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2014年11月24日

『生命の根源;水を探る』シリーズー4 ~水自身は化学反応を起こさない万能溶媒~

溶質・溶媒・溶液
先回は ~先祖はみんな海中生物☆乾燥適応させて砂漠へ進出した動物に迫る!~ と題し、砂漠という極限的な水不足の環境で乾燥適応してきた生物について扱いました。今回は、シリーズー2記事で探った『水の持つ驚異のエネルギー』リンク)に続き、水の特性として注目すべき重要ポイントを固定したいと思います。

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シリーズー2記事では、基本的な水の構造と、水の『エネルギー』に着目し、その終盤には、様々浮かんできた疑問やさらなる追及ポイントも書きましたが、これを調べていたところ、ネット上のQ&Aサイト(リンク)に端的な見識を見出すことが出来たので、これを参考にして再度、重要ポイントを掘り下げ、認識として固定したいと思います。

 

◆水は万能溶媒(水で溶けないものは、ほとんどない)
・水は、あらゆる物を溶かすという意味で「万能溶媒」と呼ぶことができます。有機物、無機物、金属を問わず、地球上の物質で水に溶けないものはないのです!(例えば、一見溶けそうにない金属でも、湧水とか地下水とか温泉水等には、とても長い時間をかけて金属が溶け込んでいることが多いのです)
そして、生きるために様々な要素を体内に取り込んでエネルギー源としている我々生物にとっても、水は「最適な溶媒」であるといえます。

「溶媒」とは、固体、液体あるいは気体を溶かす物質の呼称ですが、『水は、それ自身は化学反応を起こさない(常温では別の物質に変化しない)安定物質』であるという点が重要ポイントです。
イメージとしては、物質が変質し溶けたりする時、何らかの化学反応が起きているイメージがあるかと思いますが、水それ自体は化学的に安定した状態を維持しながら、対象物の分子結合を「断ち切る」ようなイメージです。

 

では何故、水はあらゆる物質を溶かすことが出来るのでしょうか? 最も特徴的な2つの要因を挙げておきます。

 

◆1.水は電気的存在
シリーズー2でも扱いましたが、水分子はHとOが共有結合したもので、その双方に極性の異なる腕(双極性)を持っています。水分子の中の「電荷」が偏っているのです。 このため、「+」「-」どちらの分子ともイオン結合することができるというのが水分子の際立った特徴です。

Cq98ep14[1]
ですから、NaClが溶解するとNa+とCl-が水分子のそれぞれ両側と結合します。
例えば、水に濡れるということは、その物質の表面の分子が水の「+・-」どちらかと結合するということです。

 ※水は双極性を持つ電気的存在 → 他物質の分子と容易にくっつく = 溶ける

 

◆2.水は活発な振動体
水分子のもうひとつの特徴は、常温でたいへん活発な運動をしているという点です。
1個の水分子は、その周りに近くの複数の水分子を引き寄せ、水や氷では相互に結びついて水分子の複雑なネットワークをつくっています。しかも常に同じ分子と結びついているのではなく、1秒間に1兆回もくっついたり離れたりしています。

さらに、他の物質と接する状態でも、水分子は相手分子との結合・解離を繰り返しながら毎秒数千回というモーレツな振動を繰り返します。このため、如何に強固な重金属の塊といえども仕舞いには水に溶かされてしまいます。(猛毒として問題になっているPCBなども、解離度の高い水は分解してしまうといわれています)

水素結合の写真
 

くどいようですが、ここでも何らかの化学反応が起こり、そのエネルギーが使われているというわけではありません。振動により結合が断ち切られるのです。

どんなに強固な結合も、上記ふたつの特徴による水の侵食には耐え切れない、といえるでしょう。

 

◆まとめ
水は、「双極性」「極めて活発な振動をする」という特徴で、地球上のあらゆるものをその中に溶かし込んでいますが、特筆すべき有用性は、
『水自身は化学反応を起こさない』ために、物質を溶かす役割を果たしながら、「物質の運搬・循環・排出」や「熱の運搬・調節」を行い、「毒物の希釈」なども担っている点です。
水は高機能な万能選手なのです。我々生物は、この様な万能溶媒である水から、たくさんの恩恵を得ているわけです。

 

・・・しかし、水は生命にとって必要不可欠な万能溶媒なのはわかったけど、全て溶けてしまっては、生命体それ自体が存在できなくなる!?との危惧をもたれた方も少なくないと思います。生物は何故溶けずに存在しているのか?(・・・お分かりですか?)

 

それは、生物が水に溶けない「油脂」を体内に作り出したからです。油脂を作り出すことで生物は、水という物質の様々な性質を利用することが出来るようになりました。

水と油p0908_3_2
40~60兆個もの細胞で出来ているといわれている人体の細胞を覆う細胞膜は、この油脂と水で出来ています。
次回は、この油脂と水の関係、さらに、選択透過性という際立った特徴で、細胞内と細胞外をつないでいる「アクアポリン」の構造に迫っていきます。

生体膜
植物の栽培を考えるにあたり、今回扱った水の特質と、油脂との関係、そして細胞膜の構造解明が鍵を握るのではないか?と予感しています。
・・・どうぞ、お楽しみに

(本記事の写真は、以下のサイトからお借りしました。ありがとうございました)
http://unknownjuku.info/2839.html
http://www.campus.ouj.ac.jp/~hamada/Quantumch/subject/cq/chap14/pattern/cq98ep14.html
http://www.spring8.or.jp/ja/news_publications/research_highlights/no_54/
http://kids.gakken.co.jp/kagaku/nandemo/0908_3.html
http://blogs.yahoo.co.jp/takayuka0091/62742279.html

投稿者 noublog : 2014年11月24日 List   

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