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2010年03月26日

【共認社会の新しい農法とは?】(4)地球の熱・水・大気循環と植物

こんにちは!前回のエントリー「【共認社会の新しい農法とは?】(3)生態系の起点は植物」では、生態系の循環は植物が糖類を作り出せることにより可能になっていることが明らかになりましたね。
今回は、生態系の外部、地球の熱・水・大気循環に焦点を当て、前回に引き続き自然界の「循環」ってどういうこと?を追求していきます。実は、生態系の外部環境の循環にも、生物(植物)の存在が大きな役割を担っているのですよ~
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画像の確認
上の図は、地球における熱循環・水循環・大気循環を示した模式図です。数値は、太陽光熱を100とした場合の熱の値を表しています。

《熱の循環》
地球への熱の入力と地球からの熱の出力は常につりあっています。両者がバランスしているため、地球は地表面温度15℃という状態を約40億年間も保ってきたのです。
それでは具体的に熱収支の内訳を見てみましょう。
太陽光熱100の内、宇宙へと反射される30、大気中の汚染物質に吸収される23を差し引いて、(100-30-23=)47が直接光として地表に届きます。
一方、15℃の地表から熱113が放熱され、その内96が大気中の水蒸気によって地表に逆放射されます。これがいわゆる「温暖化効果」です。(注:この水蒸気による温暖化効果により地球は暖かくなっており、二酸化炭素による温暖化効果にはここまでの効果はありません。
以上、47+96=143が地球に入力される熱です。
出力される熱は、上記の放熱113に加え、水の蒸発による24、空気冷却による6が奪われるため、合計143となり、熱の入力の値と等しくなっていますね。
《水の循環》
水の蒸発により発生する水蒸気は、空気より軽いため、上昇気流が生まれます。水蒸気が上昇すれば、気圧が低いので膨張します。水蒸気が膨張すれば温度が下がり、やがて露点に達すると雨や雪となって、地表に降り注ぎます。この水がまた蒸発して・・・を繰り返すことで、水は循環しているのです。
《大気の循環》
水蒸気が雨や雪になるとき大気に熱が受け渡され、大気はますます軽くなって上昇し、高度5900mに達すると宇宙へ熱を遠赤外線として放出します。熱放射により大気は重くなるので、下降気流となって地上に降りてきます。こうして大気は循環しています。

このように、地球の熱・水・大気の循環は、それぞれが独立しているわけではなく、相互に関わりあっていることが分かります。これらの循環により地表面温度15℃という環境が保たれてきたからこそ、生物は存在可能だったんです
ただし、上記の説明はあくまでも物理的な現象のみに焦点を当てたもので、それだけでは次第にエントロピーは増大していく一方と思われます。
しかし、これら熱・水・大気循環の中に、生命活動が存在し、また複雑に絡み合うことで、地球全体の物質・エネルギー循環は成り立っています生命活動と自然の循環との関連については、今後詳しく追求していくことになりますが、ここでは一つ、目から鱗だった例を紹介します。
それは、植物(森林)の働きです。「森林が雨を呼ぶ」といわれるくらい、森林は水の循環に大きく関与しています。植物の蒸散で発した水蒸気が上昇気流を起こし、雨を降らせているのです。意外なことに、森林からの蒸散量と、同面積の海からの蒸発量はほぼ同じで、大陸内部の雨はほとんど、森林が降らせた雨だそうです。
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つまり、植物が地球における水循環・大気循環を成立or活性化させている、と言えます。植物は生態系の循環だけでなく、外部環境の循環にも大きな役割を果たしているのですね
そして最後に、生物の中でも人類が自然の循環システムに大きな影響を与えるということを強調しておきます。特に森林伐採による砂漠化の進行など、人類が自然の循環を破壊してきた張本人であることは自覚すべきでしょう。
しかし、マイナス面だけでなく、人類は自然の循環にプラスの影響も与えられます。例えば江戸時代、人糞を畑にまく仕組みにしてから、人糞に含まれる栄養素が鳥によって山まで運ばれ、禿山が再生した例もあります。今日まで破壊させた環境を元に戻すことも、エントロピー増大を最小限に食い止める社会システムを作ることも、我々のエネルギーの投入の仕方によって実現可能だと思われます。そのための知恵を出す力が今求められているのではないでしょうか?
特に農業は、自然の循環と人類がどのような関係を維持するか、という全体課題そのものです。そのことを十分意識した上で、これから共認時代に求められる農法を追求していきましょう!
それでは次回は、農にぐぐっと身近な環境、土(陸地)の生態系に迫っていきます!!お楽しみに!

投稿者 staff : 2010年03月26日 List   

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