シリーズ「自給期待に応える食と医と健康」 ④身体のバランスと酸アルカリの関係 |
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2013年12月05日
農を身近に★あぐり通信vol.14:知っていますか? 空から撒かれる毒について / 農薬の航空散布
今や当たり前となっている農薬。日本では、戦後1958年から農薬散布が始まったようです。
今回は、この農薬散布の歴史について詳しく書かれてあるブログ投稿「知っていますか? 空から撒かれる毒について / 農薬の航空散布」をご紹介します。
なぜ戦後農薬が増えたのかという理由として、戦争中の毒ガスを金に換えるためにという事実が明らかにされています。そして、農薬歴史事実を元に、無農薬にこそ補助金をという新しい政策提言もされています。
食の安全安心を考える上で、特に重要な認識となりますので、消費者・生産者の方もぜひご一読ください
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┃農薬の航空散布日本初は、神奈川県
1958年。神奈川県で水銀粉末が有人ヘリにより空から撒かれたのが、日本初。これは、稲に発生する「いもち病」を予防するためであった。
「その後1991年、住民の反対により中止。」
すごいですね。住民みんなで反対して空からの農薬散布が中止になったのですから。もし、私たちが、原発に反対と声を上げるように力を合わせられたら…農薬散布を中止させることができるかもしれません。
しかし、農薬が撒かれていることを知らない人も多いし、農薬の危険性を知らない人も多すぎます…。この辺が問題かもしれません。ひとりでも多くの方がこれに気づいて何らかの行動を起こして欲しいと切に願っています。
┃農薬の空中散布の歴史
1958年 神奈川県で始めていもち病対策に、水銀粉末が撒かれる
1962年 法的根拠のないまま、農林水産事務次官通知「農林水産航空事業促進要綱」による行政指導で本格化。
1988年174万haをピークに、減反政策により作付面積の減少。空中散布反対運動で減少傾向になる。
しかし、有人ヘリに変わって登場したのが「無人ヘリ」
2002年有人ヘリ散布面積がおおよそ45万ha前後に減少したにもかかわらず、無人ヘリによる散布実績が39万haと増加したため、全体として、大した減少にならなかった。
┃空中散布面積 (注:ミバエの防除面積は含まない)
水稲‥‥‥87万ha 有人ヘリ‥48万ha 無人ヘリ‥39万ha
(有人ヘリは2003年計画・無人ヘリは2002年実績/ 反農薬東京グループHP)
2003年のデータなので、多分現在は、無人ヘリが有人ヘリを上回ったことでしょう。知らないうちに、無人ヘリの農薬散布がどんどん増えていることに、是非関心を持ってください。
┃県別航空散布面積、ダントツは秋田県
↓ 県別空散防除面積
農薬散布 表
青色は、有人ヘリ(2003年計画)、赤色は、無人ヘリ(2002年実績)
2002年。各県の航空散布による防除面積をみると、稲作地帯の秋田県がダントツの16万ha。ついで北海道の8万ha。山形、福島、千葉、茨城がそれぞれ4万ha。関東から北海道にかけて大量の毒が空から撒かれています。
農薬は神経毒。神経は脳から全身に張り巡らされている。と言うことは全身に及ぶ恐ろしい症状で苦しむことに‥。ちょうど、欝のCMがテレビで流されているとき、無人ヘリによる空中散布が主流になっている時期でした。もしかしたら、それらを見込んでいたのかもしれないと、勘ぐったりもするのです…。
また…この表を見て、中部、関西、四国、九州の人は安心しないでください。果物の産地だと、コンプレッサーで一年中農薬がまかれていますし、そうでなくても、部屋に防虫剤や殺虫剤を使う人は同じ危険性を自ら作っているのですから…。日本は本当に恐ろしいぐらい毒まみれの国です。まずはそのことに気づかなければ…
┃高濃度の毒
農薬は、本来あってはならないもの。それがなぜ、戦後これほどまでに多くなったか?
それは、戦争で使われていた、毒ガスや爆弾の再利用をするため。要するに捨て場に困った毒ガスは殺虫剤に、爆弾用の窒素や廃棄物は、化学肥料と名前を変えて畑や田んぼの土に捨てられたのです。つまり、ゴミをお金に変えて儲けるために‥。私たち国民の健康も環境も全く無視されたまま。
最近、化学物質過敏症の人を紹介するとき「ごくごく微量の化学物質に反応する人たち‥」と何度も何度もメディアで紹介したところから、国民は、日本中全て、微量の化学物質しか存在しておらず、とても安全と勘違いしてしまいました。
しかし、2000年ごろから、主流になってきた無人ヘリ。実は、これで散布される農薬の濃度は、考えられないほどの高濃度なのです。
農薬の使用量
上記の表を見ると、無人ヘリの場合。1000ccの水に溶かす農薬の量の多さがわかります。
上記の表は、10aの面積に撒かれる農薬の量です。撒かれる農薬の量を見ると、地上散布は100リットルで、無人ヘリは8リットル。断然地上散布が多いように感じます。しかし、濃度がそれぞれ違うので、純粋な農薬の量を計算すると、地上散布では、100ml、無人ヘリでは2664mlとなりました。恐ろしくなる量です。
つまり、無人ヘリは高濃度の農薬を大量に撒いているということが明らかになりました。
┃無人ヘリにした真の理由
地上散布の場合、散布者への被爆があっても急性毒性が発症しない濃度で散布していました(しかし、慢性毒性は視野に入れていない)。その分回数を増やすよう勧められていましたが、農業者は、1、2回しか撒かず、農薬メーカーの勧める規定量を散布しなかったそうです。これじゃ~商売上がったりってことだったのでしょうか?
なぜって、同じ1000ccの農薬を撒くのに、地上散布では年に2回撒いても農薬使用量はたったの2ml(おちょこ一杯もない)。しかし無人ヘリにすると‥たった一回撒いても、農薬使用量333ml(コップ一杯半も)。散布する回数を減らしても、農薬の販売量は、格段に多くなりました。減反で作付面積が減っても農薬の販売量は増えるわけですから、農薬を売って儲けようとする者にとって、空中散布というシステムほど安心なものはないと思います。つまり、農薬が空中散布されるようになったのは、虫による被害というより、農薬で儲けたいという意図が目に見えないところで働いているように思います。
「今、日本人の目・肩・腰が固まっています」ってCMで言っていますが。こんなに神経毒(農薬)をまいているんだから、当然といえば当然。
私が、農薬に反応し様々な症状が出ることを話すと‥。「あなたは、化学物質過敏症なんでしょう。ごくごく微量の化学物質に反応するのよ。気の毒だわ~。お大事にね~」ってことになり‥。「いやいや、違んです。微量じゃなくって、高濃度なんです。」といっても‥わからない多くの人たち。
┃気楽な農薬散布
警告して撒けばいいってものでもありません。しかし、有人ヘリの場合、学校、病院、人家、上水道施設などの周辺では、散布しないこと、また散布日時を地域住民に知らせることが指針に盛り込まれていました。(本来は、絶対にまいてはいけない代物。)
ところが、無人ヘリによる散布は飛散が少なく操縦者への暴露の恐れもないという理由で、薬液タンクの容量から5~6倍(時には3倍)という高濃度で、しかも有人ヘリの時のような配慮をしないまま散布されているのです。
特に低空で飛行することで、ダウンウォッシュ効果により高濃度の農薬が巻き上げられ、風で移動する危険性が高いのです。
物珍しさもあって近くで見物していた市民が気分が悪くなったという事例もよくあるそうです。これらによって化学物質過敏症にもなると言われていますが‥。空から散布されている農薬はごくごく微量ではなく「高濃度の農薬」であることを忘れてはいけません。
┃増え続ける登録農薬
無人ヘリになってから、散布が許可される農薬の種類が年々多くなっているそうです。(どうして~?高濃度の毒がどんどん増えるじゃないですか!!!)
2004年には
殺菌剤………42種類
殺虫剤………31種類
殺虫殺菌剤………12種類
除草剤………33種類
植物成長調整剤………6種類
計124種類となっています。
このような傾向は、農林水産省航空協会の「無人ヘリ用農薬適用拡大を促進へ (H12年11月25日 / 農林技術新報) 」という方針からだそうです。国が進んで、私たちの健康と環境を破壊する計画を立てているのですから、呆れるばかり!!!
無人ヘリが主流になって、有人ヘリでは許可にならなかった毒性の強い農薬や、水稲以外の農薬にまで散布適用が広がってきたことは…原液に近い高濃度の農薬を大気中に常時滞留させることとなり、地域住民の深刻な健康被害と環境破壊が急速に進むのは目に見えています。
┃ドイツではなく、日本が世界一
多くの人(一般市民も含め)は、農薬はなくてはならないと思い込んでいます。もし、それが本当なら…、農薬を開発したドイツこそ世界一農薬が多い国でなくてはならないと思うのです。しかし、農薬を開発したドイツの約十倍も日本の農薬使用量が多いのです。「ひどい!」の一言
2010年農薬使用量(主要国)
┃斑点米ではなく、農薬散布されたお米を格下げするべき
農薬の必要性として斑点米の問題を持ち出してきます。なぜ、これが問題かというと、斑点米が1000粒に2粒混入すると2等米になるからです。お米の価格が60kgあたり、1000円から1500円差がつくそうです。
消費者団体の方(?)だったと思うのですが、斑点米の混じったお米を試食したそうですが、味に全く変化はなかったそうです。農水省が、もし、国民の健康を優先するなら、斑点米を二等米に格下げせず、農薬散布されたお米を二等米に格下げしたでしょう。
ここに農水省と農協と農薬製造会社との関係が深いということがわかってきます。私たちの見方であるはずの農水省や農協が、いつの間にか私たちに毒を撒くものとなったのですから、怖い世の中です。
わたしは、農薬の空中散布により、住む場所を奪われ、健康を奪われ、親戚づきあいも、兄弟づきあいも全て捨てました。ですから、皆さんにお願いしたいのです。放射能だけに心を奪われないで、農薬についても同じように考えて欲しいと…。
┃農薬はどんな農薬もダメ
ある人は、DDTはダメだよと言い。ある人は、マラソンがダメだと言う。また、ある人は、スミチオンがダメだと言い。またある人は、ネオニコチノイドがダメだと言う。しかし、私は思う。どの農薬がダメというのではなく。農薬全てがダメだというふうに考え、その姿勢に一貫性を持っていかなければならないと…
┃禁止された農薬のゆくへ / 健康ファミリー 2002年11月号より
今から31年前、農作物の殺虫剤やシロアリ防除剤として使われていたDDT、ディルドリン、アルドリン、エンドリン、クロルデン、ヘプタクロルの6つの有機塩素系農薬は、急性毒性や発ガン性、環境ホルモンなどが指摘され、製造、販売、使用が禁止されたのです。もともと農薬は、戦争で使われた毒ガスや爆弾で、廃棄に困ったゴミ。それを再利用したものが農薬。だから、どっかでその毒性がバレて、結局廃棄に困ってしまう。つまり、毒ガスを殺虫剤、爆弾を肥料と名前を変えても毒は毒ってことだと思います。
それで、DDTを始め6つの農薬が製造、販売、使用が禁止されたわけですが、当時の農水省は、これらの農薬を処分する方法として、日本各地に分散して埋めるように指導したそうです。つまり、31道府県の174箇所に3680トンを埋めたというのです。しかも、1972年には、1件3トン以上の大規模埋設に補助金までつけて…。(補助金って悪いことをするときに出されるものなのでしょうか?)
補助金を使って埋めた43ヵ所約2千159トン
その他は131ヵ所約1521トンが判明
その内訳は…
北海道の約566トン(2ヵ所)
新潟県の約475トン(97ヵ所)
岡山県の約455トン(1ヵ所)
滋賀県の約250トン(2ヵ所)
愛媛県の約226トン(1ヵ所)
と読売新聞は報じています。
DDTやアルドリンなど有機塩素系農薬が、全国で3680トンも埋められたまま放置されて30数年がたっています。国がいかに人々の健康や環境をないがしろにしているかがよくわかると思います。
中国ぎょうざ事件では、いかにも国民を守っているかのような振りをしていましたが…。結局国は、国民のことはそっちのけです。禁止になった農薬は土に埋め、現役の農薬は空から撒き続けているのですから。
┃農薬購入補助金ではなく、無農薬農家に補助金を
驚くことは、農薬を使わない農家にではなく、農薬を購入する農家の人に市が補助金を出すという規程があることです。少しでも、人々の健康や環境を考えるなら、自然農農家に補助金を出して欲しいものですが…。お金と繋がった社会システムは、こんなところでも不思議な行動をとるのです。
たとえば「うるま市農薬購入補助金交付規程1条」をみてみると…「農作物の病害虫を防除するため、市内の団体または個人が農薬を購入するとき、その経費に対し、予算の範囲内において補助金を交付する」と…。本当に呆れますね。何もかもが狂っていてる。でも…だれもその狂いに気がつかないほどその狂いに慣れてしまった…
┃自然農の案内 / 私たちの希望
奈良と三重県の県境に、自然農の研究家「川口由一」さんが指導する田んぼがあります。そこでは、「耕さず、肥料・農薬を用いず、草々・虫たちを的にしない」自然に沿った農を実践しながら「学びの場」として「自然農塾」が開かれています。
実践を通した、自然農の学びは、具体的な方法・技術を身につけながら、自然のこと、生命のこと、自分のことを明らかとして、誰もが安心してその命を全うし、平和に生きることができる全てを学んでいくそうです。
月謝などが不要で、現在生活が苦しいという方でも、行く費用さえあればどんな人でも学べます。こんなところがあるのですから、畑や田んぼを持っている方是非、ここで学んでみてください。
↓赤目自然農塾
「赤目自然農塾」ホームページ
┃まとめ
金儲けのために自らに毒をまく生き物がいるでしょうか?もし、そんな生き物がいたら…馬鹿としか言いようがありません。しかし、私たちは、、そんな馬鹿なことを不思議にもしています。
それは、お金のシステムによって人々を支配し、人類も環境もズタズタにするものがいるからです。そうでなければ、国民を守るはずの国が、毒を撒いて国民の健康と環境を破壊するような計画を立てるはずがないからです。
まず、私たちは、国によって守られていないという事実を知り、みんなで協力しこの罠から抜け出さなければならないと思います。そのためには、上記に案内しましたが、自然に沿った自然農を学び、それを実践することだと思います。現在農家をされている方の中に、このような学びに参加される人が増えていくことを願っています。
┃参考にした文献
「農薬の航空散布の現状と環境汚染問題」 / 稲葉光國
投稿者 staff : 2013年12月05日 TweetList
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