| メイン |

2008年07月24日

食農協働による地産地消の試み

こんにちわ。長谷です。
地産地消と言われ始めて久しいですが、
今回は、地域の農家、漁業者と飲食、サービスを結びつけた、面白い地産地消の事例がありましたので、紹介します。
以下
http://www.afc.go.jp/information/manage/food_others/080404.html
からの引用です。

「地域の六次産業」化にふくらむ夢 – 農家巻き込み心こもった地産地消
株式会社グラノ24K
設立       1995年
資本金      3,000万円
企業類型    レストラン、ブライダルサービス
経営規模    年商30億円
所在地     福岡県遠賀郡岡垣町
%E5%B0%8F%E5%BD%B9%E4%B8%B8%E7%A4%BE%E9%95%B7.jpg
代表取締役社長
小役丸 秀一氏
福岡市と北九州市の中間に位置する福岡県遠賀郡岡垣町の海岸近くにあるぶどう園。そこに、地産地消型のビュッフェスタイルのレストラン、ウエディング・パーティ・スペース、野外バーベキューなどを展開するグラノ24Kがいま、福岡を中心に若者たちだけでなくシニアの人たちの間でも人気になっている。福岡市内にあるビュッフェレストラン「野の葡萄」は行列の出来るほどだ。
ワクワク感ある経営者
どこがいったい魅力なのか。
ずばり、社長の小役丸秀一さんがワクワク感のある経営者で、夢のあるメッセージを発信し、出会う人たちみんなをその気にさせるからだろう。
「私は、農業を地域の宝物にし、それでもって地域を巻き込むきっかけにしたいと思っています。地域の六次産業化ですよ」
小役丸さんによると、農業は岡垣町という地域での偉大な資産。第一次産業で捉えず、むしろ農産物を加工し商品化してサービスに供する。第二次、第三次産業の視点から農業を捉えればイキイキして無限の可能性が広がる。農業もレストランも同じ食の世界。地元の安心できる食材で料理をつくり消費者に好きなだけ食べてもらう。これが地産地消の基本。地域全体で知恵を出し合えば農業は地域の宝物になる。第一次と第二次、第三次を合わせ、農業の第六次産業化をめざしたい、という。
とにかく発想が面白いのだ。
こうした社長方針にもとづき、グラノ24Kでは毎朝、スタッフが周辺農家約30軒を回ったり、あるいは集荷場に直接持参をしてもらって、その日収穫した野菜を買う。無農薬、有機農法で生産している農家をできるだけ選ぶ。
農家言い値で農作物買い
ところがグラノ24Kのユニークさは、これら農家に対し「卸売市場で高く売れそうなものはどうぞ市場に」と言い、それ以外の曲がりキュウリ、あるいは売り物にならず処分してしまう農産物を農家の言い値で買うことだ。
小役丸さんは「農家は最初、市場に出さず自分たちで処分するつもりでいたものを何に使うのかと、聞いてきたが、われわれは調理に使うし、曲がりキュウリでも味に変わりがない。それよりも農家にとっては、グラノ24Kが言い値で全量、買うので、畑がすべておカネになるでないか、というとみんな大喜びだ」と語る。
そして、グラノ24Kは地産地消の考えに沿って、これら地元の食材でつくった料理をビュッフェスタイルの「野の葡萄」でお客に自由に食べてもらうのだ。
食材の地元農産物は、お天気次第で数量も一定しないため、グラノ24Kのどのレストランメニューもすべて「おまかせ料理」になる。これは岡垣町のすぐそばの玄界灘でとれるサカナに関しても同じ。その代わり、素材の新鮮さは、どのライバルにも負けないものがあると小役丸さんは胸を張る。
また、小役丸さんによると毎年、メニューのレパートリーを広げるため、料理長のシェフのみならずスタッフが参加して試作品をつくり、お客など第三者にも参加してもらって優秀作を決める。これがマーケット評価を得て確実にヒット商品になるのだ、という。
%E3%81%B6%E3%81%A9%E3%81%86%E3%81%AE%E6%A8%B9.jpg %E3%83%A1%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E7%A4%BE%E5%86%85%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%86%E3%82%B9%E3%83%88.jpg
どこからでも出入り自由な「ぶどうの樹」 地元食材使ったメニューづくりの社内コンテスト
「地域環境適応」で宅配も
また、小役丸さんは持論の「地域環境適応企業」という発想から、周辺世帯の高齢者らを対象に週1回、御用聞きを行いながら無添加の安心できる食材を冷凍加工し宅配するサービスを検討している。
小役丸さんは「地域の高齢者のニーズに応じた御用聞きネットワークが重要になる。その場合、小学校の学区ごとにすれば顔が見えるのでないか」、「夢を語り続ける会社でありたい。交流できてよかったことをお客に感じてもらうのが夢。利益は二の次」という。
小役丸さんはいま、地産地消をベースに「畑とレストランと笑顔をつなぐ新しい風を起こそう」という全国の仲間組織、食農協働レストラン事業協同組合(FARCA)にもかかわっている。

また、 規格外品の農家言い値での買い取りの原点には、中3の夏休みの体験があるそうです。
http://premium.nikkeibp.co.jp/bits/bits_column/column_f03_04.shtml
より引用

「ぶどうの樹」の創業者、現小役丸社長のお父さんは息子に生きた教育を施した。小役丸社長が中学生夏休み、お父さんに「金儲けしないか」と言われた。「この畑をお前に任せる。その代わり、とれた農作物の売り上げは全部お前にやろう」。
 これはいけるぞと夏休み返上で、毎日一生懸命働いた。そしてトラック一杯にとれたナスを積んで念願の出荷。市場で競りにかけた。競り落とされた金額はトラック一杯なんとわずか800円。「俺の夏休み返してくれ!」
 小役丸秀一少年の暑い夏休みは、仲買人の片手一振りによって瞬間に決まった。そのとき初めて、作る人の苦労を、身をもって知らされた。その体験が、農家でとれる規格外品での農家の言い値での買い取りの仕組みにつながっている。小さな農村の中での取引である。お互い永く続く信頼関係の中で、相手が困らないようにおつきあいしなければならない。当たり前のことだが、たった一回の取引で暴利をむさぼることはできない。
 海や畑といった自然を相手にする第1次産業が原点で、しかもつながりの深い狭い村の人間関係のなかでの取引。小役丸社長は、ただでさえも高い制約条件に対し、逃げないところか、その制約をより一層厳しくしているとさえ言える。

 しかし、そのネガティブと思える要因を、誰もやらない発想でそれを大きなポジティブな要素に転換している。それは、先代から受け継いだ、「大きな夢、想いを持ち続け語り続け、自発的に動き続けるなかで新たな発想でブレークしていく」ところにあるようだ。

既存の市場のシステムの中でありながら、地域の生産者と食品、飲食業者、地域住民が、信頼関係を作りながら、食を通して協働していく、言い換えれば、期待応望の関係構築の試みは、注目に値すると思います。
最後に、ポチっと応援よろしく!
 

投稿者 naganobu : 2008年07月24日 List   

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://blog.new-agriculture.com/blog/2008/07/609.html/trackback

コメント

明けましておめでとうございます。
いきなり質問なんですが、そもそも、「ウォーターフットプリント」って何ですか?何を評価するものなのでしょうか?

投稿者 素朴な疑問 : 2009年1月3日 23:55

あけましておめでとうございます。
素朴な疑問さん、さっそくのコメント有難うございます。
資料の貼り付けが見難くてすいません、直しておきました。
ウォーターフットプリントとは、水の軌跡を表したもので、農産物や工業製品等の生産国での水の使用効率を考慮して貿易による水の移動量を集計したもののようです。
たとえば、2国が同じ農産物を同じ量を取引しても、水の使用効率に差があればウォーターフットプリントに差が出ることになります。
実質的な水の移動を見る上で有効な資料と思いますが、各国の水の輸出量が不明な事と、仮想水で紹介されている品目ごとの水の使用量より30%程少ない傾向になっています。
数値の根拠をもう少し調べる必要があるように思ています。

投稿者 hakosuka : 2009年1月4日 21:17

hermes app 新しい「農」のかたち | 農産物の水の自給率

投稿者 france hermes bags : 2014年1月29日 02:29

hermes 4 euro 新しい「農」のかたち | 農産物の水の自給率

投稿者 pink hermes handbags : 2014年2月2日 18:30

hermes europe website 新しい「農」のかたち | 農産物の水の自給率

投稿者 Spain Hermes bags : 2014年2月6日 18:48

新しい「農」のかたち | 農産物の水の自給率

投稿者 wholesale bags : 2014年2月9日 22:28

hermes paketzustellung zeiten 新しい「農」のかたち | 農産物の水の自給率

投稿者 Spain Hermes bags : 2014年2月18日 15:58

cheap original hermes bags 新しい「農」のかたち | 農産物の水の自給率

投稿者 hermes handbags new zealand : 2014年2月21日 11:21

コメントしてください