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2014年12月07日

『都市型直売所の可能性を探る』8~農業集団も追求力の時代へ~

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現代の農業(近代農業)の問題点として、農薬(除草剤)、化学肥料などによる農産物の栄養価の低下や人体・環境への悪影響が周知され、さらにガン増加の原因であることが解明されています。野菜を食べるほどにガンになってしまうのです。(リンク

農薬や肥料を使用することは近代農業では当たり前のことですが、野山に生えている野菜や果物は、農薬や肥料などを撒いているわけではありませんが、それほど被害に合うわけでもなく、元気に育っています。

ではなぜ近代農業では、農薬や肥料が必要なのでしょうか?
人の体を作る食べ物を生み出すはずが、なぜ人体や環境を壊してしまうことになるのでしょうか?

今回はこの不整合な現実に立ち上がった農業集団「みずほの村」「ナチュラルハーモニー」を紹介していきます。

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●『土づくり』を徹底的に追求したみずほの村の事例

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「最近の農産物は、大量生産のために化学肥料や農薬を使った集約的農業で作られるため、おいしさや栄養価は低下していると言われている。やはり土壌は農産物を育てる重要なカギになっている。」とみずほの村代表:長谷川氏は著書【「食える農業」の秘密】で述べています。

みずほの村は、農薬と化学肥料によって大量生産を行った近代農業の問題点が土壌追求の不十分さにあると考えています。土壌に合わない肥料を与えるから、余分に肥料が必要となり、余分に肥料を与えるから余計に虫や雑草を呼び、過剰な農薬が必要となる。そうなると栄養価が低く(≒おいしくない)、農薬漬けの低品質の農産物しかできない。

だから、みずほの村では土壌分析や堆肥製造など『土づくり』を徹底的に追求し、高品質の農産物を作り出しています。

みずほは農産物の品質重視を理念に掲げている。そのために土壌分析を自ら行い、施肥設計ソフトまで導入して、土壌成分のバランスまで考えて農産物を作っているのだ。

いくら土壌分析や施肥設計を行っても、実践できなければ効果もない。分析とは現状の把握にすぎず、例えば、土壌の養分が少なくて痩せた土地だというのは、単なる診断結果だ。その結果に対して、不足している養分を与え、作物が生長する土壌環境に整えるのが土づくりである。こうした環境に欠かせないのが堆肥となる。

堆肥にもいろいろあり、不用意に堆肥だから何でもいいと思っていると、そうではない。
みずほの堆肥は、剪定枝を粉砕したチップと牛糞と鶏糞を混合して生産したもの。剪定枝から作った木片チップを加えることで堆肥づくりの水分および炭素率の調整がスムーズとなり、発酵が促される。

堆肥を施す場合も、作物ごとの栄養生理に合わせたやり方が望ましいと考えている。もちろん専門家に相談し、アドバイスをもらうが、こうした土壌環境をよくした畑で育った野菜はビタミンCなどの栄養価において、標準地の2倍になるものまで出てきている。
例えば、同じキュウリでも栄養分が標準地の3倍になっていたり、5倍のビタミンのトマトが収穫できるようになるかもしれない。おいしさだけでなく、そうした栄養価の高い農産物の実現をはかることにも努力している。それがみずほの理念である品質重視のやり方でもあるからだ。

【みずほの村が追求する土づくり(リンク)】より引用

このようにみずほの村では、徹底した事実追求に基づいた『土づくり』によって、栄養価が2~5倍≒植物の生命力を上昇させた鮮度の高い農産物を生産しています。(リンク

さらにバランスの良い土壌環境によって病気や害虫被害が起こりにくく、農薬を減らして安全性を高めた高品質の農産物を実現しています。

 

●『種づくり』を追求したナチュラルハーモニーの事例

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「「種」の問題があります。種はいまほとんどが輸入品です。たまに国産もありますが、いずれにしてもほとんどの農家が外国産の種を買っているのが現状です。」とナチュラルハーモニーの代表:河名氏は著書【野菜の裏側】で述べています。

ナチュラルハーモニーは、近代農業の問題点はみずほの村と同様に農薬・肥料による土づくりの不十分さにあるとし、さらにその根本には『種』の問題があると考えています。

土壌に合わない外来の種(F1種など)を使えば、作物が環境適応出来ずに肥料が必要となります。肥料を撒けば今までになかった不自然な環境を生み出し、自然の自浄作用として虫や草が茂ります。その虫や草を作物に害為す害虫や雑草と呼んで農薬を撒いているのが近代農業の現状です。

肥料を撒くから農薬が必要となり、その根本問題は土壌に合わない『種』にあるとナニュラルハーモニーは考えています。

本来作物とは地域に根ざし風土に合った植物の姿であり、自家採取して種を固定したものは固定種と呼ばれています。固定種は人の手を介さずに自然の中で根を張り、芽を吹いていく「自立型(環境適応型)」であるのに対し、人為操作の種(F1種など)は、肥料・農薬など人の手が必要になる「依存型(不適合型)」であると言えます。

さらにナチュラルハーモニーでは、農業の常識を破る「連作」を推奨しています。

同じ畑で毎年同じ野菜を作る。
こう書くと、当たり前じゃないかと思われそうですが、農業の世界では必ずしも当然のことではありません。一般栽培や有機栽培では、畑の1カ所で特定の野菜を作り続ける連作を行っていると病気が出やすいといわれています。

この現象は、たとえば大根やジャガイモなど、特にねもの野菜に見られます。そのため、この「連作障害」を避けるため、畑の場所を変えて栽培することが一般的に行われています。

でも、野や山の草木は毎年同じ場所に姿を現します。もし本当に連作が植物にとって良くないことなのであれば、野山の草木が同じ場所に育つのは、ちょっとおかしいことだと思いませんか。

たくさんの農薬や肥料を畑に入れているために、土壌の生態系、自然界のバランスが崩れてしまい、連作することで1カ所の畑でその状態が長く続くことによって、病気が出てしまうというわけです。

自然界では、同じ世界が繰り広げられていくことになり、植物の生態がその環境に適合していきます。ごく当たり前な自然な現象です。

野菜も同じ場所で育ち続けることで、土壌にどんどん馴染んでいきます。
そのような理由から、土が出来上がっていくにつれ、連作をしなければならなくなります。

事実、連作したほうが収穫量が上がり、野菜の質も良くなっていくという結果が出ています。

【自然の摂理に則れば、「連作した方が収穫量が上がり、野菜の質も良くなっていく」(リンク)】より引用

ナチュラルハーモニーが行う自然栽培では、自立型の種を用いて、自らが種を採り、採った種で次の野菜を育て、さらに連作によって田んぼや畑が置かれる気候風土・環境に適した『種づくり』を徹底的に追求しています。

このようにナチュラルハーモニーでは、自然の摂理に基づいた徹底した事実追求によって、無肥料、無農薬の安全性の高い農産物を生産しています。さらに環境適応型の種によって、植物の生命力が高く鮮度の高い農産物を実現しています。

 

●まとめ
「みずほの村」や「ナニュラルハーモニー」が勝ち続けていることは、農業も追求力の時代に入っていることを示しています。

1970年の貧困の消滅によって、市場は縮小し続け、市場原理は崩壊の危機に直面し、脱市場の新しい社会収束の潮流が生まれています。

また私権圧力が衰弱し、抑圧されていた人類本来の本源性が顕在化したことで、人々の潜在思念は本源収束(共認収束)へと大きく転換し、本源回帰の大潮流(節約志向(もったいない)、健康・食・医に対する意識の変化等)を形成しています。

この大潮流を基盤として、お上の暴走((2011年原発の騙し・隠蔽、2012年不正選挙etc)が加わることによって顕在化したのが、「本源収束⇒脱お上の自給志向⇒自考期待」の潮流です。

さらに市場(私権)崩壊の危機、不正選挙を契機とする秩序崩壊の危機と、現代人は絶対絶命の逆境に追い込まれたことで最基底部の適応本能が生起し、全大衆的に一気に「なんで?」「どうする?」と追求過程に入っています。

つまり、「統合階級の暴走→社会の崩壊」という旧い現実の終局的危機と、「本源回帰→共認収束」という新しい意識潮流の合流点に顕在化した「自給志向・自考志向」(自分の頭で考えるしかない、自分たちの生きる場は自分たちの手でつくってゆく等)、その収束先として、いよいよ「追求力の時代」が登場しているのです。

【経営者が語る!『今、何をなすべきか?』2~時代の大転換:’13年、追求力の時代に入った~(リンク)】より引用

現代は、追求力が企業の生き残りを賭けた勝敗を分ける、追求力の時代へと入っています。それは農業集団においても例外ではありません。

れまでの近代農業は、市場原理に立脚して利益獲得を最優先とし、自然の摂理を無視(≒思考停止)した大量の肥料や農薬を使用する大量生産、大量消費を前提としてきました。しかし、これでは人も社会も環境も危機的な状況に直面していくばかりです。

これからの農業に必要なのは、自然の摂理に立脚した事実追求を行っていくことです。「土づくりを追求したみずほの村」や「種づくりを追求したナニュラルハーモニー」は、不整合な現実に立ち上がり、自然の摂理に立脚した徹底的な事実追求を行っているからこそ、追求力の時代に勝ち続けている農業集団だといえるのです。

投稿者 noublog : 2014年12月07日 List   

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