WTO農業交渉・・・って何? |
メイン
2008年08月05日
決裂したWTO農業交渉
先日、WTO農業交渉が決裂して、日本の農家にとっては良かったのかなとは思っていたのですが、こういう交渉をしていること事態に違和感を感じます。簡単に日本の農業が潰れる仕組みになっているし、ますます自給率なんて上がるとは思えなくなってきます。
今回決裂したWTO農業交渉は以下のような内容でした。
参考=日本農業新聞 [農政ウオッチ]重要品目4%/輸入急増し大打撃
■主要農産物守れず
「衝撃的な数字だ」。自民党農林幹部の一人は、閣僚会合の現状に言葉を詰まらせた。
農産物を、例えば米をもみや玄米、精米などのように細かく分類した場合の日本の品目数は全部で1332品目。「4%」なら53品目しか重要品目にできない。日本が求めてきた「10%(133品目)以上」と大きくかけ離れている。
一方、日本の高関税品目は169品目と言われることが多い。多国間による前回の貿易交渉、ウルグアイ・ラウンド合意に基づく主要な関税化品目に砂糖を加えた数だ。
またWTO閣僚会合の「たたき台」となっているモダリティー議長案の第3次改訂版は、「一般品目」と呼ばれる重要品目以外の品目で関税が75%超の品目に、約70%の関税削減を求めている。関税75%超は日本では134品目。これを基に試算すると、このうち81品目は一般品目として約70%の関税削減が必要だ。
ただ第3次改訂版は、条件・代償付きで重要品目を2%分増やすことを認めている。これを適用すれば重要品目を27品目増やせるので、70%関税削減の対象は54品目になる。しかし増やした分の27品目は代償として、低関税輸入枠を国内消費量の0.5%追加拡大しなければならない。
関税を約70%削減するとどうなるのだろうか。米では、MA以外の輸入に課している現行1キロ341円の関税が102円に低下。最近の価格高騰の影響を除くために過去10年間での中国産短粒種の売買同時入札(SBS)最低価格で関税支払い後の価格を試算すると、玄米換算で60キロ9000円程度になる。国産米の価格を下回り、価格だけ見るとMA以外でも輸入が可能になる。ほかの品目で試算しても、小麦、バターなどの乳製品、砂糖、コーンスターチ用トウモロコシを含むでんぷん、雑豆、こんにゃく・・・・・・と、高関税品目は軒並み同様の事態に陥る。
このため閣僚会合で日本は、最低限として「原則6%、追加を含めて8%」を強く求めている。
安い農産物の輸入が増えれば、農家にとっては死活問題。中身の無い値下げ競争などしたくないと思います。このような交渉で簡単に農家が潰されてしまうような状況にもものすごく違和感を感じますが、関税だけで日本の農業が守れるのでしょうか?都合のいいように動かされているとしか思えないのですが。
一方で、中国産のように消費者が輸入農産物を買わなかったらどうなるのでしょう?
日本の農産物に対する関税についてももう少し詳しく知りたいと思いました。
投稿者 takuya : 2008年08月05日 TweetList
トラックバック
このエントリーのトラックバックURL:
http://blog.new-agriculture.com/blog/2008/08/613.html/trackback