| メイン |

2010年04月06日

【共認社会の新しい農法とは?】(6)水による栄養素循環~必要元素が存在しても、使える状態であることが重要~

こんにちは 今回は【共認社会の新しい農法とは?】シリーズの続きをお届けします。まず、前回の記事の復習から・・・

前回、不足しがちで生命に必要な5大養分について学んできました。
炭素(C)や窒素(N)、リン(P)、カリウム(K)、カルシウム(Ca)
これらを始めとする様々な元素は、気化あるいは水に溶けて流出してゆくもので、しばしば不足してしまいます。イオン化傾向が高いとそれだけ水に溶けやすく、流失しやすいため、不足しがちなのです
【共認社会の新しい農法とは?】(5)土(陸地)の生態系

この必要元素を不足させる要因は、雨と風が挙げられます。
そして主にイオンとして流出する要因となる雨は、森や湖・川が作り出しているのです。水がある所では、水が蒸発して水蒸気となり、上昇気流が出来るのは分かるけれど、森が雨を作り出すってどういうこと?と思われた方は、こちらをご参照ください☆(リンク

森林
写真元はこちら

森が、雨を呼びます。なんと、内陸部のほとんどの雨 はそうして生成されていると考えられるのだそうです
そして、雨は陸地に降り注ぎ、大地に染み渡ります。
それでは、そこから先の水の行方を見てゆきましょう
続きに進む前に、応援クリック お願いします

にほんブログ村 ライフスタイルブログへ


ありがとうございます
それでは、まずは図としてまとめたものをご覧下さい
%E7%B8%AE%E5%B0%8F%E5%9B%B3.bmp
拡大するにはこちら→画像の確認
降り注いだ雨は、植物があれば時間をかけて地中に吸い込まれ、伏流水となって下流へ流れ、川や海に注ぎます。(・・・一方裸地では雨は一気に地表を流れ、そのまま川へ流れ出します。しばしば裸地の土砂を削り、川を泥水にしてしまいます
川の生態系
陸地の動植物の遺体や動物の糞尿が、土壌の微生物により分解され、土壌中の養分となります。降り注いだ雨は土壌にしみこみ、これらの養分が溶け出した、養分豊かな湧き水になり、川に注ぎこみます。
川に太陽光が差し込むと、湧き水に溶けた養分を使って、植物プランクトンが育つ。これが川の生態系の原点です。川からは絶えず水が蒸発して、下流にいくほど養分が濃縮され、たくさんの川魚やエビなどが育ちます。
鉄イオンが使える状態か、はとても重要!
養分濃度が高くても、大きな湖などでは、生物が少ないことがあります。そこで注目されるのがです。鉄は他の重要元素に比べてイオン化傾向が低くて、水に溶けにくく、不安定な鉄イオンは別の物質とすぐに化合して、安定的な固体となり沈殿しやすい性質があります。そのため鉄分が不足し、養分が豊富で、太陽光があたっていても、植物プランクトンが育たないのです

300px-Image-2008_Lake_Masshu.jpg
湖で生物が育たない事例の詳細は、こちら
       ↓
湖の生態系が貧しくなるのはなんで?

では、生態系豊かな川ではなにが違うのか。そこでは鉄は、「キレート鉄」という形で存在しています。キレート鉄は、鉄が有機物と結合し、有機物の中に鉄イオンが挟み込まれて存在します。有機物(キレート剤)の濃度が高いときは、鉄イオンが安定的に存在することができるのです
%E3%82%AD%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%83%88%E9%89%84.gif
さらに、鉄の重要性について知りたい方は、こちら
          ↓
鉄(Fe)は植物にとっても極めて重要な元素

海の生態系
海と陸水の大きな違いは、特殊養分の鉄です。
海では特に鉄が不足します。
それは、深さ200mまでの表層は弱アルカリ性で、有機物(キレート剤)が不足すればすぐに、鉄イオンは酸素と結びつき水酸化鉄となり、海底に沈殿してしまうためです。
◇大陸棚は川から養分が流れ込む豊かな場
アルカリ性の海では鉄が不足します。海にキレート鉄を供給するのは、有機物(キレート剤)が多量に含まれる川からの水と泥を食べる動物です。
川の水は海の水より軽いので、海の上をすべるように流れ、5大養分とキレート鉄が供給されます。
また動物は、海底の有機物(動植物の遺体や汚泥)を食べ、胃酸で分解し、キレート鉄を作り出します。動物が吸収しきれなかった分が、排泄されて、キレート鉄として供給されます。
深さ200mまでは、太陽光からの青い光が20%程度残っており、植物プランクトンから始まる、植物・魚介類・微生物の生態系が成立する豊かな漁場となるのです。
一方遠洋にいくほど、キレート剤が不足し、植物プランクトンがあまり育たないため、高栄養だが、大きな魚が多少いるか、生命の少ない海の方が多いのだそうです。
◇深海は生命の終着点
生命の死体や魚の糞は、重力により、深海に落下していく。陸から流れ出し、海に行き着いた養分も、海での生態系を通して、最後は深海に行き着きます。その証拠として、深海の元素比率は、特殊な鉄をのぞき、生態を構成する元素比率とほぼ同じだそうです。
%E6%B7%B1%E6%B5%B7.png

◇湧昇による生態系の循環
陸と海の生態系を支える養分は重力により下へ下へ、深海の海底に沈み、とどまる・・・・エントロピーの拡大しきった状態、これを解決する地球の能力があります。それが、コリオリの力による海水の湧昇です。コリオリの力によって海流が発生し、地球上の各所で深層水が上昇してくるスポットが形成されているのです。下から上へ、養分を運び上げ、遠洋に漁場を作り出し、育った魚が世界の海へ回遊し、養分を供給することになります。
400px-Weltfoerderband.png
   画像はウィキペディアより

湧昇してくる深海水には、鉄イオンが酸化され、水酸化鉄になり沈殿しており、鉄イオンが不足するが、海の生態系を完全に失わせるほど少なくはないといいます。深海では酸素濃度が少ないため、鉄イオンのままで保存される鉄が存在しているからだそうです。
遠洋で生育した魚は沿岸海域に近づき、鳥や人のエサになるなどして、陸に引き上げられ、海(深海)から陸(山頂)を結ぶ大きな循環も成立してきました。人類も、陸の生態系のひとつの構成要素である動物として、大きく逸脱することがなかったことで、これまで述べてきた海と陸の生態系の循環が存在してきたのです。
次回からは、人間社会と生態系の関係について、追求していきます!お楽しみに

投稿者 megu3 : 2010年04月06日 List   

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://blog.new-agriculture.com/blog/2010/04/1089.html/trackback

コメント

小水力発電は日本の地形に適した発電方式だと思います。原発を一日も早く廃炉にするため是非設備の促進をお願いします。

投稿者 ken17ga4ma : 2013年2月11日 16:52

同じ企画を検討中です。ご協力できる事があればとも思います。情報交換などお願いします。

投稿者 平井 靖 : 2013年2月16日 19:30

hermes outlet in amsterdam 新しい「農」のかたち | コラム:今こそ農村力発電

投稿者 cheap hermes handbags : 2014年2月2日 11:58

hermes lindy bag hong kong 新しい「農」のかたち | コラム:今こそ農村力発電

投稿者 handbags wholesale online : 2014年2月7日 04:00

新しい「農」のかたち | コラム:今こそ農村力発電

投稿者 wholesale bags : 2014年2月10日 16:15

コメントしてください