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2013年08月16日

農を身近に★あぐり通信vol.8:『カエルの合唱』が消える日

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(画像は こちら からお借りしました)
みなさん、こんにちは。お盆で田舎に帰省し、夜の田んぼでこだまする『カエルの合唱』を聞いて、子供の頃を懐かしんでおられる方もいらっしゃると思います。
しかし、今、世界中でカエルも含め、両性類が減少している事が分かってきました。
以前、当ブログでもご紹介致しました「 【コラム☆】~F1種の危険性:ミツバチはなぜ消えたのか?~ 」で、ミツバチが消えた原因をお伝えしましたが、今回は、カエルの減少が、今後農業でも深刻な問題になりうる点についてお伝えしたいと思います。

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(画像は こちら からお借りしました。)
自然界からカエルの合唱が無くなる日、人間界にはどのような影響がでるのだろうか?
きっこのブログさんより以下引用させていただきます。

カエルたちが、ここ十数年、世界中で激減してる。
そして、カエルの減少が報告され始めた当初は、「環境汚染のセイだろう」なんていう漠然とした見方をしてたワケだけど、米科学アカデミー紀要(Proceedings of the NatioAcademy of Sciences)が、3月1日付で、ホームページ上に、ビックル一気飲みのレポートを発表した。
これは、カリフォルニア大学バークレー校のタイロン・ヘイズ教授の研究チームによる報告で、アメリカを中心にして世界各国でもっとも多く使用されてる除草剤の1つ、「アトラジン」が、カエルを始めとした両生類の減少の原因になってる可能性が高い‥‥ってものだった。
で、この「アトラジン」ていう除草剤が、ただ単に「カエルを殺してる」っていうのなら、まあ、普通の話なんだけど、これが、そうじゃないのだ。微量の「アトラジン」を長期間に渡って摂取したカエルは、約10%のオスがメスに性転換しちゃって、オスなのに卵を産むようになっちゃうそうなのだ!!。
だけど、「それならカエルは増えるじゃん」ってことにはならない。
ナゼなら、メスに性転換しなかったオスのほとんどは、オスとしての生殖機能を失っちゃうからだ。
つまり、100匹のオスがいたら、そのうちの10匹がメスに性転換して、残りの90匹は去勢されちゃうみたいなもんで、その結果、子孫を残すことができなくなる。
(中略)今回のレポートは、ヘイズ教授の研究チームが、カエルが減少してて「アトラジン」が検出された土地を1年間に渡って調べて、年間の「アトラジン」の平均濃度を算出した。そして、「アトラジン」の影響を受けてない健康なオスのカエルを80匹用意してて、半分の40匹を普通に育てて、残りの40匹を平均濃度の「アトラジン」の中で育ててて、それを比較した結果が掲載されてる。
これによると、当たり前のことだけど、普通に育てたカエルが普通に成長したのに対して、「アトラジン」の中で育てたほうのカエルは、ナナナナナント! 90%にあたる36匹に、男性ホルモンの「テストステロン」の減少、オスの生殖腺の縮小、咽頭部のメス化などが見られて、このうちの80%にあたる29匹は、完全に精子を作る能力がなくなっちゃったそうだ。
そして、精子を作る能力が残ってた7匹の固体も、通常の固体よりも精子の生産量が激減したそうだ。で、残りの4匹は「アトラジン」の影響を受けなかったのかっていうと、その反対で、影響を受け過ぎちゃって、完全にメスになっちゃったのだ。
そして、メスになっちゃった4匹を健康なオスと交尾させたら、ちゃんと卵を産んだそうだ。
だけど、ここで、またまた問題が発生しちゃった。この「ど根性ガエル」ならぬ「性転換ガエル」が生んだ卵から孵化したたくさんのオタマジャクシたちは、ぜんぶオスだったのだ。この「オスしか生まれない」って現象が、「アトラジン」の影響によるものなのか、それとも、「アトラジン」の影響でオスがメス化しちゃってるから、それをフォローするためにオスばかり生まれるようになったのかについては、何も書かれてない。
前にも書いたことがあるけど、お魚の世界では、こうした性転換はよくあることで、たとえば、大きな水槽にハゼのオスだけを50匹入れとくと、そのうちの半分は自然にメスに性転換しちゃって、残りのオスとの間に子供を作るようになる。もちろん、すべての種類のお魚が性転換するワケじゃないけど、「ファインディング・ニモ」で有名になったカクレクマノミを始め、自然に性転換するお魚はいろいろいる。これは、すべて、オスとメスの個体数のバランスをとるための現象だから、性転換する種類のお魚でも、オスとメスのバランスがとれてれば性転換しない。
(中略)★今回のカエルの性転換は、オスばかりが異常に増えたから、その一部がメスに性転換したとかって話じゃない。もともとは、ちゃんとオスとメスとがおんなじくらいいたのに、人間が撒き散らしてる除草剤の「アトラジン」の影響で、オスの90%が生殖機能を失ったり低下したりして、残りの10%がメスに性転換しちゃったっていう、あまりにも酷い話なのだ。
そして、その結果、世界各地でカエルが激減してるんだから、これは大変な問題だ。カエルが激減すれば、カエルが捕食してた昆虫は増殖するし、カエルを捕食してた鳥やお魚や哺乳類は他の動物ばかりを食べるようになるし、次々と連鎖が始まり、生態系のバランスが崩れ、最後には、必ずそのツケが人間に返って来る。それも、これは、アメリカだけの話じゃなくて、このニポンも含めて、世界各国で起こり始めてる。
(中略)★「アメリカだけでも年間に約3600万キロものアトラジンが農業用の除草剤として使用されており、そのうちの約23万キロは雨になって地上に降りそそいでいるのです。大気中の成分が雨となって地上に降るまでには、1000キロ以上も移動する場合がありますので、アトラジンも、それを使用したエリアだけでなく、そこから1000キロ以上も離れた場所にまで雨になって運ばれ、貴重な原始の生態系が残るエリアにも悪影響を与えている可能性があります。」
ちなみに、この「アトラジン」てのは、スイスの「チバ社」と「ガイギー社」が合併した「チバガイギー社」が開発したトリアジン系の非ホルモン型、移行性除草剤で、ニポンでは「日本チバガイギー社」が販売してるんだけど、「ネコソギ(エース)粒剤」「ゲザプリム」「Gesaprim」「A Atrex,」「Primatol A」「Atratol」って、たくさんの商品がある。
世界各国でもっとも多く使用されてる除草剤の1つ、「アトラジン」だけど、最近の研究では、人体への影響として「乳ガンの発症率を引き上げる」っていうデータもあって、ヨーロッパ連合では、2004年に使用を全面禁止にした。
だけど、「アトラジン」は、すごく強力な上に、穀物や野菜や果実の栽培に効果があるのは当然として、特にトウモロコシやサトウキビみたいに短期間で大きく成長する作物に効果があるそうで、アメリカじゃ大量に使われ続けています。
そして、値段も安いことから途上国でも大量に使われてるし、当然、ニポンでも大量に使われてる。(引用終了)

ちなみに、アトラジンを製造している『チバガイギー社』は、過去にも スモン訴訟 等、人体に影響が出ている大きな薬害問題を起こしています。
更に、環境ホルモン(内分泌かく乱物質)としてアトラジンもその中に挙げられ、はっきりした事はまだ分かっていませんが、過去半世紀に(ヒトの)男性の精子数が半減、という報告もなされています。
このようなアトラジンの問題を察知し、すでにフランスやドイツ・イタリア・スウェーデン・ノルウェーなどですでに使用禁止されています。
しかし、驚くべき事に日本の水質検査でも影響が出る値に匹敵する濃度が河川水から検出されているにも関わらず、日本の水質基準はまだ設定されていません。
(ちなみに、WHOの飲料水のガイドライン値、2 ppbであり、カエルで影響が現れた値の何と20倍となっています。)

農業にとっても、カエルは大切な生き物で、なんといっても、稲作の害虫となるウンカを始めとする昆虫類、様々な伝染病を媒介する蚊を含めた生物を大量に捕食してくれます。
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(画像は こちら からお借りしました。)
しかし、このまま使用をし続けるという事は、農業にとっても、これまで私達の生活に身近に存在していた『カエルの合唱』が、約2040年頃には無くなる恐れもあります。
また、別の視点から見ると、サイクルが早い両性類に症状が出てきたという事は、いずれ私達の生活にも影響を及ぼす警笛と言えるのではないでしょうか。

いかがでしたか?
今回は、カエルが、アトラジンにより生態が壊されていたという事実をご紹介し、皆さんにも知っていただければ幸いです。

では、次回の『農を身近に★あぐり通信』もお楽しみに~ 😀
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(画像は こちら からお借りしました)

投稿者 shiogai : 2013年08月16日 List   

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