブログに書き込みます、ジャックダニエルです。
「るいネット」の小圷さんの投稿を読んで、日本の米余り→減反政策や米の輸出の問題って、どうなっているのか気になりました。
参考までに、以下は兵庫県で農業を営んでおられる足立勝美さんのHPからの引用です。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~

>政府や国をあてにして何かいいことがあるのか、といつも思います。
「大規模化」も「減反」も「政府主導」であり「押しつけ」を受け入れてきたから変なことになっているように思います。だから「政府がコメの価格や需給に責任を持ち」というように「おかみ」に委ねるのは基本的に反対です。
ただ、既存の農家の存続のために、「米価の下支え制度」は当面必要なことかもしれません。と同時に、理想的にはそんな制度はないほうがいいという前提で、それをなくするために何をすべきか、ということも早急に検討すべきだと思います。また、「コメ以外の農作物を農家が自主的に選択できる条件の整備を行うことが必要」であることは明らかです。さらに、「農民を犠牲にして、流通大手がもうけている」としたら早急に何らかの対策を講じる必要があります。国がやるべきことはこいうような「環境整備」であり、それだけに限るべきだと思います。コメの問題には「構造改革」や「行政改革」の問題が根本にあるように思います。
>結局どうやって米以外の農作物に転換するかということだと思います。一律に30%の割り当てをして、雫ほどの助成金を出しても何の効果もないと思うのですが・・・。
そんなことをしていてはいつまで経っても中途半端な転換しかできません。政府には農家を育成しょうという気がないのかもしれません。
例えば(これは本当の例えで、これがいい方法だというのではありません)転換するための設備や研究に助成をするとか・・・。米農家以外の農家の育成に努めるべきではないかと思います。実際問題として、設備も知識も資本もない者に、転換を迫られても行動を起こせないと思います。これ以上一律に減反面積を押し付けるのは限界だと思います。ただ米を作らなければいい、というような安易な(無策な)方法で解決するような段階はとうの昔に過ぎていると思います。
>ご存じの方もいらっしゃるでしょうが、「米」のことで気になる記事が11月19日の日経夕刊の一面に出ていました。
要約:
ヤマタネや三井物産は、国内の銘柄米をシンガポール、マレーシア、香港等に輸出する予定。輸出価格は国内販売価格とほぼ同じ。すしなどの日本食向け。「高いが(カリフォルニア米の4倍)うまい」ということで、在留邦人や富裕な華僑等が対象。輸出量は、ヤマタネが来年1年で100トンの予定、三井物産は30-40トンの予定(96年の実績は全体で42トン、95年11月の新食糧法施行で動き出したばかり)。木徳はベトナムの米を中東や近隣アジア諸国に輸出のため精米工場着工へ、丸紅はミャンマー政府と共同で米の生産・輸出へ、ニチメンは中国政府と共同で精米事業へ、日商岩井は中国・豪州産のジャポニカ米を東南アジア在留邦人向けに輸出へ。各社がアジアでの事業に力を入れる理由の1つは国内での成長が見込みにくいから。
この記事から言えること:
銘柄米はうまい、という評価が日本人だけではなく華僑の間でもあること、「高くてもうまければ」買う人はいるということ、買える「富裕な人」や日本人は世界中にいるから、寿司などの日本食が広まれば広まるほど「うまい米」の量は増えるだろうということ。
疑問:
外国で、国内産並みのうまさの米を作れるか、作れるとしたら価格はどうか、国内に輸入されうるぐらいの価格だろうか、輸入されたら国内の米農家への影響はどうなのか。なぜ、国内での成長は見込めなくなったのか、1人あたりの摂取量減少、人口増加の鈍化、洋食の侵食・・か。
>米の輸入については既にこの夏、イトーヨーカ堂や西友がオーストラリア産の新米を扱いました。5キロ1980円で販売したようですが、国産米が安かったため輸入米の低価格を売り物にできなかったようです。「先行投資」といったところでしょうか。
この輸入米にしてもMA米にしても、商社あたりはいつまでも豊作による米あまりが続くとは考えていないようです。当然といえばあまりにも当然ですね。自然はそんなに甘くはないですから。
それなのにただただ減反面積を増やしていくだけの(10年度はなんと39%)無策な農政で大丈夫なんでしょうか。味については私はわかりませんが、MA米とは違っておいしいようです。価格については1980円あたりが底値でしょうから、こしひかり以外の国産米と比べてそう安くはないです。だったらまだまだ輸入米を食べる人は少ない?
輸入米についての不安は農薬の問題です。以前豪州産米でコクゾウムシ(米に発生する虫)が死ぬという信じられないような話がありましたから。そんな米が外食産業にどんどん入ってくれば・・・。
私にとって死角ともいえる米の輸出の話。
確かに考えればあまっているのであれば、輸出すればいいんですね。でも甘い汁を吸うのは商社だけのような気がします。そのことによって米あまりが解消するとは考えられませんが、少しは・・・。
(引用終わり)

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
…結局、政府の減反政策とは、強制的な無為無策のもののようで、日本のコメ農家を不安に陥れ、活力を奪っているようです。これでは、農業は再生できませんね。
また輸出の可能性についても、結局一部の誰かが利益を収奪してしまうような構造では、肝心の生産者の活力が上がらない。
減反政策も輸出可能性の模索も、「日本の農家や流通業者や消費者、みんなで考えていかないと、個々がバラバラでは解決策が見えてこない」問題であるように感じます。

投稿者 staff : 2006年09月25日