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2012年08月18日
【コラム】みんなが可能性を感じる新農法への転換。その突破口は集団化!
画像はこちらからお借りしました
みなさんこんにちは。
今年の夏も、猛暑だったかと思えば冷夏と言われていたりと、大変な夏でしたね。
今年に限らずここ数年、いわゆる異常気象や自然災害が相次いでいます。
また、ヨーロッパ発の金融危機も日を増すごとに危機感を増しており、数年内の経済破局の到来も現実味を帯びてきました。
当ブログでも何度か取り上げてきましたが、これらが意味することは、食糧危機の可能性の増大ではないでしょうか。
世界的に食糧生産量が下がり、経済破局の混乱や現物価格の高騰による輸入停止、国内供給の滞りによって、食糧が満足に手に入らない可能性は十分に考えられます。
「自分の家は農家だから、大丈夫だ」
「親戚に農家がいるし、いざとなったら分けてもらえば大丈夫」
そんな風に考えていませんか?
この問題を単なる“食糧”危機とだけ捉えず、更に一歩二歩踏み込んで状況を考えていくと、とても楽観視はしていられないことに気づきます。
それはどういうことなのでしょうか?突破口はどこにあるのでしょうか?
今回はそれらを考えていきたいと思います。
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経済破局によって食糧その他の輸入がストップすると、肥料・農薬・種子・燃料等もあおりを受けます。
輸入ストップによりただでさえ国内の物が減ってしまう事に加え、破局の混乱により国内流通にも混乱をきたす可能性は十分に考えられます。
現在の農業の多くは、いわゆる慣行農法と呼ばれる肥料も農薬も使う一般的な農法であり、言い方をかえれば相当量の肥料や農薬が手に入って初めて成立する農法と言えます。
ちなみに、破局が落ち着くまでの数年間、一家族を自給だけで食べていこうとした場合、作付け品目は数種類程度ですが、その為に必要となる肥料・農薬は数十種類にもおよび、とても備蓄しておけるような量では無いと考えられます。
ではどうすれば良いのでしょうか?
■破局対策、その突破口は・・・
これらの突破口となるのが、SRI農法や自然農法といった、肥料・農薬依存度の低い、或いはゼロの農法ではないでしょうか。
これらは破局対策にもなる上に、平時においても食の安心・安全に応えるものであり、商品価値の向上につながるという大きなメリットがあります。
転換が難しそう、と思ってしまいがちですが、例えば、
SRI農法
ちなみにどれくらい収穫量が増えるかというと、単収が慣行稲作の1.5倍前後、多い場合には2倍近く。1ヘクタールあたりの収量が10トンを超えたという報告もあるそうです。
(中略)
1983年、ロラニエ神父は確信を持って、SRIの基本原則を公表した。
・播種後2週間以内の若い苗を移植する。
・苗は間隔をあけ、縦横25cmの範囲の中に1本だけ植える。
・水田は水分を保ちつつも、湛水はしない。
SRIは慣行稲作と全く異なる農法だが、既に述べたように、個々の要素は実際に現地の農民が行っている稲作の実態の中から見出したものである。ただ、これらを統合的に組み合わせるアイデアは、固定観念や先入観に囚われないロラニエ神父の独創性の成せる技である。
自然農法:奇跡のりんご 木村さん
画像は“>こちらからお借りしました
インターネットで売り出すと、10分で完売。そして、腐らない。そんな「奇跡のりんご」を作るのが、青森・弘前の農家・木村秋則(57)。そのりんご作りは、化学的に合成された農薬や肥料を一切使わない。
(中略)
■育てない手助けするだけ
化学的に合成された農薬や肥料を一切使わない木村のりんごづくり。不可能と言われた栽培を可能にした秘密は、畑にある。
木村の畑では、あえて雑草を伸び放題にしている。畑をできるだけ自然の状態に近づけることで、そこに豊かな生態系が生まれる。害虫を食べる益虫も繁殖することで、害虫の被害は大きくならない。さらに、葉の表面にもさまざまな菌が生息することで、病気の発生も抑えられる。
木村がやることは、人工的にりんごを育てるのではなく、りんごが本来持っている生命力を引き出し、育ちやすい環境を整えることだ。害虫の卵が増えすぎたと見れば手で取り、病気のまん延を防ぐためには酢を散布する。すべては、徹底した自然観察から生まれた木村の流儀だ。
「私の栽培は目が農薬であり、肥料なんです」
不耕起移植・無農薬・冬期湛水:岩澤さん
不耕起移植の田の場合、稲刈りの後も耕さないために、田んぼに稲株や切り藁が残ります。そこに水を張ると、藁や株が水中で分解され、微生物や微小動物昆虫類や藻が大量に発生します。これが生きものの餌になります。藻や植物性プランクトンは光合成をして酸素を吐き出し、たくさんの生きものが住める環境を作り出します。耕さない田んぼが、生きものの循環を生み、豊かな生態系を作り上げていくのです。
農地は耕すと、種をまいたり、苗を植えたりするのは非常に楽です。耕すことで除草もできます。だけど、耕すことのマイナスもあるわけです。一番のマイナスは、作物を甘やかしてしまうことです。人間と同じで、過保護に育てられた作物はたくましく育たない。農薬をあてにせざるを得なくなる。作物を甘やかさず、厳しい条件で生育させるというのが不耕起移植栽培の一番の骨子です。単に「昔に戻ろう」ということではなくて、「本物のお米」を作るにはこの農法が一番あっている。
のように、成功事例はいくつもあります。
先人の成功事例に倣えば、慣行農法から肥料・農薬依存度の低い農法への転換は可能なはずです。
転換を阻む壁
しかし、実は多くの農家がこうした自然農法や不耕起栽培等に可能性を感じても、うまくいかない現実があります。
その最も大きな壁は、「成功するまでに家計がもたない」という非常に現実的な壁です。
事例に挙げた奇跡のりんごの木村さんも、取り組み始めて3年間は全く成果が上がらずアルバイトで生計を立てていたそうです。
農業で生計を立てている農家さんにとって、農法の転換とはまさに「生きるか死ぬか」の問題なのです。
そうした現実的な壁をどうしたら突破できるのでしょうか?
突破口は集団化
農法の転換を一農家でやろうと思うと、農家の死活問題となってしまい中々踏み出せないのであれば、集団・組織で取り組めば良いのではないでしょうか。
例えば10件の農家が集まって、当初3年は3農家分の田を転換にあて、残り7農家で得た収量を全農家で分配する。
次の3年は別の3農家の田を転換にあて・・・というようにしていけば、リスク分散が可能になります。
また他にも農法の転換という新たな試みにあって、一農家ではぶつかる様々な壁も、集団であれば乗り越えられることも多々あるでしょう。
農地解放以来バラバラにされてきた農家、それによって衰弱してきた日本の農業も、こうした現実課題を通じて集団化・組織化することで、現在の、そして未来の課題も突破できるのではないでしょうか。
これからの農業は、いかに集団化・組織化していけるか、これがキーポイントになってきそうですね。
投稿者 tibatosi : 2012年08月18日 TweetList
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