【コラム】みんなが可能性を感じる新農法への転換。その突破口は集団化! |
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2012年08月28日
農から始まる地域の再生~新しい生産集合体をどうつくるか?8.業態革命を起こす企業の参入が突破口!!
みなさん、こんにちは。
類農園三重農場は、現在、稲刈り真っ最中!!
そして、このシリーズもいよいよ佳境に入って来ました。
今回は、これからの農業・農村の可能性を切り拓いて行くであろう企業の農業参入の可能性について採り上げます。
では、続きを読む前にぽちっとよろしくお願いします。
当ブログでも、今までに、様々の企業による農業参入の事例や、成功している農業法人の事例を扱ってきました。
これらの事例をはじめとした企業農業に、なぜ可能性があるのでしょうか?
1.農業・農村・食の抱える現在的問題と突破口
このシリーズでも扱ってきましたが、現在の農業・農村・食の世界では、以下のようなさまざまの問題事象があり、その直接的な突破口は、具体的に考えられます。
例えば。
①過疎化 → 若者の雇用機会の創出
②担い手不足 → 農業雇用、独立営農支援
③耕作放棄地の増加 → 地域全体を統合した農地の活用
④農家の活力を奪う農協組織 → 農家のプラスになる組織化
⑤食糧自給率の低下 → 農業の自立、食育
⑥TPP → 日本農業のファン、応援者=消費者の組織化
⑦食の安全・健康の危機 → 都市と農村を結ぶ、信認ネットワークの構築、情報共有、勉強会
2.企業農業が農業・農村再生の主体となる理由
では、これらを実現するために、主体となっていく存在は、何なのでしょうか?
行政? 農協? 既存の農家? 学者・研究者・大学? でしょうか?
残念ながら、違います。
その主役となるのは、企業です。
なぜでしょう?
いくつか必要条件があります。
①自立した生産集団であること(事業体であること)
農協のように、国にべったりで、支援を受けているような組織では、本来の農家のための活動を行うことはできません。また、事業として成り立つ農業を実践することで、継続性や雇用創出が可能となります。
何より、時代の最先端圧力を受け適応している集団である必要があります。増してや、成果圧力のかからない、学界勢力では、何も実現できません。
経営基盤がしっかりしていることで、物事は実現できます。
②6次産業化に適している(既存の市場で勝っている)
日本の農業が、衰退して来た要因の1つに、市場での敗北主義があります。高い価格では売れない農作物を作る農業は、儲からなくて当たり前という固定観念にとらわれてきたことです。
その点、既存の市場で勝って来た一般企業から見れば、農業は、やり方次第で、利益の出せる分野に見えます。それを象徴的に言ったのが、6次産業化です。農作物を作るだけの農業から、商品を企画・生産・販売するまでを自ら行うことで、経営として成り立たせることです。
そして、都市(既存市場)で、勝って来たからこそ、都市と農村のつなぎ役として、ネットワークを構築して行くことも可能です。
③企画化・組織化能力
農業として成り立つためにも、担い手を育成して行くためにも、販路の確保が必要です。しかも、ファンとなって高単価で、定期的に買っていただける消費者を組織化すること。そのために、魅力ある商品を開発し、その供給元=生産者を組織化することです。そのような組織化、商品開発ができるのが、企業でもあります。
④共同体の再生
現在、人々の意識がモノ(物的価値)→意識(類的価値)へと転換して来ている中、かつての大量生産大量消費のシステムではなく、人々の充足(類的価値)を生み出すことが何より求められています。それは、大企業ではなく、みんなで、自分達の集団(生きる場)をどう運営するかを自分達で考え、自分達で課題や役割を共有し、認め合いながら進めて行く、共同体的企業だからこそ可能になります。それは、かつての共同体の再生への取り組みでもあり、農村の活性化にもつながり、消費者、生産者を組織化する際も、実利とともに、重要な心の充足を提供することにもなります。
そして、その充足が、上記の様々の問題に対する答え追求の活力にもつながります。なぜなら、答えを出すことで、さらに、充足を得ることができるからです。
⑤余力の創出→新しい価値の創出
個人で農業をやっている範囲では、生産で手一杯。ぜいぜい、固定直売客を獲得して、不安定ながら何とか自立経営する段階までです。しかし、企業農業あるいは、企業が核となった生産者グループでは、しっかりとした販路と技術の確保によって、経営に余力ができ、その余力で、商品開発、勉強会、地域行事、地域に根差した活動の支援etc.が可能となり、さらに新しい価値を生み出します。
以上のように、これから、農業・農村を再生して行くためには、企業が核となって行く必要があり、具体的には、生産者の組織化、消費者の組織化、そして、それを結びつける商品や技術開発、ネットワーク化です。また、ネットワークの中身として、勉強の必要性、共有も、とても重要になってきます。TPP問題1つとっても、その認識が業界としての生死を分けます。
また、生産者の組織化は、農地解放以来、バラバラにされ、活力低下の一途を辿った農家を1つに束ね、地域の農地を有効利用し、地域を再生して行くという課題でもあります。
3.業態革命の必要性
これらは、作るだけ、売るのは、農協任せの既存の農家・農業からの大転換を図るということであり、外からの「業態革命!!」と表現できます。
モノ→意識へ転換という大きな時代の意識潮流を受け、あらゆる業界が、業態革命を求められている中、農業も例外ではありません。事実、農業界の成功事例も、ほとんどが、農外からの新規参入組であることがそのことを物語っています。
多くの歴史が物語っているように、革命は、常に、周辺部or外部の勢力によってなり遂げられます。
今こそ、既存の大量生産大量消費の生産様式で行き詰まった企業が、新たな共同体的発想で、農業界へ参入して来てくれることを期待します。
また、我々、類農園も業態革命の1経営体となるべく、活動を拡大して行きますので、応援よろしくお願いします。
参考投稿
8/12なんでや劇場1~2 農と塾における業態革命
http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&m=267661
http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&m=267662
投稿者 naganobu : 2012年08月28日 TweetList
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