農を身近に★あぐり通信vol.14:知っていますか? 空から撒かれる毒について / 農薬の航空散布 |
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2013年12月12日
シリーズ「自給期待に応える食と医と健康」(5)日本人に適した食材と料理を陰陽学から考える!
前回シリーズ「自給期待に応える食と医と健康」④身体のバランスと酸アルカリの関係では、からだの健康を維持する上では、酸とアルカリ性の食品をバランスよく摂ること、また、それらの食品がからだにどう影響するのか、特性を知ることが重要であることを勉強しました。
一方、摂取する食品のバランスを考える上では、昔から知られているものに、中国で生まれた陰と陽という概念があります。最近は、西洋医学では治療不可能な患者が、あれこれ知人やネット探索を頼りに、東洋医学による治療を模索・実践し、回復に向かうケースがかなりの数で確認されているようです。
以下、るいネット魚料理には大根、肉料理にはじゃがいもが付いている。ちゃんと意味がある。~『食の陰陽学』より より引用
私の母が病にかかった。小脳が萎縮していき、運動能力がどんどん低下していく病気だ。
某有名大学病院では、難病指定された病気で、治療は不可能、3年後には車椅子生活になるだろうといわれる。
そして、治せないけど薬は飲んでくれと言われた。なんだそれ?医者?
こうなったら東洋の医療に頼ってみるしかない。ということで、あれこれ知り合いやネット伝手で可能性があるところを模索。
確かに紛い物も沢山ある世界だが、真っ当と直感的に感じる東洋医にはきちんとした理があることが最近わかってきた。
それがとても面白い世界で、なるほどという部分がかなりある。
現在取り入れているのは、『食の陰陽学』を使った食膳療法と『鍼灸』だ。
効果ははっきりと出てきて、治すのは無理と言われた母の容態も少しずつではあるが回復に向かっている。
今回は、この記事にあるように、食事は、酸とアルカリだけのバランスだけではなく、東洋の陰と陽という概念も参考にしながらバランス良く摂る方法、病気にならないからだをつくる食材や料理について紹介したいと思います。
1.陰と陽の法則に基づくバランスとは?
陰陽とは、中国の思想に端を発し、森羅万象、宇宙のありとあらゆる事物をさまざまな観点から陰と陽の二つのカテゴリに分類する思想です。
以下、http://web.joumon.jp.net/blog/2012/04/001390.htmlより引用
宇宙の諸天体や地球が放出する輻射エネルギー(陽電子と陰電子)に適応するように(バランスするように)生物や人間はサヌキ(陽電子)アワ(陰電子)を摂取・排出しなければならない。それが食や性という機構の本質的役割(本来性)である。 そのことを指しているのが「食と性の本性は、宇宙の生気(イブキ)につながり、食本能、性本能の現象も、宇宙的広域からの作動によるものである」という一文であろう。
~中略~
『体温を上げる料理教室』(到知出版社)の著者若杉友子氏は、宇宙は陰陽から成り立っており、人間の体も食物も陰陽の組合せであること、そして、陰陽の法則に基づいてそのバランスをとるような食生活が必要であることを提起している。
中国では少なくとも2,000年以上前から、経験に基づいた独自の栄養学が伝えられ、食物や料理法に関する書物が多数残されてきました。これら中国伝統の栄養学は、食物が体内に入ったときにどのような作用をするのか、その効能・効果について記されているのが特徴です。たとえば、ネギは発汗・利尿作用があり、梨は咳止めの効果を有し、ホウレンソウは補血作用があるなどです。
以下、食物の陰陽表をhttp://www.chiikeys.jp/tieup/macrobi/keywords/0702.htmlより引用紹介させてもらいます。
簡単に言えば、 「陰」は体を冷やす作用のある食べ物、「陽」は体を温める作用の食べものです。暑い夏は「陰」の食べ物で熱い体を冷まし、寒い冬は「陽」の食べ物で冷えた体をあたためます。但し、冷え性の人は、夏でも「陰」の食べ物を食べすぎないようにするなど、それぞれの体質によっても、食べ物や食べる量を変えます。また、その時々の体調によっても「陰陽」を食べ分ける必要があります。例えば、女性は体を冷やしてはいけない生理の前には、夏野菜など「陰」のものは食べないなど。
この表を見ると分かるように、現代の日本の食生活には「陰」のものや冷たいものが多すぎるように思います。ただでさえ日本人は野菜、大豆加工品、海藻を多く摂る民族であるにも関わらず、戦後の食生活は、さらに乳製品、コーヒー・紅茶、油、お酒など、陰性の強い食物を多く摂りすぎです。
体は正直です。そのとき体が必要としているものは、不思議とおいしく感じるものです。従って、健康であれば、夏は体を冷やすトマトやなすを食べたくなります。一方、冬でもトマトやなすが食べたくなったら、体が熱を持っていて、冷やしてほしいと訴えているのかもしれません。
今日の社会はこのような体の声を聞きづらくしているのかも知れません。テレビで納豆が体にいいと放映されると、体が食べたくなくても、頭だけで食べなければいけないと思いがちです。どんなに体にいい食べ物でも、悪い面の一つや二つはあると思わなければなりません。
2.日本料理は何故優れているのか?
日本料理がつい先日、世界遺産に登録されることが決まりました。
以下は
http://www.data-max.co.jp/2013/01/23/2013_4_mr_1.htmlより引用
図はhttp://www.mahoroba-jp.net/newblog/?p=9907よりお借りしました
和食ブームを反映して、世界各国で和食ファンが増加している。日本貿易振興機構(ジェトロ)の調査によると、アメリカにある和食の店は、現在1万4129軒で、10年前の倍以上になっている。ヨーロッパでは、フランスに約1,000軒、イギリスには500件以上もある。香港にも多く、鮨屋や居酒屋などが900軒もある。
日本人は、その食べ物が持つ健康効果を子供たちに分かりやすく伝える手段として比喩を多く使ってきた。一種の食育である。「畑の肉」は大豆(肉に劣らないほどタンパク質を含む)、「海の玄米」はイワシ(イワシは頭から丸ごと食べられ、しかも栄養豊富な点が玄米にそっくり)である。「畑の腹薬」は大根(消化を助け、胃のもたれを解消する)である。大根は「生でよし、すってよし、煮てもよし、干して、漬けても、これまたよしよし」と言われ、昔から台所の千両役者だった。
日本人ほど器用に、自然界から微生物を取り込んで発酵食品(味噌、みりん、酢、日本酒等)を作って食文化を豊かにし、健康管理(製造過程で用いる”麹”には酵素が100種類以上含まれている)に役立ててきた民族も少ない。特に味噌は「十徳」があると言われ、嫁に行く娘にしっかり味噌汁作りのコツを教えるのは母親の重要な役目だった。
六世紀に、伝来した仏教の信仰を持った日本人は、慈悲の心から肉食を止め、その肉の代替フードとして大豆のタンパク質を選ぶ。魚介類は食べるが、肉食はしない、この肉食回避は明治時代まで続くが、栄養的にも、味覚的にも全く困らなかった。大豆には、35%ものタンパク質が含まれており(牛肉で18%、豚肉で20%、マグロの赤身で26%)、さらにタンパク質の優劣を決めるプロティン・スコアが100であり完璧なのである。この大豆の加工品は、煮豆、黄粉から始まり、味噌、納豆、豆腐、油揚げ、凍り豆腐(高野豆腐)など多岐に亘る。
世界で認識されている味は塩味、甘味、酸味、苦味の4つが基本であった。しかし、味の研究が進んで、最近、和食独特の「うま味」(UMAMI)も人間共通味であることが判明、5番目の味となった。
我々は、「医食同源」というと、その言葉の由来から「中国料理」を連想することが多い。しかし、「和食」は「中国料理」に優るとも劣らないほど「医食同源」である。
今こそ、日本人自身が、老若男女を問わず、「おいしい!美しい!健康にいい!」と3拍子揃った理想食である和食に回帰すべき時である。世界無形文化遺産に登録され、逆輸入され、その偉大さに気づくのではいかにも情けないではないか。
上記の記事のように、日本食の特徴は、一汁三菜と言われ、主食である「ごはん」(炭水化物)をベースに「汁」、魚介類や大豆製品などの「主菜」、海藻や根菜、きのこ、豆類などの「副菜」をバランス良くとることです。
また、日本食は陰と陽の法則からもバランスの良い食事です。野菜、大豆加工品、海藻など陰の食品を多く摂る代わりに、魚介類、醤油・味噌の発酵食品など、陽の食品があらゆる料理に組み合わされています。戦後は西洋の肉食も和食に採り入れられましたが、日本料理には、互いの食材の欠点を補う工夫がなされ、前回の記事で扱った酸・アルカリのバランスも抜群に良くなっています。
◎陰陽と酸・アルカリの組み合わせ
【陽性の酸性食品】 ⇔ 【陰性のアルカリ性食品】
焼き魚 大根おろし
生魚・・・かつお しょうが、ワサビ
マグロ、トロ ワサビ
サバ 酢
獣肉・・・牛肉 おろし生姜とネギ、ニンニク
豚、鶏 おろし生姜とネギ、ニンニク
穀物 野菜全て
上記は「健康と病気の違いって何?」より引用させてもらいました。
医食同源という言葉がありますが、昔の人はお医者なんかいないから、医というのは薬の事、食べているものが薬と思ってきました。身をおいている土地でとれる旬の食物を食べ、その土地・季節に合った身体をつくることが、健康を維持する上で重要という考え方です。また、その土地で採れる物はそこの気候や土地に育まれたものです。古くからの伝統料理というのはその土地で収穫される食物で、その土地にあった調理方法で食べることも考えていかなければなりません。
さらに、日本では、四季の移ろいがあります。一年を通して収穫できる作物は変わり、獲れる魚や動物も変わるのが本来の姿。これがいわゆる“旬”というものです。現在ではハウス栽培(促成栽培)の普及や養殖技術の進歩で1年を通して、同じものを口にすることが出来ます。しかし、同じ作物でも時期によって美味しさや栄養価は全く違います。これが、旬の食を楽しむことの大切な点です。スーパーに行けば、なんでも食材が揃ってしまう現代ですが、からだの声を正直に聞いて、あえて地元の季節感のある食材を食べることを皆さんも考えてはいかがでしょうか!
投稿者 staff : 2013年12月12日 TweetList
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